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中距離プロチーム「AMI AC SHARKS」を取材!選手のサポートで陸上界全体を盛り上げる

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どんなスポーツであっても、引退後のアスリート選手は、セカンドキャリアの問題に直面することが多いそう。

どのようなセカンドキャリアを描いていくのか、もちろん選手自身の努力も大切ですが、スポーツを発展させるためには業界として選手をサポートしていく取り組みも必要となるでしょう。

今回は、日本唯一の陸上競技中距離プロチーム「AMI AC SHARKS(アミエーシーシャークス)」理事長の楠 康夫さんにお話を伺いました

陸上競技が好きな方、プロの陸上選手を目指している方、スポーツの指導者になりたい方は、ぜひご覧ください。

中距離チームをつくりたい!から始まったAMI AC SHARKS

3人の選手が立っている画像

ー本日はよろしくお願いします。まず「AMI AC SHARKS」の概要を教えてください。


楠 康夫さん(以下、楠):「AMI AC SHARKS」は、日本唯一の陸上競技中距離プロチームで、選手育成からセカンドキャリアのサポートまでをおこなっています。

トップチームを持つことでスポンサーからの支援をいただき、雇用を創出し、プロへの道を開くことを目指して活動をスタートさせました。

ーAMI AC SHARKS設立に至るまでの経緯をお聞かせください。


楠:AMI AC SHARKS設立のきっかけになったのは、私の息子の楠 康成です。

康成は、私が運営する阿見アスリートクラブで陸上競技の選手として育ち、高校卒業後は小森コーポレーションの実業団にいきました。

いつか私がトップチームをつくり、康成が戻って来れるようにできたらいいなと考えていたのですが、これが思ったよりも苦戦したんですよね。

康成が実業団に入って4年が経ったとき、彼は「今のままでは五輪や世界選手権にいけないかもしれないから、実業団を辞めてアメリカにいきたい」と言ったんです。

私は、小森コーポレーションの実業団は選手にとって最高の環境だと思っていたのでびっくりしました。

では、なぜ康成が渡米したがったのか。それは、彼が陸上競技のなかでも800mや1500mといった中距離をやりたかったからです。

海外において中距離は、大会の最後にプログラムを置いてみんなで盛り上がるほど、とても人気のある競技なんですよ。中距離のチャンピオンはスーパースターなんです。

ところが日本では、マラソンや駅伝などの長距離のほうが人気ですよね。だから中距離の選手として実業団に入りたいのなら、駅伝も走れないと採用されません。

指導環境についても、長距離専門の指導者が中距離の選手を見ているような状況にあります。

こういった事情があって、康成は2017年に単身渡米してトレーニングを積み、2018年に帰国しましたが、阿見アスリートクラブに戻ってくると、今度は「中距離のチームをつくりたい」と言い出したんです。

そうはいってもチームをつくれるだけのお金がなかったので、私は会社を経営している自分の同級生や企業にスポンサーをお願いしにいきました。

すると、“中距離のトップチームをつくる”というコンセプトに賛同いただけて、いろいろな方々が「やりましょう」と言ってくださったんです。

スポンサーの方々からかけていただいた心強い言葉は、きっと一生忘れられないでしょう。

それからは中距離の選手に声をかけたり、中距離を指導できるTWOLAPSと委託契約を結んで、今のAMI AC SHARKSをつくりあげてきました。

AMI AC SHARKSは今年で3年目に入りましたが、息子の康成の強い決意や、指導者の横田さん、中距離界を盛り上げていきたいと考えている選手やスポンサーの方々のおかげで成り立っています。

