「並木学院高等学校」のeスポーツ部で涙と感動の経験を!成功体験を積み重ねて自信につなげる

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近年、世界各国で注目を集めているeスポーツ。eスポーツとは、コンピュータゲームをスポーツ競技として捉えた名称で、子どもたちが将来就きたい職業でもランクインするほど人気です。

eスポーツには教育的効果もあるといわれ、実際に部活や授業でeスポーツを取り入れる学校も増えています。

そこで今回は、広島県広島市にある通信制の「並木学院高等学校」eスポーツ部を取材。顧問の堀江 桂介先生に、創部したきっかけから活動内容、生徒たちへの想いなどを伺いました。

eスポーツがよくわからない、ゲームに対して懸念がある、という保護者の方も、ぜひご一読ください。

  1. 楽しむだけでなく“勝ち”に行く!並木学院のeスポーツ部
  2. eスポーツがもたらす教育効果!学校に行き始めるきっかけにも
  3. eスポーツを通じた“涙と感動の成功体験”を「自信」につなげて

楽しむだけでなく“勝ち”に行く!並木学院のeスポーツ部

eスポーツの部員の集合写真

ー本日はよろしくお願いします。はじめに、「並木学院高等学校」がどのような学校なのか、概要を教えてください。

堀江 桂介先生(以下、堀江):
「並木学院高等学校」は、中四国をはじめ、関東、近畿、九州において、幼稚園・保育園から専門学校・大学・大学院・研究施設まで7法人、30校園を展開する学校法人 加計学園グループの1校です。

本校は、平成16年に単位制の通信制高校として開校しました。

本校では、50年以上の伝統を誇る学校法人 英数学館の教育メソッドで着実な学力を身につけられるほか、部活動によって仲間と夢を共有し、絆を深めることができます。

ーeスポーツ部の活動内容や、創部したきっかけをご紹介ください。

堀江:
もともとeスポーツを個人的に取り組んでいる生徒が在校生におり、eスポーツ部をつくりたいと申し出てきたことがきっかけで2020年に創部しました。

教員もその想いに応え、希望者を募ったり設備などを取り入れたりして、生徒と一緒に部活動をつくり上げていきました。ときには教員も一緒になって練習に取り組んでいるんですよ。

設立当時から部活動のルールは生徒たちと決め、生徒自身「楽しむ部活動ではなく、勝ちに行く部活動にしたい」と、高い意識をもって日々練習に励んでいます。

その結果、3年生の最後の公式試合では、3年生がレギュラーから外れ、能力のある1年生が選抜されたこともありました。

それでも「自分たちが決めたルールだから」と、3年生は潔く一軍のサポートに回って全力でチームを勝利に導きましたね。

そして、2022年度STAGE:0(ステージゼロ)という大会のLeague of Legends(リーグ・オブ・レジェンド / LOL)部門では、中国四国ブロックベスト4の結果を残しました。

今ではコーチもついてくれ、本格的な体制が整いつつあります。

全日制高校のeスポーツ部の場合は毎日顔をあわせて練習をおこないますが、通信制の場合はオンラインで練習することが一般的です。しかし、本校は、通信制でありながら毎日13:30~17:00までしっかり顔をあわせて練習をしています

また、本校は学校に通う日数もコースによってバラバラで、授業が週に2日程度の生徒もいますが、授業のない日でもeスポーツの練習のためだけに毎日登校している生徒もいるんです。

ゲームをきっかけに、学校が楽しくなったり毎日家を出る習慣がついたりすることも大切だと思っています。

ゲームタイトルは、eスポーツでもっとも代表的なリーグ・オブ・レジェンドに全員で取り組んでいます。

ほかにも、VALORANT(ヴァロラント)、Fortnite(フォートナイト)など、全国レベルの大会で、高校生が参加できるもの、なおかつ多人数で取り組むゲームタイトルを選んでいますね。

部内では、学年関係なく仲よく楽しみつつも、お互いに討論や練習、コーチングをして上達を図っています。

チームゲームをしていることから、普段から掛け声や報告などが飛び交い、とても賑やかです。

そんな生徒たちの表情は終始楽しそうで、教員もいつも元気をもらっています。

eスポーツがもたらす教育効果!学校に行き始めるきっかけにも

男子生徒2名がPCを操作している画像

ーeスポーツによる、教育的効果はありますか?

