夏の終わりが見え、徐々に秋の空気も感じられるようになってきたこのごろ。秋は過ごしやすい気候に、夜の時間も長くなることから、読書に適した時期として「読書の秋」ともいわれています。
そんな「読書の秋」にちなんで、「Ameba塾探し」では「子どものころの読書習慣」について20歳以上の500人を対象にアンケートを実施しました。
調査の結果、約8割が「読書によって将来の選択肢が広がった」と実感しており、さらに約7割が現在の仕事に子どものころの読書が活かされていると回答。
また「読書する子どもほど学力が高い」という声が多く聞かれますが、実際はその相関関係についてどのように感じているのか調査しました。
親の「本を読みなさい」に効果なし!?読書習慣の有無にかかわらず同じ結果に
まずは「読書習慣」について調査。“中学生のころ”どの程度本を読んでいたか聞いてみました。
「中学生のころの読書習慣について」、「よく本を読んだ」と答えた人がもっとも多く37.0%、続いて「ときどき本を読んだ」が35.0%。合わせて中学生時代は約7割(72.0%)の人が、定期的に本を読む習慣があったことがわかりました。
さらに、20~60代の年代ごとに回答内容を分析してみましたが、どの世代も全体と同じような結果に。このことから、世代を問わず多くの人が、中学時代に読書する習慣があったことがわかってきました。
では、本は自らの意思で読んでいたのでしょうか、保護者に促されて読んでいたのでしょうか。
「中学生のころの読書習慣について」の質問で「よく本を読んだ」「ときどき本を読んだ」と答えた人を対象に、「中学生のころ本を『読みなさい』と言われていたか」尋ねてみたところ、5割超(55.3%)の人が「まったく言われなかった」と回答しました。
しかし、読書習慣についての質問で「あまり本を読まなかった」「まったく本を読まなかった」と答えた人の約5割もまた、「まったく言われなかった」と回答しています。
「本を読みなさい」と言われて、本を読んだ子どもと、読まなかった子どもがほぼ同じ割合いることから、「本を読みなさい」という言葉は子どもにはあまり効果はないことが考えられます。
単に読書を呼びかけるより、保護者がなぜ本を読んだほうがよいと考えているのかを伝え、子どもが本を読むきっかけや動機を見つけてあげるなど、一歩踏み込んだアプローチが大切なのかもしれません。
「よく本を読んだ」人の約9割が国語の成績が「とてもよかった」と回答
次に、読書がもたらす効果について調査しました。「読書と学力」の相関関係についてどのように考えているのでしょうか。
「読書量と成績は相関関係があると思うか」と尋ねたところ、「とてもそう思う」が32.2%、「そう思う」は51.6%と、あわせて約8割(83.8%)の人が相関関係にあると考えているようです。具体的には以下のような声が寄せられました。
「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」と答えた人からは、「自分の好みの本しか読まないから、成績とは関係ないと思う」(40代前半・専業主婦)という声や、「本をそれほど読まなかったが、成績はよいほうだった」(40代前半・正社員)などといった実体験も寄せられました。
実際に読書と学力は相関関係にあるのか「中学生のころの国語の成績」を尋ね、「中学生のころの読書習慣」を踏まえて分析しました。
中学生のころの国語の成績が「とてもよかった」と感じている人の約6割(64.8%)が中学生のころ「よく本を読んだ」と回答。「ときどき本を読んだ」(28.8%)を合わせると、中学のころの国語の成績がよかったと回答している人の約9割(93.6%)が、本を読む習慣がありました。
反対に中学生のころの国語の成績が「悪かった」と感じている人のなかで、「よく本を読んだ」人は約3割(28.6%)、成績が「あまりよくなかった」と感じている人のなかではわずか1割ほど(11.8%)。
以上の結果から、少なくとも国語においては本を定期的に読んでいる人ほど成績がよい傾向にあることがわかりました。
約8割が読書によって視野が広がったと実感!
では、学力以外に読書にはどのようなメリットがあるのでしょうか。「読書によって将来の選択肢や視野が広がったと思うか」尋ねてみました。
「とてもそう思う」が25.8%、「そう思う」が53.2%。合わせて約8割(79.0%)の人が、読書によって将来の選択肢や視野が広がったと感じているようです。
また、現在の仕事において子どものころの読書はよい影響や効果があったと感じるかを尋ねてみたところ、「とてもそう思う」(17.4%)、「そう思う」(51.0%)という結果に。あわせて約7割(68.4%)の人が、よい影響・効果があったと答えました。
反対に「あまりそう思わない」「そう思わない」と答えた人たちの回答では、「子ども時代に読書習慣がなかった」という意見が目立ちました。
『ハリーポッター』シリーズ、『モモ』が人気!思い出の一冊は?
最後に、「子どものころに読んだ思い出の一冊」についても教えてもらいました。子どもになんの本をおすすめしようか悩んでいる保護者の方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
「ハリーポッター」シリーズ J・K・ローリング
初めての長編読書がハリーポッターシリーズだったという声が非常に多く寄せられました。
『モモ』ミヒャル・エンデ
また、同著者の『はてしない物語』も人気で「子どものころから映画「ネバーエンディングストーリー」が好きで、その原作として「はてしない物語」があるのを知り、図書館で借りて映画との違いに驚いた記憶があります。そこからファンタジーにはまりました」(30代後半・パート/アルバイト)などといった素敵な思い出が多数寄せられました。
「三毛猫ホームズシリーズ」赤川 次郎
ほかにも、「三姉妹探偵団シリーズを中学生のころに初めて読んだが、自分は一人っ子だったので三姉妹の仲睦まじい様子に憧れていた。鮮やかに事件を解決していく過程も面白かった」(20代後半・自営業)という声など、赤川次郎作品ファンもとても多かったです。
『アンネの日記』アンネ・フランク
『窓際のトットちゃん』黒柳 徹子
『ハッピーバースデー』青木 和雄, 吉富 多美
ほかにも夏目漱石の『こころ』『坊ちゃん』や、『星の王子さま』(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)、『ガラスのうさぎ』(高木 敏子)などさまざまな本の名が寄せられました。
まとめ
多くの人は中学生時代に読書習慣があることがわかりました。保護者から読書を促されていたと答えた人は一定数いましたが、「本を読みなさい」という言葉によって読書への興味が増すことへの効果はあまりないようです。
また今回の調査において多くの人が「読書」と「学力」は相関関係があると考えており、実際に国語の成績がよかったと答えた人の約9割は定期的に本を読む習慣があることがわかりました。
さらに学力だけではなく、読書によって選択肢や視野が広がったと答えた人が約8割、現在の仕事において読書の利点を感じている人が約7割もいることから、本はまさに人生を豊かにするものであることがわかりました。
【調査概要】
調査期間:2022年8月30日
調査機関:自社
調査対象:全国の20代以上、500人
調査方法:インターネット(クラウドワークス)
調査内容:「子どものころの読書習慣」に関するアンケート