「ルネサンス高校グループ」のeスポーツコースを取材!ゲームを通じて養う“将来を切り拓く力”とは

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コンピューターゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉えたeスポーツは、世界で盛り上がりを見せています。

近年、eスポーツは日本でも注目を集めていることに加え、中高生といった若い世代にも人気があることから、高校でeスポーツを学べる部活動や専攻コースを設置しているところも。

しかし、保護者のなかには、ゲームをするために通うコースとイメージされ、将来の進路について不安を感じている方も多いでしょう。

そこで今回は、国内の高等学校で初めてeスポーツの専門コースを開講した「ルネサンス高校グループ」、中学生を対象としたフリースクール「ルネ中等部」でおこなっているeスポーツ学習を取材。

学校を運営している、ブロードメディア株式会社 eスポーツ担当の山本 純平さんと、今井 康平さんに、ほかの学校にはないeスポーツを通じて育む学びなどについてお話を伺いました。

  1. 普通の高校にはない学びで生徒をサポートする「ルネ高」
  2. 国内初のeスポーツ専門コース!きっかけは生徒への想い
  3. 未来につながる新しいスタイルの学びの場「ルネ中等部」
  4. 子どもたちの成長を応援!eスポーツを通じて新しい道を見つけて

普通の高校にはない学びで生徒をサポートする「ルネ高」

女性の先生と女子生徒が話している画像

ー本日はよろしくお願いします。はじめに、「ルネ高(ルネサンス高等学校・ルネサンス豊田高等学校・ルネサンス大阪高等学校)」がどのような学校なのか、概要を教えてください。

山本 純平さん(以下、山本):通信制の「ルネサンス高等学校」は、2006年に開校
しました。

そして、2011年にルネサンス豊田高等学校、2014年にルネサンス大阪高等学校を開校し、現在はグループ3校と連携キャンパスを全国各地に構えています。

必要な登校日数は年4日程度で、通信制高校のなかでも最短の登校日なんですよ。登校(スクーリング)は、担任と相談しながら都合がよい日程を選択することができます。

また、ネット学習が充実しており、ネット環境さえあれば、スマートフォン・タブレット・パソコンで、時間や場所にとらわれず、いつでもどこでも効率的に学ぶことが可能です。

レポート提出もインターネットを使ってできるので、郵送の手間もありません。

専門スクールとも提携しているため、高校に在籍しながら、美容や芸能、スポーツ、留学・英会話など、将来に向けて本当にやりたいことを本格的に学ぶことができるダブルスクールコース(オプションコース)もあります。

さらに、3つの通学コース(オプションコース)を用意し、さまざまな形で生徒をサポートしていますね。

通学スタンダードコース」では、基礎学習だけでなく、プロジェクト学習などを取り入れた体験の多い授業を展開しており、「アコピアK-POPコース」では、自宅にいながら、本場韓国のダンス、ボーカル、韓国語レッスンを受けられます。

eスポーツコース」に関しては、2018年に日本の高校で初めてeスポーツの専門コースとして大阪で開講しました。2023年4月には新設の池袋キャンパスでも開講し、現在全国7キャンパスで提供しています。

国内初のeスポーツ専門コース!きっかけは生徒への想い

eスポーツを学んでいる教室内の画像

ー国内初のeスポーツコースを開講したきっかけや、eスポーツと結びつく学びについても教えてください。

山本:
通信制高校というと、学力が低い、家庭の事情で仕事やアルバイトをしているなど、さまざまな課題を抱えているイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

今でこそ通信制の印象も変わってきているかと思いますが、2018年当時はまだ世間的に理解されていなかった気がします。

実際、ルネ高をはじめ、通信制高校には、不登校や引きこもり経験のある生徒が多かったのも事実で、高校卒業後の進路については課題も多くありました。

そういったことを踏まえ、生徒の興味を引くコースを用意していくなかで、ゲームであれば子どもたちが学校に来てくれるのではないかと思い、eスポーツコースを開講したんです。

不登校を克服するきっかけになればとの考えもありましたが、ただ一日中大好きなゲームをするわけではなく、高校卒業後にどういった進路を切り拓いてあげられるかを第一に考えています。

しかし、eスポーツコースに通っているからといって、全員が卒業後にプロプレイヤーの道に進むわけではありません。

ルネ高のeスポーツコースを卒業した生徒たちの進路状況を見てみると、95%以上が進学を選択していて、半数が4年制大学、残りの半数が専門学校に進学しています。

したがって、将来を見据え、次のステップに進む選択肢を広げてもらうために、eスポーツの実技授業の合間に、英語やプログラミング、メンタルトレーニングや心理学などの授業をおこなっています。

