子育ての悩みは、なかなか周囲に打ち明けられず一人で抱え込んでいる方も多いことでしょう。
「NPO法人 日本ホームチャイルドケア協会」では、子どもたちの成長をベビーシッターとして一緒に見守る事業を展開しています。
今回は、代表理事 参納 初夏さんにお話を伺いました。
ベビーシッターに興味のある方はぜひご一読ください。
ベビーシッターのためのコミュニティ
ー本日はよろしくお願いいたします。まず、「NPO法人 日本ホームチャイルドケア協会」ではどのような活動をおこなっているのでしょうか。
参納 初夏さん(以下、参納):「NPO法人日本ホームチャイルドケア協会」は今ほどベビーシッターのコミュニティが無かった2015年に立ち上げた「ベビーシッターを考える会」という任意団体を経て、2020年4月にNPO法人として立ち上がり、訪問保育・ベビーシッターをインフラ化したいという想いで活動をしています。
インフラ化とは、ベビーシッターを利用したい人が利用したいときに安心して使える社会にすること。というのも、今はまだまだ民間サービスなので高額だから頼みたくても頼めない、選択肢にない方も多く、必要な人が使いやすいっていうような保育園と同じように使いやすいサービスになったら良いなと考えています。
そのための第一歩として、訪問保育に関わるベビーシッターのためのコミュニティを運営しており、そこでは訪問保育だけではなく、保育全般や働き方そのものについての勉強の場も設けております。
現在は訪問保育(ベビーシッター)をしている方のためのコミュニティがメインですが、このほかに、訪問保育を必要とするひとり親家庭のためのコミュニティを目指して、インフラ化の実現に向けて動いています。
大切なのは子どもの気持ちを受け止めること
ー続いて、「ひとり親家庭への訪問保育事業」について教えてください。
参納:「ひとり親家庭への訪問保育事業」は「だいじょうぶだよ!基金」から助成金をいただいて、2022年4月か~9月までの期間限定の事業です。
事業内容としては、23区内とその近郊の方を対象として、ベビーシッターとしてお宅に伺い、子どもたちが思いっきり遊べるような環境づくりをお手伝いするというもの。
その間に保護者の方は、好きなことをしてリフレッシュしたり、勉強のために時間を使ったりなど、自由な過ごし方をしていただいています。
マンツーマンで保育することを基本としており、現在8名のベビーシッターが活躍しているのですが一人ひとり違う良さがあるため、ご家庭に応じてどんな方が良いのかをヒアリングしながら対応しています。
私自身、子どもたちと関わるうえで大切にしていることは、否定しないことです。これは、すべてを受け入れることは出来なくても、子どもの要望や気持ちを一旦受け止めて、不機嫌で泣いている子どもに対しても、「そういう嫌な気持ちなんだね」などと気持ちに寄り添う必要があると感じているからです。
大人の気持ちが先行しないように、まず子どもに寄り添うことが、子どもたちと接するうえで一番心がけていることですね。
ベビーシッターを身近に
ー今後、開催予定のイベントなどの告知があれば教えてください。
参納:コロナの感染状況をみながら対策をおこなったうえで、秋には子どもも参加できるような野外イベントを開催したいと考えています。詳細が決まり次第公式ホームページ、SNS、公式LINEでもご案内予定ですので、ぜひチェックしてみてください。
また、今回の助成金をいただいてひとり親家庭の事業をおこなっていたところ、10月以降も継続をご希望される声が多数寄せられているんです。
ですから、今後この事業の活動報告会の場を設けて、それを基に寄付を募りながら、より多くの方が利用しやすい価格帯で、定期的にお届けできるようにしていきたいですね。
ー最後に、読者へ向けてメッセージをお願いします。
参納:訪問保育、いわゆるベビーシッターをまだまだ身近に感じていらっしゃらない方は多いのではないでしょうか。
情報発信もそうですけど、どんな人が活動しているのか、実際に触れあってもらえるようなイベントなどもおこなっていきたいと考えています。
また、訪問保育を利用されている方のなかでパートナーの方、「大丈夫なの?」と心配されたり、反対されるというお声があったりします。
保護者の方自身が、そういったご意見によって「子育てを一人で頑張らなきゃ」と煮詰まってしまうケースもあるようです。
その際は、信頼できるベビーシッター会社であったり、フリーランスで活躍されているベビーシッターに相談し、顔合わせ(事前面談)をすることでパートナーの方やご家族とも会って安心をしていただくことも出来ると思います。ですから、「反対されたからやめた」ではなく、諦めずにSOSを発信していただきたいと切に願っています。
どんなベビーシッターが活躍しているかについては、今後ホームページにも載せていく予定ですので、ご自身やお子さまに合ったベビーシッターを見つける参考にしていただきたいですね。
ベビーシッターに関する小さな疑問でも、ご相談を受け付けておりますのでぜひ一度ご連絡ください。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:NPO法人 日本ホームチャイルドケア協会