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働いていないママも預けられる「やす託児所」とは?子どもたちの幸せを願う想いについて聞いてみた

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いつの時代も子育ては一大事業。そのためパパ・ママだけで子どもを育てていこうと頑張るのではなく、ときには身近な人や地域の子育て支援を頼ることも必要です。

保護者の方が笑顔で子育てを楽しめたら、それは子どもの幸せにもつながるでしょう。

今回は、茨城県ひたちなか市で託児所・産後ケア保育・病後児保育事業をおこなう「やす託児所」理事長の安 のり子さんにお話を伺いました。

ひたちなか市近隣にお住まいの方、子育てと自分らしいライフスタイルの両立に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

キャッチフレーズは“働いていないママも預けられる託児所”

子どもたちが外でシートを敷いて座っている画像

ー本日はよろしくお願いします。まず「やす託児所」はどのような施設なのか教えてください。


安 のり子さん(以下、安):茨城県ひたちなか市にある、やす託児所は、“働いていないママも預けられる”がキャッチフレーズの託児所です。

保育園にお子さんを預けられるのは働いている保護者の方に限られていますよね。

しかしそれでは、これまで育児に専念していた方が就職したくてもお子さんを預けられる場所がないため、就活が困難になってしまいます。

また毎日自宅で子育てをしていれば、たまには美容室に行ったり出かけたりと、息抜きしたくなるときもあるでしょう。

そこで「働いているかどうかに関わらず、お子さんを安心して預けられる場所があるといいな」と思い、やす託児所を開設しました。

嬉しいことに「こんなに子どもたちが楽しくしているのだったら、私も働こうかな」と気持ちが変わっていくママも少なくないんですよ。

やす託児所の取り組みは、子育て支援だけでなく女性活躍にも貢献できているのだなと実感しているところです。

ーNPO法人としてはどのような事業に取り組まれていますか?


安:大きく分けて、託児所・産後ケア保育・病後児保育の3つの事業をおこなっています。

産後ケア保育・病後児保育は、ひたちなか市でも取り組んでいるところがなかったので始めました。

産後ケア保育とは、0歳0か月の新生児を預かる支援です。

新生児のお世話は、3時間おきの授乳、夜泣きなどが原因で睡眠不足になり、生活リズムが崩れて産後うつになってしまうママがあとを絶ちません。

産後うつを防ぐには、睡眠時間を確保して、赤ちゃんと離れて自分の時間をつくることが大事です。

そのため里帰りをして子育てや身の回りのことを手伝ってもらう方も多いのですが、コロナ禍になってそれが難しい状態になりました。

そこで私たちが産後ケア保育を始め、ママの健康のために睡眠時間をつくるサポートをしようと考えたんです。

病後児保育では、1歳から小学6年生までを対象に、病後のお子さんを預かっています。

これまでは病児保育といって、病気のお子さんは病院の先生が運営する託児所に預けるのが主流でした。

しかし水ぼうそうなどの感染症にかかっていても、きちんと病院に行って、健康な子どもたちと部屋を分けてケアしていれば問題ないんですよ。

そういったことを踏まえて、私は市の幼児保育課の方にもご相談をして、個室で看護師・保育士をつけ、病後児を見守る環境をつくりました。

今では病院の受診結果を提示していただくことで病後児保育の対象となり、お子さんを預かれるシステムをつくることができました。

病後児保育を始めたきっかけは、働き始めた親御さんがお子さんの病気で仕事を休まなければならなくなり、私が働くことで子どもに負担をかけてしまうのではないか?と仕事を辞めてしまう方を何人も見てきたからです。