たとえば、プログラミングに興味があれば情報系の学部への進学や、言語に興味を持ったら外国語系の学部に進学するといったように、eスポーツをとおして将来の夢を描き、進路先を決めてもらっていますね。

他校のeスポーツコースは、プロプレイヤーを養成する場合がほとんどですが、教育的要素をしっかり押し出して、その先の進路をつくっていくことを意識しています。

eスポーツコースは、高校生の全国大会で採用されているメインゲームタイトルとして、『フォートナイト』『ヴァロラント』『リーグ・オブ・レジェンド』のほかに、サブタイトルとして『eFootball™ 』なども取り組んでいます。

ヴァロラントコースでは、プロチーム・プロプレイヤーやリーグで活躍中の学生らが講師となって、テクニックや戦術、戦略の指導をおこない、ヴァロラントのスキル向上をめざすことができるんです。 

ルネ高の授業は、キャンパスへ通学し、実際に対面する仲間と声を掛け合い、相談し、振り返りなどもおこなうため、家でおこなうゲームとは違います。

そういった授業のなかで、eスポーツの実技スキル向上だけではなく、勝つために必要な論理的思考力や空間認識力、コミュニケーション能力の向上、社会人として必要になるマナーの指導も実施しており、幅広い分野を体系的に学ぶことが可能です。

ー大会に出場した際の成績をお聞かせください。

山本:
直近では、「第5回 全国高校eスポーツ選手権(2023)」のフォートナイト部門で優勝、リーグ・オブ・レジェンド部門で準優勝という成績を収めています。

当然、生徒たちは優勝をめざして普段から練習していますが、特別になにかしているわけではないんですよ。

先日、全国高校eスポーツ選手権の決勝大会で、生徒たちがインタビューを受けた際、「普段の練習と同じように大会に臨めたらと思っています。」と言っていました。

日ごろからメンタルトレーニングの授業をおこなっているからこそ、このような平常心を心がける言葉が出たのだと思いましたね。

優勝という結果にフォーカスされがちですがそれは副次効果で、生徒たちが仲間とeスポーツに取り組むことで、社会性や自信を持ち、社会に出てからも活躍できる力を身につけることで前向きになり、よい結果につながっているのだと感じます。

やはり子どもたちにゲームは人気なのですね!ゲームをとおして、たくさんの学びや成長が得られるのだと感じました。

テラコヤプラスでは、駅や地域にあわせて塾・学習塾を検索することが可能。

入塾を検討している方は、「ルネサンス高等学校 新宿代々木キャンパス」最寄りの新宿区 塾・学習塾 ランキングや、新宿駅・新線新宿駅から近い 塾・学習塾 ランキングなどから探してみてくださいね!

未来につながる新しいスタイルの学びの場「ルネ中等部」

eスポーツをおこなっている生徒たちの画像

ールネサンス高校グループが運営している「ルネ中等部」ではどのようなことをおこなっているのでしょうか?

今井 康平さん(以下、今井):「ルネ中等部」は、中学校になじめないと感じている生徒や、不登校を経験している生徒、新しい目標をめざす生徒などが、楽しく仲間たちと同じ趣味に取り組めるよう、フリースクールとして多様な学びを提供
しています。

授業は、eスポーツ、プログラミング、数学や英語などの通常科目があります。

eスポーツのタイトルとしては、基本的にルネ高と同様の、フォートナイト、リーグ・オブ・レジェンド、ヴァロラントを取り扱っていますね。

開講してる時間はキャンパスによって異なりますが、13時からスタートする3時間制の昼の部と、17時からスタートする2時間制の夕方の部、ふたつがあります。

現在、中等部の拠点は6か所あり、場所によって、曜日やゲームタイトル、教養科目に違いがあるので、ご興味のある方は公式ホームページでご確認いただけると幸いです。

入塾する子どもたちは、パソコンを触ったことがない子が6、7割以上を占めています。

パソコンの電源の入れ方やタイピングも指導しているので、ゲームの得意不得意関係なく、これから学びたいと思っているお子さんにぜひ通っていただきたいですね。

eスポーツでプロになれる実力を持っている子もいれば、eスポーツが初めてという子など、さまざまなレベルの子たちがいますが、みんな同じようにeスポーツが好きなので、共通の話題が持てて仲よく取り組んでくれていますよ。

