宇宙開発というのは国家レベルのもので私たち一般人には無縁と思っている方は多いのではないでしょうか。
しかし、最近は民間企業による宇宙開発・宇宙産業ビジネスへの参入が注目されてきています。
「NPO法人 宇宙アドバイザー協会」では、多くの方に宇宙の素晴らしさや面白さを伝えて、宇宙に興味をもってもらうための活動をしています。
今回は、代表理事である冨永 和江さんにお話を伺いました。
宇宙や科学に興味のある方、宇宙飛行士になりたいという夢をもつお子さんの保護者はぜひご覧ください。
宇宙・科学の素晴らしさを知っていただく機会を提供
ー本日はよろしくお願いいたします。まずは、NPO法人 宇宙アドバイザー協会の概要と活動内容について教えてください。
冨永 和江さん(以下、冨永):私たちNPO法人 宇宙アドバイザー協会は、宇宙や科学の普及啓発活動などをおこない、科学や技術振興に貢献するために2016年1月に設立された団体です。
活動内容としては講演、小学校クラブ活動での支援授業、宇宙・科学関連のイベント開催などをおこなっています。
活動を通して、子どもたちや一般の方に向けて宇宙や科学の素晴らしさ・面白さを知っていただく機会を提供しています。
宇宙アドバイザー協会として活動を始めた経緯には、私たちメンバーの前職が大きく関係しています。
私はもともと宇宙開発関係の民間会社に勤めていました。そして、JAXA(ジャクサ)宇宙航空研究開発機構の職員だった方たちが、退職されたあとも子どもたちに科学や宇宙の素晴らしさを伝えたいということで講演を続けていたんです。
そこで一緒に団体を設立する運びとなり、現在ではメンバーの皆さんと宇宙の面白さを知ってもらう、宇宙・科学に少しでも興味をもってもらうための普及啓発活動をしています。
実際に宇宙開発に携わってきたプロフェッショナルの集まりなので、一般的に知られていないような知識・経験もありますよ。
ー講演の内容について具体的に教えてください。
冨永:講演のなかでお話するのは、ロケットや人工衛星、宇宙飛行士や国際宇宙ステーションといったものが多いです。
子どもたちのなかには、宇宙飛行士になりたいという夢をもっている子もいますので、どうすれば宇宙飛行士になれるのかとよく質問をいただきます。
そんな質問に対して、私たちの経験を活かし、進路についてアドバイスすることもありますよ。
ただし、宇宙に関わる進路というと工学部や理学部など理系に限らず文系もあって、本当に多種多様な選択があるんです。子どもによって合う・合わないという相性がありますので、具体的なことはあまり伝えないよう気をつけています。
子どもたち自身が自分の好きなことを見つけ、それをどんどん極めていってもらいたいと考えているからです。
宇宙に興味をもってもらうための出張授業
ー小学校のクラブ活動における支援授業の内容について詳しく教えてください。
冨永:クラブ活動の支援授業は、実際に小学校を訪問して授業をする出張授業という形でおこなっています。
小学校のクラブ活動というのは、子どもたちが実験をしたり、どうしてこうなるのかなっていうことを考える場だと思っていますので、宇宙関連に興味をもってもらうための工作・実験などが中心です。
実際におこなった授業内容でいうと、工作したバルーンロケットやペットボトルで作る水ロケットを打ち上げたりしました。
今後はデモンストレーションでモデルロケットを打ち上げるなど、より興味・関心をもってもらえるような授業を企画したいと考えています。
ー講演や出張授業に参加された子ども・保護者の方からの感想を教えてください。
冨永:やはり「楽しかった」という声が一番多いですね。
高学年の子どもたちからは、バルーンロケットや水ロケットが飛ぶ理由についてもっと調べてみたいという声もいただきます。
保護者の方からは、子どもがこれだけ集中するなんてと驚かれることもありますね。
講演や出張授業をきっかけに宇宙に興味をもってくれたお子さんもいまして、宇宙センターの見学に連れて行ってみるという親御さんもいました。
「楽しかった」「興味がわいた」という感想をいただけると、私たちも講演や出張授業をやってよかったと思います。
宇宙・科学に少しでも興味をもってほしい
ー今後、開催予定のイベントなどがあれば、教えてください。
冨永:現在、いくつかの自治体や学校から講演依頼をいただいておりますので、その講演をおこなう予定です。
講演だけでなく実験をしてほしいというご依頼を受けた際には、団体さんのご都合に合わせて出張授業をさせていただきます。講演または出張授業をご依頼したいという方は、ホームページのお問い合わせをご確認ください。
そのほか子どもゆめ基金を利用して「宇宙・科学のお祭り」というイベントを東京墨田区で実施します。
このイベントは、実験するためのキットに限りがありますので人数制限を設けております。参加申し込みを事前に受け付けておりますので、興味のある方はぜひホームページをご確認ください。
毎年実施しているイベントなので、今年は参加できないという方も、ぜひ機会がありましたらご参加いただければと思います。
ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いいたします。
冨永:宇宙というのは、意外と身近なところでも関わりがあります。たとえば皆さんのご家庭にもあるマヨネーズや醤油といった調味料が宇宙食として採用されているんです。
最近ではSpaceX社をはじめ、さまざまな民間企業による宇宙開発も注目されてきています。宇宙は決して遠いものではないということを知ってほしいです。
私たちNPO法人 宇宙アドバイザー協会の活動を通して、宇宙・科学に少しでも興味をもっていただけたら嬉しいです。全国どこへでも行きますので、お気軽に当団体にお問い合わせください。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました!
取材協力:NPO法人 宇宙アドバイザー協会