何らかの支援が必要な子どもの保護者の方で、「学校以外の相談先や子どもの居場所があればいいのに」と感じたことはありませんか?
千葉県銚子市を拠点に活動するNPO法人「スマイル銚子」は、地域に住む何らかの支援が必要な子どもたち・成人の方々に向けた支援をおこなっています。
今回は放課後等デイサービス・就労支援の取り組みについて、理事長・相原 哲雄さんにお話を伺いました。
銚子市にお住まいの方、障がいのあるお子さんの保護者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
何らかの支援が必要な子どもたち・成人の方々の居場所づくり
ー本日はよろしくお願いします。まず「スマイル銚子」はどのような団体なのか教えてください。
相原 哲雄さん(以下、相原):「スマイル銚子」は千葉県銚子市を拠点に、子どもたちや地域の方々の笑顔を実現するための支援活動に取り組むNPO法人です。
スマイル銚子の立ち上げ後、まず始めたのは何らかの支援が必要な子どもたちの支援活動です。翌年からは、障がいのある成人の方々の居場所をつくる事業も開始しました。
そして2004年にNPO法人を設立し、現在に至るまで地域に根差したさまざまな支援活動を続けています。
とはいえ、実は最初から今のような活動を計画していたわけではありません。
私はもともと高齢者施設で働いていたので、介護関係の活動をメインにしようと思っていたんです。
ところがあるとき、何らかの支援が必要な子どもたちの保護者の方々とお話しする機会がありまして。
そこで保護者の方が「障がいがある子どもたちの居場所は学校しかない。長期休暇中は学童保育を利用するのは厳しいし…。なんとかできませんか?」と涙ながらにおっしゃったんです。
それと同時に「障がいがある成人の人たちの居場所もない」という声も上がってきました。
私が「何らかの支援が必要な子どもたちや、成人の方々に向けた支援をやってみよう!」と思い至ったのは、この出来事がきっかけです。
団体を立ち上げるにあたっては、どのような支援が必要なのか把握するため、各学校を回って保護者の方々や先生方の話を聞きに行きました。
放課後等デイサービス・就労支援の取り組み
ースマイル銚子の「放課後等デイサービス」とは、どのような支援ですか?
相原:0歳から18歳までの支援が必要なお子さんを対象に、放課後や長期休暇の際の療育支援をおこなっています。
たとえば学校で友だちができない、1人だけ浮いてしまっている、学童保育の利用が難しいなどの場合に、行政から受給者証をもらうことでサービスを利用可能です。
行政への申請は障害者手帳の有無に関係なく、お医者さんや児童相談所の意見書があればできます。
基本的には保育士や介護福祉士、社会福祉士など福祉関係の資格、心理師や教員・幼稚園教諭免許を持つスタッフです。
ただし放課後等デイサービスは療育をメインとしているので、療育に関する専門資格や知識を持った児童指導員が中心です。
また、子どもたちの笑顔のため、スマイル銚子では人間的な魅力も重視しながら児童指導員を採用しています。
子どもや人が好きで人間的な魅力にあふれた方、子どもたちを主役にするための黒子役ができる方を選んでいるので、安心してご利用いただけます。
ースマイル銚子の「就労支援」についても教えてください。
相原:スマイル銚子では、障害者手帳を持ち、障害年金をもらっている方を対象とした「就労継続支援B型」と呼ばれる支援をおこなっています。
就労継続支援B型とは、利用契約(非雇用型)を結んで、利用者の方にさまざまな活動や仕事に取り組んでいただく就労訓練サービスのことです。
たとえば一般的な仕事をするのことや、週5日職場に通うことが難しい方などが、就労支援を利用できます。
今やっているのは、お寺のお掃除です。毎日2回、午前と午後にお墓の前や通路をきれいにします。ときどきお守りづくりの内職をすることもありますね。
就労訓練なので1時間200~400円と少額ではありますが、工賃をいただけることもあり、みなさん頑張って取り組まれていますよ。
子育ての心配事や不安、いつでもご相談ください!
ー今後開催予定のイベントについて教えてください。
相原:8月は近くの公園で「子ども夏祭り」を地元の町内会さんと企業さんと共同開催します。
子ども祭りは毎年恒例のイベントですが、コロナ禍の影響で2年間も中止となっていました。それが今年、久しぶりに開催することになったんです。
ただ今回は、外部へのイベント告知は控えて、私たちの「街かどサロン」において、通所している子どもたちと近所の方々のみで小規模開催したいと思っています。
9月以降は、街かどサロン内にあるギャラリースマイルに地域の方々を呼び込み、コンサートや絵画展などの催しをする予定です。
ほかにも毎月のように、書道やアートの教室、子ども食堂など、子どもたちが楽しんで活動できる企画をやっています。
特に毎月定例の子ども食堂は、さまざまな団体から寄付や支援をいただき、認知度も上がってきているんですよ。
今後コロナ禍が落ち着いたら、支援者の方々と子どもたちとで交流を持てるようにしたいなと思っています。
ー最後に読者の方へ一言メッセージをお願いします。
相原:障がいのことに限らず、保護者の方が子育ての心配事や不安を気軽に相談できる場所は、それほどないのが現状だと思います。
スマイル銚子は日々みなさんからの相談を受け付けているので、「学校に行けない」「友達と遊べない」「言葉が出ない」など、少しでも気になることがあれば、いつでもご相談ください。
実力があり信頼できるスタッフばかりですし、プライバシーも必ず守ります。どうかひとりで悩まないでくださいね。
また、「みんなで楽しく、この銚子の街で暮らしたい」というのが私の一番の願いなので、スマイル銚子の活動に加わってくださる方がいらっしゃるとありがたいです。
ご相談やお問い合わせは、スマイル銚子のホームページからどうぞ!
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ー本日は貴重なお話をありがとうございました!
■取材協力:スマイル銚子