私も子育てをしてきましたが、やはり子どもが病気になったときが一番つらかった。

だから仕事を休めないとき、連続して休みにくいとき、保護者の方も具合が悪いときなどに、ぜひ病後児保育をご利用いただきたいです。

病気のお子さんをひとりにしてしまう不安や嫌悪感をお持ちの方もいるかもしれませんが、
看護士も保育士も見守っていてしっかり療養できるので、安心してくださいね。

託児が女性の社会進出・地域活性化の貢献・家族の幸せに

子ども3人が外ではっぱを拾って遊んでいる画像

ー託児所事業について詳しく教えてください。


安:やす託児所は、“働いていないママも預けられる託児所”をうたっていますが、もちろん働いている方のお子さんも受け入れ可能です。

対象年齢は0歳から3歳までで、預け方は保護者の方のライフスタイルに合わせて選べ、今のところ月極保育と一時預かり保育が主流になっています。

時間は朝7時50分から18時までが通常保育、18時から19時までは延長保育の扱いです。

また一般的な保育園では登園時間が決まっていますが、やす託児所の場合は保護者の方が利用したい時間に自由に登園できます。

午前中は絵本の読み聞かせや体操、お歌、季節のイベント行事など、みんなで一緒にやる活動が中心です。

夏場は「やすサマーランド」という水遊びをやる日もあります。

お昼ごはんは、基本的に月極保育のお子さんは給食、一時預かり保育のお子さんはお弁当を食べています。食べ終わったあと13時ごろからは昼寝の時間です。

その後、15時くらいからおやつを食べ始めて、食べ終わるころから保護者の方が少しずつお迎えに来られるという流れです。

子どもたちはお迎えが来るまで、室内でおままごとやプラレール、手遊びなど、それぞれ好きなコーナー遊びをして楽しんで過ごしています。

幼児3人が教室でおままごとをして遊んでいる画像

ー託児所を始めた経緯について教えてください。


安:もともと私は幼稚園の先生だったのですが、生まれた自分の子どもがかわいくて、保育園に預けて復職することを考えられなくなってしまったんです。

ちょうどそのとき、東京都江戸川区で始まった、保育士資格者ひとりに対し3名のお子さんを自宅で預かれる「保育ママ制度」の存在を知りました。

そして自分が住んでいる地域にも同様の制度が必要だと思った私は、行政にお話ししに行きました。

すると当時、部長をされていた女性の方が後押ししてくださって、ひたちなか市(当時は勝田市)に託児所として登録できることになったんです。

「扶養内でやろう」と自宅を開放して始めたのですが、やってみると意外にも需要が多くて驚きましたね。

途中から友だちを誘ったり保育スタッフを募集したりしながら、もう29年になります。

そのなかで女性の活躍や地域活性化に貢献できていると実感できる出来事もありました

たとえば、お迎えをきっかけに仲よくなったママたちが、手づくりしたものを用いてマルシェのイベントに参加していきいきしている姿を見たときは、私も嬉しかったですね。

ほかにも、いつも子どもたちを連れて行っている公園を地域の方々がきれいにしてくださったり、近所のおじいちゃん・おばあちゃんが一緒になって遊んでくれたり。

さらに自宅で子育てをしている地域のママたちも、私たちが公園に来る時間になると、お子さんを連れて遊びに来てくれるようになったんです。

こういった出来事から、保育園とはまた違った意味で地域活性化につながるいい場所がつくれたなと自分でも思えました。

私は嬉しそうにおしゃべりしている親子の姿を見ていると、本当に幸せな気持ちになります。

一人ひとりがどのようなライフスタイルを取りたいかによって選択が変わるだけなので、お子さんを預けるのに働いているかどうかは関係ないと思うんです。

なにより、ご両親が仲よく、楽しく過ごされることは、子どもたちの幸せにもつながるでしょう。

やす託児所が保護者の方の生きがいや楽しみをつくるために利用できる場所となり、最終的にはご家族の幸せにつながっていくといいなと思っています。

託児所からつながるさまざまな人の輪が感じられました。それらが子どもの笑顔、家族の幸せにつながっていくのですね!

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親の笑顔とキラキラ活躍している姿が子どもの幸せにつながる

子どもたちが砂場で遊んでいる画像

ー今後開催予定のイベントについて教えてください。


安:夏の暑い期間は、水遊びを思いっきり楽しめる「やすサマーランド」を提供し、スタッフの手づくりおもちゃで遊んだり、子どもと一緒に水遊びおもちゃをつくったりします。

8月のお盆明けには「やす託・夏祭り」を開催予定です。

子どもたちとお神輿をつくるほか、焼きそば、かき氷、金魚すくいなどの出店も出して、買い物ごっこを楽しみます。

9月は「親子遠足」として、ひたち海浜公園でコキアを見たり、遊具で遊んだりする予定です。

イベントはどなたでも会員になって参加できるので、興味のある方はぜひお問い合わせください。

ー最後に読者の方へ一言メッセージをお願いします。


安:子どもたちの幸せを願い、やす託児所を運営してきましたが、それが女性活躍のサポートにもなっていると気づかされました。

ママがキラキラと活躍している姿は、子どもたちにポジティブなエネルギーを与えます。

働いているとか働いていないとか、子どもたちにこだわりはありません。

保護者の方がいきいきと笑顔で過ごしていることが、子どもたちは嬉しいのです。

ご自身の理想とするライフスタイルを夫婦で共有し、子どもたちにも相談しながら、家族みんなで生活を楽しめる環境をつくることが大切だと考えます。

ひたちなか市近隣にお住まいでサポートを必要としている方は、ぜひやす託児所を活用してください!

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!



■取材協力:やす託児所

有田 幸恵
この記事を執筆した執筆者
有田 幸恵

Ameba塾探し 執筆者

幼少期は5歳から小学校6年生まで英会話教室に通う。高校受験時には家庭教師や塾の特別講習で猛勉強し、第一志望に合格。その後、芸能関係の道に進み、ライター業に転身する。エンタメや美容ジャンルの執筆を経験した後、弁護士コンテンツの法律記事に携わったのをきっかけに、読者の役に立つ情報発信を志し、2020年9月から株式会社サイバーエージェントのグループ会社 株式会社CyberOwlで編集者兼ライターとして従事。現在、「Ameba塾探し」で保護者やお子さまの未来に繋がる記事づくりを目指しています。