少子化が進む今、部活で野球やサッカーといった団体競技をやりたくても、部員数減少のため廃部になってしまうことも珍しくないようです。
しかし、団体競技には個人競技とは異なるよさがあります。
今回は、野球を続けられる、気軽に楽しめる場所を提供したいと活動する「特定非営利活動法人コットンウェイ硬式野球俱楽部」ゼネラルマネージャーの秋山 信治さんにお話を伺いました。
野球、団体競技に関心がある方は、ぜひご一読ください!
SLの走る街で活動する社会人硬式野球チーム
―本日はよろしくお願いいたします。まず、「コットンウェイ硬式野球倶楽部」がどういった団体なのか教えてください。
秋山 信治さん(以下、秋山):「コットンウェイ硬式野球倶楽部」は、栃木県真岡市を中心に活動する社会人硬式野球倶楽部です。2002年3月3日に設立、2015年6月1日に法人化しました。
高校卒業後も地元で野球を続けたいという高校球児の声を聞き、複数の高校の野球部OBが中心となって創部しました。
野球はもちろん、野球を通じて、地域社会に貢献できる人材の育成、郷土を代表するチームとして愛される地域密着型のクラブを目指して活動をおこなっています。
具体的には、幼稚園児対象のTボール教室開催、全国でも5本の指に入るというフルマラソンの大会「はが路ふれあいマラソン 」のサポート。そのほか「真岡の夏祭り」に参加したり、学童向けの野球教室などをおこなったりしているんですよ。
それから、中学3年生を対象とした硬式野球の練習会。高校生で硬式野球を希望すると、硬いボールになりますので、高校生になったときにスムーズに野球ができるようなサポートを、毎年9月~12月の期間におこなっていますね。昨年は46人の参加がありました。
団体名やロゴについてですが、茨城県筑西市から栃木県茂木町を結ぶ「真岡鐵道」がありますが、真岡市がかつて木綿(コットン)の産地であったことから「コットンレール」「コットンウェイ」という言葉を使っています。
地元の人間にとっても馴染み深いですし、問い合わせたところ商標登録もしていないとのことで団体名を「コットンウェイ硬式野球倶楽部」としました。
また、真岡鐡道では週末など蒸気機関車牽引の「SLもおか」が走っているんです。それで、機関車をイメージしたロゴとしたんです。
新たにリーグ戦開催で「クラブチームの底上げ」を図る!
―今後開催予定のイベントや大会があれば、教えてください。
秋山:一番大きい大会は「全日本クラブ野球選手権大会」です。しかし、出場できるのは、全国の地方予選を勝ち抜いたわずか16チーム。
現在までに6度、栃木県予選を勝ち抜き、関東大会へ出場し、今年も関東大会出場が決まっています。
今年は創部20周年なので全日本クラブ野球選手権大会へ出場できればと思っています。
6月25日からはコットンウェイ主催の「第14回 SLが走る街コットンカップ大会」。関東地区から13チームを集めて開催しました。
7月には岩手でおこなわれる「第33回JABA一関市長旗争奪クラブ野球大会」にも出場しますし、年間を通じて多くの大会に出場していますので、詳細につきましては、ぜひホームページをご覧いただけたらと思います。
また、「クラブチームの底上げ」を目的としたリーグ戦も、今年(2022年)から創設して開催。
栃木県内になかなか歯が立たない強豪チームがあって…。少しでも差を縮めることができたらと、周りの皆さんにも賛同していただき、基本的には栃木県にある7チームでおこなっています。
気軽に野球が楽しめる場所を提供したい
―最後に、読者の方へ向けてのメッセージをお願いいたします。
秋山:今、子どもの数が減ってしまっていますよね。それに多様なスポーツがあり、野球人口も減少しています。
中学校の先生に聞いたところ、近年では部活でも、団体競技ではなく、卓球やテニスといった個人競技を好む子どもが増えているようです。
そのため、人数が揃わなくてチームの存続が厳しいケースもあるようで…。この辺りでも学童向けの野球チームがなくなってしまったんです。
それでは寂しいので、昨年若い人たちによる新しいチーム「コットンジュニア」を立ち上げました。
そこは保護者によるお手伝い、お茶出しは一切なしで練習も半日という形になっています。
今では1年生から5年生ぐらいで30人ほど集まって活動していますよ。
興味のある方は、団体スポーツ、野球をぜひ体験に来てください。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:コットンウェイ硬式野球倶楽部