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NPO法人「せっけんの街」が取り組むSDGsの活動とは?安心安全なせっけんの魅力に迫る

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SDGsが叫ばれる昨今、環境問題に興味をもち始めた方もいらっしゃるでしょう。

環境保護のためにできることはいろいろありますが、たとえば「日常生活でせっけんを使うこと」は手軽に取り組めておすすめです。

今回は、千葉県で環境を守る活動をおこなうNPO法人「せっけんの街」団体理事長の道端 園枝さん、副理事長の川野 美津子さん、事務局長の阿部 ともさんにお話を伺いました

お子さんと一緒に環境問題について考えたい方、せっけんの魅力について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

市民運動から生まれた「せっけんの街」の事業

オンライン学習会の画像

ー本日はよろしくお願いします。まず、NPO法人「せっけんの街」の事業について教えてください。


道端 園枝さん(以下、道端):NPO法人「せっけんの街」は、千葉県内の市町村から廃食油を回収し、せっけんに再生して販売する事業をおこなっています。

そのほか環境関連グッズの販売、雨水タンクの設置活動、環境学習・せっけんワークショップの企画運営など、さまざまな事業を展開中です。

せっけんの街の始まりは、39年前にさかのぼります。

高度経済成長期以降、千葉県の手賀沼と印旛沼、そこに流入する河川が生活排水でひどく汚れてしまったのですが、その主な原因は合成洗剤といわれていました。

そこで当時の市民は「汚染の原因となる合成洗剤をやめて、せっけんを使おう」という運動を始めたんです。

せっけんは分解が早くて環境にやさしいうえ、人体にも害がありません。

そのため、滋賀県につくられたリサイクルせっけん工場にならい、千葉県にもせっけん工場を市民出資で建てることになりました。

まず手賀沼せっけん工場ができて、その10年後に印旛沼せっけん情報センターができ、現在はふたつの工場が稼働しています。

楽しく学べるワークショップで環境を考えるきっかけに

せっけんの使い方のイラスト画像

ー環境学習・せっけんワークショップの企画運営事業についてお聞かせください。


道端:環境学習・せっけんワークショップは、お申込みを受けてから、参加人数やニーズをお打ち合わせしたのち、テーマを決めておこないます。

座学だけのワークショップだと飽きてしまうので、実験などのアクティビティを入れるんですよ。

最初は、私たちの暮らしと地球の関わりや、水環境をどうやって守っていくのかをテーマにした紙芝居、PowerPointの資料映像を見ていただきます

参加者として多いのは、小学4年生前後のお子さんです。このくらいの年齢の子どもたちは自分なりの意見を持って発言してくれるので、私たちもやりがいがあります。

その際、子どもたちに伝えるのは「人間の生活はどうしても環境を汚してしまうので、いかにダメージを少なくし、持続可能な地球環境に貢献するかが大切」ということです。

野外保育に取り組まれている保護者の方々とお子さんに対してや、大人向けの学習会、大学の講義として実施することもあります。

今はホームページからのお申込みが多いですが、行政や教育委員会を訪問し、環境学習・せっけんワークショップの周知活動もしているところです。


川野 美津子さん(以下、川野):環境学習・せっけんワークショップでおこなうアクティビティは、参加者の年代によって変えています。

幼稚園でやるなら、紙芝居のほかにせっけんでつくったシャボン玉で遊んだり、クイズをしたりしますね。

「ひとりあたりが1日に使う水の量は、なんと300Lなんですよ」とお話をすると、みなさんびっくりされるので、それがとても楽しいです。

高校生が対象のときは、せっけんが汚れを包み込んで引き離す仕組みなど、化学的な内容もお伝えします。


道端:そのほかにも、目で見てわかる実験をいろいろとご用意しています。

たとえば、合成洗剤とせっけんで洗った衣類に、それぞれブラックライトを当てる実験です。

せっけんで洗った衣類は光りませんが、合成洗剤には蛍光増白剤が入っているので衣類が青白く光ります。

つまり合成洗剤で洗った衣類には蛍光増白剤が付着しているのですが、これがもし手指や食べ物に付いて体内に入ってしまったら心配ですよね。