堀江:
eスポーツによって得られる教育的効果は大きいと思っています。

たとえば、数学は、数字を使って将来仕事をするうえで必要な情報処理能力や問題解決能力を鍛え、訓練をしているようなものです。

一方、eスポーツは、ゲームを使って勝つための情報処理・問題解決をし、数学と同様の訓練をしていて、むしろ数字より複雑なことをしています。

数字がゲームに置き換わっただけと考えれば、教育的効果についておわかりいただけるのではないでしょうか。

また、お子さんが真剣に取り組んでいるゲームをよく知らずに、「ゲームばっかりやって!」と言う保護者の方もいますが、しっかり頭を使うものなど、お子さんのさまざまな能力を伸ばすゲームもたくさんあります

各年齢において適したゲームを選択して勧めてあげれば、ゲームのレベルをステップアップしていくことも可能なので、子どもだけにゲームを選ばせるのではなく、保護者の方がゲームのレベル・内容を理解し、導いてあげることも大切だと思いますね。

さらに、eスポーツは、コミュニケーション能力や協調性も養えます

通信制でもある本校には、不登校経験者や人間関係の構築が苦手な生徒も多数いますが、ゲームを通じてだと急に活発に話ができたり意思疎通ができたりする生徒も多いんですよ。

そういったことを踏まえても、コミュニケーションの部分ではとても大きな教育的効果を持っていることは明らかです。

気遣いや、報告・連絡・相談ができるようになったり、成功体験を積んで自信をつけたり、eスポーツをとおして本校の生徒は大きく成長しています。

目標を持って取り組んでいるからこそ、その成長値はとても高いのではないだろうかと思います。

とはいえ、学生の本分である勉強を疎かにしたり、日常生活がきちんと送れなかったりと、ゲームによって悪影響を及ぼす場合は試合に出さないと決めているため、最近は試験前になると必死で勉強している生徒も増えていますね。

実際、創部する前は、保護者の方から「ゲームばかりするので困る」などといったご意見が出るのではと心配していました。

しかし、これまで保護者の方からの不満は「なんで今日は部活休みなんですか?」の一件だけ。せっかくゲームにやる気を出しているのだから部活をやってほしい、というものだったんです。

これに関して、我々教員としては予想外の結果でした。

それどころか、多くの保護者の方から、「中学校でひと言も喋らなかった子どもが楽しそうに喋っていることが嬉しい」や「将来の夢を見つけるきっかけになった」と感謝のお声をいただいています。

さまざまなスキルはもちろん、ゲーム好きの仲間もできる素敵な環境ですね!

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eスポーツを通じた“涙と感動の成功体験”を「自信」につなげて

生徒たちがeスポーツをしているPCを見ている画像

ーeスポーツ部の今後の活動や展開があれば教えてください。

堀江:
今年はeスポーツ部の入部者が多く、ゲーミングPC(パソコン)などが足りなくなりましたが、すぐにひとり1台になるよう揃えました。

このように、生徒の「やりたい」という想いに教員が全力で応え続けること。それが、生徒と一緒に部活動をつくっていくためには必要だと考えています。

これからも、生徒だけが頑張ったり、教員だけでルールを決めたりせず、試合に出るメンバーの選出に始まり、部内ルールまで、多くのことを生徒と教員が一緒になり決めていきたいですね。

こういったことが、勝ちにこだわりつつも、“心優しい生徒が多い並木学院らしさを持ったeスポーツ部”になるのではないかと思っています。

今後も生徒たちと毎日顔をあわせてお互いに切磋琢磨しながら、全国決勝大会に参加するという目標に一歩ずつ近づけていけたらと思います。

また、取り組むゲームタイトルも少しずつ増やしていきたいと考えており、活動の幅を広げる予定です。

そのためにも、これからは試合だけではなく、ボランティア活動や、地域貢献活動などをとおし、eスポーツの発展の一助となっていければと考えています。

ー最後に、入学を検討している読者にメッセージをお願いします。

堀江:
「eスポーツなんて、たかがゲーム」「ゲームは悪いもの」そんな先入観から物ごとを決めつけていると、せっかくの経験や知識も得られなくなってしまいます。

まずは、生徒本人や保護者の方が意識を変えてほしい。eスポーツ部は、サッカーや野球の部活動と一緒であり、レギュラー争いや、涙と感動の経験があるということを知ってください。

みんな試合の日には、緊張で手が震えたり、トイレに何度も行ったり、チームの足を引っ張るからと悩んだり、そんななかで必死にもがき苦しみ、努力を重ねて1勝をとっています。そんな成功体験を積んで「自信」にしていってほしいと思いますね。

そうやって手に入れた自信は、どんな学問より、将来社会人になったときに役立つことでしょう。

最後に、一度でいいので、試合の様子を生で見てほしいと思います。

張り詰めた緊張感と、試合中の掛け声の量。ただのゲームではない「eスポーツ」の魅力がそこにあり、みなさんの考えが変わることと思います。

ぜひ、並木学院高等学校のeスポーツ部で一緒に成功体験をしてみませんか。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。


■取材協力:並木学院高等学校

有田 幸恵
この記事を執筆した執筆者
有田 幸恵

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

幼少期は5歳から小学校6年生まで英会話教室に通う。高校受験時には家庭教師や塾の特別講習で猛勉強し、第一志望に合格。その後、芸能関係の道に進み、ライター業に転身する。エンタメや美容ジャンルの執筆を経験した後、弁護士コンテンツの法律記事に携わったのをきっかけに、読者の役に立つ情報発信を志し、2020年9月から株式会社サイバーエージェントのグループ会社 株式会社CyberOwlで編集者兼ライターとして従事。現在、テラコヤプラス by Amebaで保護者やお子さまの未来に繋がる記事づくりを目指しています。