中学受験をする家庭にとって、秋は慌ただしい時期。学校説明会や入試説明会が数多く開催されるほか、模試なども佳境に入ります。
この時期、すでに第一志望校や併願校を決定して、過去問などで対策をとり始めている家庭がある一方で、「まだ決めきれていない」という家庭も多いはず。
「Ameba塾探し」では子どもの中学受験を経験したことのある保護者252人に、第一志望校受験の決め手や併願校で重視したことなど、「中学受験の志望校選び」についてアンケートを実施しました。
志望校選び参考になったのは「学校見学」!複数回通う保護者も
まずは「第一志望校を決定するうえで重視したこと」を聞いてみました。
第一志望校を決定するときに重視したことを尋ねると、「子どもの成績・学力に合っているか」(21.9%)、「授業内容や教育方針」(21.6%)と答えた保護者が、ほぼ同率でもっとも多くいました。
「子どもの意見」(13.6%)と回答した保護者も、「第一志望校に通っている保護者の方から学校の情報を詳しく教えてもらったり、過去問をいただいたりして、子どもに合っているか事前に確認した」、「親子で学校説明会に行って話を聞き、家に帰って話し合いをしました!」と話しており、子どもの意見を尊重しつつも、保護者による事前の下調べがしっかりおこなわれていたことが伺えます。
第一志望校の情報を集める際には、どのようなものが特に参考になったのでしょうか。
「学校見学(文化祭など各種イベント含む)」がもっとも多く33.7%。次いで「学校のホームページ」(16.7%)、そして「塾からの情報」(13.5%)と続きました。
また、保護者からのアドバイスを細かく見ていくと、気になる志望校の学校見学には説明会だけでなく、文化祭などの各種イベントなどに複数回足を運んで、普段の生徒の様子や子どもとの相性などを確認しているようです。
偏差値?子どもの意見?志望校選びで迷った理由…
続いて、第一志望校をどの学校にするか決める際に迷いはあったかどうか、またどのような点で迷ったか聞いてみました。
「どの学校を第一志望にするか迷ったか」と尋ねたところ、約5割(45.6%)が「迷った」と答えていました。
特にどのような点で迷ったか尋ねると、約半数が「偏差値」と回答。
「合格ラインに届かず、それまで目指していた最難関校を諦め、改めて第一志望校を作った」や「今よくても受験時にどうなっているかわからない不安が常にあった」と、偏差値が目標校に届くかどうかに不安を抱いた場合もあれば、「(子どもが選んだ第一志望校が)子どもの偏差値よりも随分下だった」「子どもがやりたい内容を選択したら、偏差値の低い学校になった」と、子どもの意見を尊重したい反面、保護者としては「もう少し上を…」という葛藤の声も聞こえました。
その一方で第一志望校を決めるにあたって「迷わなかった」(54.4%)と回答した保護者は「偏差値」ではなく子どもの意見を重視していたようです。
受験では学力や保護者の希望などさまざまな迷いは常につきまといますが、最終的に保護者が子どもにできることは「子どもを信じる」、その一択なのかもしれません。
“行ける”より“行きたい”学校を!併願校選びで重視したこと
併願校の受験校数や重視した点についても尋ねました。
アンケートによると、約3割(29.0%)が単願で受験をしているようですが、残りの約7割が併願校も受験。併願校の受験校数は「1校」がもっとも多く、25.8%でした。
併願校を決めるうえで重視した点については「こどもの成績・学力に合っているか」が約5割(49.3%)。次点の「授業内容や教育方針」(20.1%)の2倍以上でした。
併願校は「確実に受かる学校」として、特に子どもの学力を重視して選んでいると思われますが、保護者からは次のような経験談が寄せられました。
首都圏模試センターによると、2022年入試の首都圏の受験者数は、私立中学と国立中学を合わせて5万1100人と過去最高の受験者数と受験率となっており、2023年も受験は人気傾向に。
そのため、併願校も「行きたい学校」と考えて学校説明会などに参加して調べておく必要があるでしょう。
説明会より文化祭へ!志望校選びで「やってよかったこと」
最後に学校選びの際に「やってよかったこと」や、「もう少しやっておきたかったこと」について伺いました。
やってよかったこと
もう少しやっておきたかったこと
まとめ
中学受験の学校選びにおいて、重視されているのは「子どもの成績・学力に合っているか」「授業内容や教育方針」といった親目線の回答が多い結果となりました。そのため、保護者は学校見学などにも足しげく通っているようです。
その一方で、併願校の選び方においては第一志望校選び以上に「子どもの成績・学力に合っているか」を重視。しかしそこに重点を置いてしまったが故に、実際に子どもが併願校に通っている保護者からは「併願校もしっかり調べておけばよかった」という声も寄せられていました。
この数年、中学受験の過熱化によって第一志望に合格するのは30%という数字も目にします。「第一志望校に落ちたから併願校」ではなく、「併願校も行きたい学校」として、子どもとよく話し合うことがますます大切になってくるでしょう。
【調査概要】
調査期間:2022年9月22日~10月31日
調査機関:自社
調査対象:全国の子どもが中学受験をした保護者252人
調査方法:インターネット(Google フォーム、クラウドワークス)
調査内容:「中学受験の志望校選び」に関するアンケート