それから、かいわれの発芽実験もよくやります。

合成洗剤とせっけんの水溶液でかいわれを育てると、根の育ち方に違いが出ます。せっけん水に比べ、合成洗剤水では根があまり育たないんです。

このような実験をとおして、合成洗剤を使うことは生物に何かしらの影響を与えてしまうことに気づいてもらいたいと考えています。


川野:合成洗剤による香害も問題です。

合成洗剤は石油からつくられた原料を化学合成して製造されるので、強い臭いがあります。

その臭いを抑えるために、合成洗剤には合成香料もたくさん入れられているんです。

化学は私たちの生活を豊かにしてくれる大事なものですが、それによって環境を汚してしまうことも考えなくてはいけないと思います。

環境学習・せっけんワークショップでさまざまなことを知って、せっけんを使い始める方もいるんですよ。

私たちの取り組みによって、参加者のみなさん一人ひとりが自分はどうするのかを考えるきっかけになればと思います。

1日ひとりあたり300リットルの水を使うと聞いて驚きました!さまざまな実験はとても勉強になりそうですね。

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安心安全なせっけんでSDGs!地球の未来を考える

ー今後開催予定のイベントについて教えてください。


川野:コロナの影響で大きなイベントはまだできないのですが、依頼をいただければオンラインでの環境学習・せっけんワークショップ開催が可能です。

また6月くらいからは状況を見て、生協と連携して開催している「せっけんの街の日」というイベントでお店を出すかもしれません。

このイベントでは、せっけんのPR活動のほか、せっけんの量り売りもします。

最近はプラスチックごみの問題もあるので、包装せずお客さまが持参された容器で持ち帰っていただくつもりです。


阿部 ともさん(以下、阿部):せっけんの量り売りは、ご要望があれば小規模なイベントでもご予算に応じて対応可能です。ご興味のある方は、せっけんの街の公式ホームページからお問い合わせください。

また、まだ計画中ではありますが、工場を一般開放するアイデアも出ています。こちらは決まり次第、ホームページにてお知らせする予定です。

ー最後に読者の方へ一言メッセージをお願いします。


道端:最近はSDGsという言葉をいろいろなところで聞きますが、せっけんの街が以前からやっていた活動は、まさにSDGsだったと感じています。

せっけんを使うことは、持続可能性を考えたときに、すぐに取り組める活動のひとつだといえるでしょう。

みなさんもぜひ、環境にも人にもやさしいせっけんを日常生活のなかで使ってみてください。


川野:これからもみなさんに「自分たちがどのような暮らしをして、どのように水を使っているかを知ろう」とお伝えしていきたいですね。

まずは知ることが大切で、そうすれば何をすればいいのかおのずと見えてきます。

少し怖い話ですが、環境を汚している人間がいなくなったら、地球はすぐに再生できると思うんです。

けれども人間が地球のほかの生物と一緒に暮らしていくにはどうすればいいのか、誰かに任せるのではなく自分は何ができるのか、みなさんで考えていきませんか


阿部:安心安全なせっけんを、みなさんに楽しく使ってもらいたいと思っています。

もし小さなお子さまが口に入れてしまっても、深刻な影響を受けないのがせっけんです。

お子さんにも楽しく使ってもらいながら、親子でせっけんに親しんでもらえると嬉しいですね。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!



■取材協力:NPO法人 せっけんの街

有田 幸恵
この記事を執筆した執筆者
有田 幸恵

Ameba塾探し 執筆者

幼少期は5歳から小学校6年生まで英会話教室に通う。高校受験時には家庭教師や塾の特別講習で猛勉強し、第一志望に合格。その後、芸能関係の道に進み、ライター業に転身する。エンタメや美容ジャンルの執筆を経験した後、弁護士コンテンツの法律記事に携わったのをきっかけに、読者の役に立つ情報発信を志し、2020年9月から株式会社サイバーエージェントのグループ会社 株式会社CyberOwlで編集者兼ライターとして従事。現在、「Ameba塾探し」で保護者やお子さまの未来に繋がる記事づくりを目指しています。