子どもたちはいつか社会に出なくてはなりませんが、自分の将来の夢を見つけられずに悩んでいる子どもは多くいます。
株式会社Lacicu 代表の服部 悠太さんは、その要因の1つに「都心部と地方の教育における情報格差」があると考えています。
株式会社Lacicuでは、その解決の一助になるように「STAND PROEJCT」を発足しました。地方の子どもたちに将来像のロールモデルを提供するために「シゴトフェス」を開催するなど、さまざまな活動をおこなっています。
子どもにしっかりと将来について考え、それに向けて勉強してほしいと考えている方はぜひご覧ください。
教育者をあこがれの職業にしたい
ー本日はよろしくお願いいたします。まずは「株式会社Lacicu」について教えてください。
服部 悠太さん(以下、服部):株式会社Lacicuは、教育分野での情報格差をなくすことを使命に事業を展開するIT企業です。
質の高い教育環境を誰もが利用できるよう、プログラミングすることなくオリジナルの塾アプリが作れる「Liew」、大学受験合格までを視覚化する学習計画作成システム「受験コンパス」、大学受験情報を一括管理できる「進路情報.net」といった学習塾向けサービスを提供しています。
また、理想的な教育環境の実現には、教育者そのものの価値の向上が必要です。そのためには、「指導者をあこがれの職業にする」ことが必要ではないでしょうか。
そこで、最高の技術と最高のデザインを教育業界に提供し、子どもたちが教育者にあこがれる社会を作るため、「クリエイティ部」で学習塾のデザインもおこなっています。
今後世の中でEdTech(Education(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた造語)やICT(Information and Communication Technology)が普及していくことは間違いありません。
それでも、教える人と教わる人が存在してはじめて、教育は成り立つものです。
そして「教える人」である教育者には、経験や知識を伝えるよりも、時代に合わせた本質的な教育を提供することが求められていくでしょう。
今までの教育のベースが、経験や知識を伝えることにあったのに対し、今後はより変化が加速し、常に本質的な教育を提供するべく教育者には「進化」が求められるようになるのではないでしょうか。
教育者の質を高めていくことこそが、優秀な人材を育む第一歩となり、日本の未来をよりよいものにする「基礎」だと考えています。
「シゴトフェス」で将来への視野を広げる
ーLacicuが主催する「STAND PROJECT」について教えてください。
服部:「STAND PROJECT」は、すべての子どもが夢を実現できるようサポートし、すべての学生に平等な教育を届けるために運営しているプロジェクトです。
日本では、都心部と地方で教育の情報格差があり、学生の大学進学率に40%以上の差があります。
この進学率格差は、地域ごとの社会経済指標の差や将来像を描くためのロールモデルの有無が原因の1つです。
そこでLacicuでは「STAND PROJECT」により教育における地方ごとの情報格差をなくし、誰もが平等な教育を受け、夢を実現できるような取り組みをおこなっています。
ー今後開催予定のイベントはありますか?
服部:2022年8月11日に岐阜県可児市の文化創造センター2階のレセプションホールにおいて、「第2回 シゴトフェス」を開催します。
目的は「学生とロールモデルの接点」を作ること。
先述の通り、地方の子どもたちには将来像を描くためのロールモデルが周りに十分ありません。
そこで、シゴトフェスにおいて東京および岐阜で働く約10人のさまざまな職業のロールモデルにゲストスピーカーとして登壇してもらい、どのようなシゴトをしているのか話していただきます。
さらに、その後はいくつかのグループに分かれ、ゲストスピーカーと少人数で対話をおこなってもらう予定です。
少人数で話をすることにより、周りの生徒がどのような将来を描いているかや、何に困っているのかを知ることができ、子どもたちが自分の将来について深く考える場にしてもらえるでしょう。
自分の周りの地域やオトナを知ることが重要
ー第2回とのことですが、前回参加者からの反響はいかがでしたか。
服部:小さな一歩で自分の目標へ近づけることを学ぶことができ、目標を達成できるようこれから一歩ずつ頑張ろうと思ったという感想や、「誰のために何がしたいか」という、自分だけでなく第3者を含めた視点で将来を考えられるようになったという感想が寄せられています。
また、将来の職業を決める際に、自分が「何をしたいのか」から考えて仕事を決めるということや、直接的にやりたいことに関わるのではなく間接的にサポートする方法もあることを知り、考え方がガラリと変わったという感想もありましたね。
いずれもシゴトフェスへの参加を通し、将来に向けた視野が広がったといえるのではないでしょうか。
ー最後に読者の方へメッセージをお願いします。
服部:最近は「グローバルな人材になろう」とさまざまな方が勧めています。
しかしながら、まずは自分が住んでいる地域、そして周りにいるオトナを知ることが活躍できる人材の第一歩ではないでしょうか。
それはローカルであれグローバルであれ、変わらないものだと私は思います。
さまざまなオトナと出会い、そのシゴトを知る第一歩としてうってつけのイベントである「STAND PROJECT in 岐阜」にぜひお越しください。
ー本日は、貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:株式会社Lacicu「STAND PROJECT」