また、家から遠い子や、親の送り迎えがないと通えない子もいるため、学校の長期休暇を利用した1か月程度の講習授業も用意しています。

夏期講習もこれから募集する予定なので、いきなり通うのが不安な方は、講習授業から始めてみてほしいです。

ーeスポーツ学習を始めようと思ったきっかけや、授業について教えてください。

今井:
高校生に関しては、ルネ高のeスポーツコースですでにeスポーツ学習を進めていたわけですが、中学生はそういった環境がなかったんですね。

そのようななかで、ルネ高で開講したeスポーツコースの反響が非常に大きく、ありがたいことに中学生の保護者の方からも問い合わせが多くあったことから、中等部の開校に至りました。

eスポーツ授業では、実技指導はもちろんのこと、コミュニケーション能力や分析能力、問題解決能力も鍛える必要があるため、高校の授業をもっと噛み砕いて、自然と身につく授業構成にしています。

また、ルネ高のeスポーツコースに通う高校生が授業のフォローに入ってくれているんですよ。

年齢の近い高校生が講師として指導してくれる姿を見て、数年後の自分の姿と重ね合わせることができるほか、先輩と接することで自分も高校に進学したら中等部の講師をしたいなど、夢を持って授業に取り組んでいる子もいます。

高校生にとっても、eスポーツを指導する経験が積めるのは、ほかにない取り組みだと思います。

子どもたちの成長を応援!eスポーツを通じて新しい道を見つけて

生徒たちが抱き合って喜んでいる画像

ー今後の目標や、オープンキャンパスなどの告知があればご紹介ください。

山本:
今後の目標としては、より多くの生徒がeスポーツコースによって、次のステップに進んでほしいと思っています。

ゲームが不登校になる原因として挙げられることもありますが、実際に生徒に話を聞くと、「学校に行く意味がないから」と答える生徒が多いんです。

だからこそ、eスポーツに限らず、自分の好きなことに取り組める場をつくってあげることで、とことん頑張ってもらい、楽しく能力を上げてもらう。そして、さまざまな力を養えるカリキュラムで将来必要なスキルを育んでもらいたいと考えています。

そうして3年間学校生活を楽しく過ごし、次のステージにあがったときに、より活躍できるような人材育成をしていきたいですね。

今井:今は不登校支援にも力を入れて取り組んでいますが、塾に行くようにeスポーツも習い事の選択肢としてもっと普及していけば嬉しいなと感じています。

そしてeスポーツに対するイメージをよりよいものにしていくために、親が子どもにめざしてほしいと思う生徒を輩出することがeスポーツコースの使命だと思っています。

また、授業の内容の充実ももちろんですが、今後はグループ内のほかのキャンパスとの交流や、学内でのイベントを増やしていきたいです。

インターネットをとおしたコミュニケーションだけでなく、教員がもっと教室外のイベントを盛り上げていけたら生徒のためにもなるのではないでしょうか。

ルネ高とルネ中等部のオープンキャンパスに関しては、各キャンパスごとに、学校説明会やeスポーツ体験の内容が異なるため、ルネ高該当ページルネ中等部該当ページ各々よりお申し込みください。

ー最後に、入学を検討している読者にメッセージをお願いします。

今井:保護者の方は、ゲームが将来につながるのかと不安に思われることも多いかと思います。

しかし、私たち教員も、生徒がただ3年間ゲームをやっていればそれでよいと思っているわけでは決してありません。

eスポーツをとおして得られる、将来自分が生きるために役立つ知識を身につけてほしいという想いで運営をしています。

ゲーム業界で働きたいとか、プロをめざしたいとか、入学時には漠然とした想いだったとしても、卒業するころには具体的に将来のことを考えられるようになります。

不安もあるとは思いますが、子どもの可能性を信じて背中を押してあげてください

山本:ルネ高には、自分の好きなことにとことん取り組める環境が整っているので、学ぶなかで自身で将来を切り拓く力を身につけてもらえたら私たちとしても嬉しいです。

ゲームが上手な子たちばかりいるのではないかなど、いろいろな不安があるかとは思います。しかしルネ高は、初心者から競技勢まで幅広い生徒たちに指導していますので、一からeスポーツを学びたい生徒もお待ちしております。

たくさんの選択肢があるなかで、自分にぴったりの学校や環境を見つけてほしいですね。ルネ高やルネ中等部にも、ぜひ一度見学にきてください。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。


■取材協力:ルネサンス高校グループ

有田 幸恵
この記事を執筆した執筆者
有田 幸恵

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

幼少期は5歳から小学校6年生まで英会話教室に通う。高校受験時には家庭教師や塾の特別講習で猛勉強し、第一志望に合格。その後、芸能関係の道に進み、ライター業に転身する。エンタメや美容ジャンルの執筆を経験した後、弁護士コンテンツの法律記事に携わったのをきっかけに、読者の役に立つ情報発信を志し、2020年9月から株式会社サイバーエージェントのグループ会社 株式会社CyberOwlで編集者兼ライターとして従事。現在、テラコヤプラス by Amebaで保護者やお子さまの未来に繋がる記事づくりを目指しています。