学童は働くお父さん・お母さんにとって強い味方。学童があるからこそ、安心して働くことができると感じている方も多いのではないでしょうか?
今回は茨城県ひたちなか市にある民間学童「夢ある学童」代表の安 のり子さんにお話を伺いました。
安さんがおこなう子どもたちの“自立”を促すための取り組みとは、どういったものなのでしょうか?
茨城県ひたちなか市で民間の学童を探している方は、ぜひご一読ください!
「夢ある学童」の名付け親は子どもたち!
―本日はよろしくお願いいたします。まず、「夢ある学童」がどういった学童なのかお聞かせください。
安 のり子さん(以下、安):夢ある学童は茨城県ひたちなか市にある、市内8つの学校から子どもたちが集まって来る民間の学童です。
1クラス40名で支援員は7名いますが、常時5名が対応しています。子どもたちの笑顔とスタッフの笑い声があふれる賑やかな学童です。
じつは「夢ある学童」という名前も、子どもたちがつけてくれた名前なんですよ。
私が学童を始めるときに、子どもたちに「どんな学童だったら行きたくなる?」と尋ねたら、「夢がある学童がいいな」と答えてくれた子がいて。
その言葉が私の胸に刺さり、学童の名前にしました。
学童を運営していくうえで、「自立」した子どもになって欲しいという願いがありました。それを実現するにはどんなことが必要か…。
考えるうちに、いろいろなジャンルでお仕事をしているプロフェッショナルな方をお招きして、子どもたちに向けて話をしてもらうのはどうかと思いついたんです。
それが年に2回開催する「プロフェッショナルトークショー」です。
国内外で活躍する方から直接お話をお聞きすることで、子どもたちの興味と好奇心がかきたてられ、子どもたちの視野や選択肢がどんどん広がることを願っています。
ほかにも、家庭教師の先生に来ていただいたり、グローバルな子どもたちを想像して、英語の先生をお招きしたり、パソコン教室を開いています。
“教室”といっても、決して勉強をさせているわけではなくて、あくまでも遊びの中にそれぞれを取り入れているものです。
講師の先生方にもそうお願いをしていますので、子どもたちは自然に多くのことを吸収してくれているのではないかと思っています。
土曜日は少人数ですが、子どもたちと一緒にお料理をつくることもありますね。
保護者の方とのコミュニケーションも大切に
ー保護者の方からの感想はいかがですか?
安:親御さんからは、とても好評いただいています。
以前から親御さんにはアンケートを手渡しさせていただくこともあったのですが、今はLINEという素敵なツールがあるので、LINEを活用して親御さんとコミュニケーションを取っています。
私自身が、親と子のコミュニケーションをお伝えする“親業訓練インストラクター”の講師でもあり、講演会もおこなっているんです。
その経験を活かし、親御さんにご自宅での親子のコミュニケーションについて、お話させていただくこともありますね。
―指導員の方が、子どもたちと接する上で、とくに心掛けている点を教えてください。
安:みなさん非常に明るく子どもたちと関わってくれています。
子どものダメなところをダメというよりは、叱らなければならない場面やできるようになったこと、よいところを見つけたら、評価で子ども達を叱ったり、誉めたりすることより、その行動に対して言葉を掛けるようにしていますね。
否定的な場面ではどのような行動が悪かったのかが明確に伝わりますし、肯定的な場面では、認めるということに繋がりますので、子どもが成長する過程で自分の行動に責任が持てるようになるんです。
学童の子どもたちが本当に我が子のように可愛くて、しかも毎日その成長を見ることができるのが嬉しいですね。
私たちは、お子さんがこういうことができるようになりましたよ、こういうふうに友だちと関わっていましたよと、目にした成長を必ず親御さんにお伝えするようにしています。
ときには童心に戻って、子どもと遊んで欲しい
―今後、開催予定のイベントなどがあれば、教えてください。
安:毎月1回パソコン教室と、週1回の家庭教師の先生は通常通りあります。
9月の「プロフェッショナルトークショー」では、水彩画の先生をお招きする予定です。
だいたい先生をイベントにお招きすると、その後に教室が展開されるという流れになっていますね。
SDGsの教室も2ヶ月に1回予定していて、17項目をすべてクリアしたいなというふうに思っています。
毎年10月に開催しているのはハロウィンパーティー、子どもたちがそれぞれ凝った仮装をして大変盛り上がるんですよ。ハロウィンに合わせてお菓子も作ります。
11月は“地域貢献の月”として、毎年子どもたちが地域のために貢献できることを考えて、実行します。ゴミ拾いになることが多いですね。やりがいを感じているみたいですね。
12月はクリスマス会をおこないます。きちんとメッセージカードも作成して、自分のマイケーキを作りますよ。
12月にはもうひとつ、新春の書初めの練習として、書道の先生をお招きして書道教室もおこなう予定です。
この書道教室やパソコン教室もそうですが、どうしても忙しい保護者の方が手をかけられない部分を、私たちが学童で手をかけていきたいという強い想いがあります。
もちろん、子どもたちが勉強しに来るような感じになってしまわないように、うまく学童の中に取り入れて、いろいろ楽しく体験できるようにしています。
―最後に、読者の方へ向けてのメッセージをお願いいたします。
安:子どもというのは、いろいろな人と関わったり、いろいろな人の話を聞いたり、いろいろなことを経験することが大事ですが、この2、3年はコロナ禍でそれが難しくなってしまっていますよね…。
もちろん、コロナ禍でも、保護者の皆さんもいろいろと工夫をされていらっしゃるかと思いますし、夢学でも子どもたちに多くの体験をさせるお手伝いをしています。
私自身も子育てをしましたが、中学生になると、なかなか一緒に出掛けようとしても、ついてきてくれなくなるんですよね。
だから、とくに小学生以下のお子さんがいらっしゃる方は、子どもと一緒に出掛けたり、沢山の体験を親子で楽しんでほしいなって思うんです。
親が上から目線になってしまうと、どうしても子どもは拒否をしますから、あくまでも一緒に遊ぶ気持ちで!
子どもがいないとできないこともありますよね。
たとえば先日、ネモフィラで有名な国営ひたち海浜公園の水の広場で、子どもたちと水遊びをしたんです。
私も童心に戻って洋服がびしょ濡れになるまで遊びましたが、子どもたちと一緒だったからこそできることで、思う存分楽しむことができました。
子育ての時期は思っている以上に短いのです。今の時期に愉しめる体験を、親子でとことん味わって欲しいですね。
子どもにとっても、親にとっても忘れられない思い出になると思いますし、さまざまな体験が自立する時に役に立つと思います。
―本日は貴重なお話をありがとうございました!
■取材協力:夢ある学童