たくさんの方々の想いが詰まったチームなんです。

「中高生の夢」と「現役選手のセカンドキャリア」をサポート

シャークスジュニアの子どもたちが走って練習をしている画像

ー「SHARKS Jr(シャークスジュニア)」についてお聞かせください。


楠:SHARKS Jrは、AMI AC SHARKSが中高生の中距離選手を対象に設立した、ジュニアチームです。

SHARKS Jrでは、月6回の練習会のほか、目標設定ミーティングなど、内面を育てるための指導をおこなっています。

大きな特徴は、現役選手がスタッフとして指導する点。

というのもSHARKS Jrは、AMI AC SHARKSの選手が引退後のセカンドキャリアに備える場としても機能しているからです。

選手は現役時代、走って活躍することによって広告塔としての価値を生み、スポンサーから報酬をもらいます。

ただ、引退すれば今度は自分の事業を売る側に立つわけです。

しかし実業団の選手は、試合や合宿で会社を抜けることが多いので、責任ある仕事をなかなか任せてもらえません。

そこで、選手が現役時代から取り組めるよう、指導で会費をいただく仕組みをつくれないかと考えたのがSHARKS Jrです。

SHARKS Jrでの指導なら練習の合間にできますし、引退後もそのまま仕事として続けられるので、選手のセカンドキャリアに役立てられます。

SHARKS Jrだけに想いがあるのではなく、現役選手のセカンドキャリアのサポートの一環としてやっている事業のひとつですね。

現役の間だけでなく、引退してからのサポートもおこなっているんですね!こういった取り組みが選手の安心につながるのだと感じました。

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中距離選手の需要を!陸上界のプロリーグを目指して

男性4人が走っている画像

ー今後開催予定のイベントについて教えてください。


楠:TWOLAPS TRACK CLUB(ツーラップストラッククラブ)と一緒に、「ミドルディスタンスサーキット」という800m・1500m特化の賞金レースを開催します。

昨年も開催しましたが、東京・大阪・福島で予選大会から開く優勝賞金100万円の大会なので、とても盛り上がるんですよ。

あとは陸上競技の教室などのイベントや、阿見アスリートクラブが運営する「ジュニア選手権All Comers Cup」のお手伝いもする予定ですね。

選手3名が笑顔で表彰状を持っている画像

ー最後に読者の方へ一言メッセージをお願いします。


楠:AMI AC SHARKSは、私が「こんなことができたらいいな」とずっと思い描いてきた、夢のような組織です。

また、“中距離のプロチーム”としていますが、陸上界全体としてクラブを発展させるための先駆的な活動ができていると思っています。

陸上競技のプロ選手が単なる広告塔になるだけでなく、地域や子どもたちに夢を与える存在になれるよう、仕組みづくりを進めていきたいです。

サッカーや野球、バレーなどにはプロリーグがあります。プロリーグがあれば業界全体を盛り上げることができるけど、陸上界にはそれがありません。

陸上界のプロリーグをどうやってつくっていくのか、その商戦の先駆けを担っているのがAMI AC SHARKSなんですよ。

実はAMI AC SHARKSの代表取締役社長は、息子の康成が務めています。

なぜなら自分で事業をつくることが、新しい日本のクラブのプロ選手の役割だと考えるからです。

選手たちはただ雇われて走るだけでなく、きちんとした事業をつくりあげていくこともセットにして取り組んでほしいなと思います。

またAMI AC SHARKSの取り組みをご理解いただける方には、ぜひ選手のご支援をお願いしたいです。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!


■取材協力:AMI AC SHARKS

有田 幸恵
この記事を執筆した執筆者
有田 幸恵

Ameba塾探し 執筆者

幼少期は5歳から小学校6年生まで英会話教室に通う。高校受験時には家庭教師や塾の特別講習で猛勉強し、第一志望に合格。その後、芸能関係の道に進み、ライター業に転身する。エンタメや美容ジャンルの執筆を経験した後、弁護士コンテンツの法律記事に携わったのをきっかけに、読者の役に立つ情報発信を志し、2020年9月から株式会社サイバーエージェントのグループ会社 株式会社CyberOwlで編集者兼ライターとして従事。現在、「Ameba塾探し」で保護者やお子さまの未来に繋がる記事づくりを目指しています。