NPO法人「Annakaひだまりマルシェ」の地域に密着した子育て支援の内容とは?

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子育て中の方のなかには、ほっと一息つける場所で、自分のことや子育ての悩みを聞いてほしいという方もいるのではないでしょうか。

群馬県安中市松井田町にある松井田商店街を拠点に活動しているNPO法人「Annakaひだまりマルシェ」では、子育て支援事業や地域に根差した活動をおこなっています。

今回は、「Annakaひだまりマルシェ」代表理事の神戸るみさんに、「ひだまりキッチン」と家庭訪問型の子育て支援「ホームスタート」をメインにお話を伺いました。

群馬県安中市にお住まいの方、子育て中の方はぜひご一読ください。

  1. 子育て支援を中心に地域に密着した活動をおこなう
  2. 「食べる」を通じて「つながり」を作る
  3. 「子育てサポーター養成講座」を開催予定

子育て支援を中心に地域に密着した活動をおこなう

NPO法人「Annakaひだまりマルシェ」

ー本日はよろしくお願いします。まず、「Annakaひだまりマルシェ」の概要を教えてください。

神戸るみさん(以下、神戸):
「Annakaひだまりマルシェ」の活動としては、子育て支援が中心です。私も娘が二人おりますし、小さな子どもがいる女性のスタッフがたくさんおりますので、そういった当事者としての目線というのをすべての事業において大事にしています。

身の回りにある社会課題に対して、一市民だからこそできることを事業としておこなうことを念頭に置き、行政にお任せするのではなく、自分の住んでいる地域は自分たちの手で何かできないか、“住民自治”を大切に活動しています

具体的な内容としては、お子さんの一時預かりのマッチングをするファミリーサポートセンター事業、訪問型の子育て支援「ホームスタート」ですね。昨年度からは、女性のお悩みを聞く相談支援事業も新たに始めました。

とはいえ事務所を開設していても、なかなか地域の方たちに来ていただけないので、間口を広くしたような形でコミュニティカフェを運営しています。

お食事を提供するだけではなく、地域の方々が「こういうことに困っている」と気軽に話せるような、“まちの縁側”と呼んでいるんですが、そういう場所でありたいなと思っています。

また、何か始めたいという市民の方が最初の一歩をできるだけ踏み出しやすいようにお手伝いをする「市民活動支援」もこのカフェの中でしています。

具体的には、活動の場所をお借りしたり、事務所に私書箱を置いていただいて郵便物をそこで受け取れるようにしたりだとか、活動のチラシをつくるお手伝いをしたりといったことですね。

事務所の場所があるのは群馬県安中市松井田町の松井田商店街の中です。松井田という場所は長野にほど近いところになります。空き店舗を大家さんのご厚意でお借りして、安中市内、群馬県の西毛地区を対象に活動をしています。

一先ほどお話しのあった「ホームスタート」について詳しく教えてください。

神戸:
対象となるのは、未就学のお子さん、小学校入学前のお子さんがいるご家庭です。こちらは準備段階といいますか、今はご家庭に訪問する方の育成が終わったという状況になっておりまして、4月から新たに始める支援事業になります。

利用者の金銭的な負担というのは特にございません。ホームスタートの内容としては、週に1回、2時間程度、1クールが4回から6回、「ホームビジター」という研修を受けた地域の方々がご家庭に訪問して、たとえばお母さんのお話を聞くだとか、一緒に洗濯物畳むだとか、傾聴と協働を大切にした事業となっています。

こちらは私ども単独の事業ではなく、「ホームスタートジャパン」という全国組織がありまして、そこに加盟をして活動をスタートしようとしているというところです。

専門家ではなく、市民の方にご家庭に行っていただくというのがとても重要な事業になっています。素人ではありますが、子育て経験のある当事者の方や、地域の子育てをお手伝いしたいという熱い思いを持っている地域の方に行っていただくというような事業になっています。

以前からファミリーサポートセンター事業という、お子さんの一時預かりの事業をやっているのですが、こちらはお子さんを預かるという代替支援なんですね。

お母さん方のお手伝いをしたいなと思っても事業的にできないところがあり、その隙間を埋めたいというか、お母さん方に寄り添える事業がないかなとリサーチをしている中で、ホームスタートというイギリス発祥のボランティア活動があることを知りました。

3年越しで準備をし、今年やっとスタートを切ることができました。専門家ではありませんので特効薬的なアプローチができるというわけではないと思うのですが、隣に寄り添うことで、お母さんたちの心の後ろ支えになるような存在でありたいと思っています。

ホームスタートに限らずですが、私たちが対象とする社会課題に対して、当事者として「こういう社会課題がある」と提示をします。それに対して「何か私も解決の一助になりたい」というような地域の方々を募ったり、仲間を増やすことをします。

その社会課題に対して、当事者として困っている方々も開拓し、両者をマッチングするというか、困っている人にそれを助けたいという方をつなげるというような事業形態がすべての事業において基本となります。

「食べる」を通じて「つながり」を作る

NPO法人「Annakaひだまりマルシェ」のひだまりキッチン

一「ひだまりキッチン」の活動内容についても詳しく教えてください。

神戸:
営業日は木曜日と金曜日、それから月に1回土日祝日のいずれかで「ぐーちょき弁当」という子育て家庭を対象に安価なお弁当を提供することをしています。ぐーちょき弁当についてはホームページにも載っているのでご覧いただければと思います。

ひだまりキッチンはカフェなので食事を提供する場ではありますが、食べることを通じてつながりを作るということを目標にしている場所です。

たとえば、使っている食材もお米は地元の農家の方が無農薬で作られたものを使ったり、調味料にしても地元で採れた原材料でお醤油や菜種油にしたものを使ったり、地元の食材を元に作ることを念頭に置いて、子どもたちに安心して食べてもらえるような食事をご提供することをしています。

「この野菜おいしいね」「ごはんがおいしいね」と感じていただくことで、地元のお野菜がもっと広まればいいなと思っています。農家の方もそういう声を聞くとすごく嬉しいとおっしゃるので、消費者と農家の方をつなぐという役割が私たちにはあるのかなと思っています。

食事をして食材に興味を持たれた方には、ご説明もしますし、今後は「コーヒーの淹れ方講座」などでお伝えできればと思っています。

なかなか“伝える”というところがまだまだ自分たちの力が及んでいないところで、やっていることをどういうふうにすれば伝わっていくのか試行錯誤しているところです。

NPO法人「Annakaひだまりマルシェ」のぐーちょき弁当

神戸:また、カフェで販売している「ぐーちょき弁当」は、コロナ禍で休校になったときに始めたものです。休校・休園措置に関するアンケートをとった際、「急に休校になって何が大変でしたか」という設問に、「食事の支度が大変だった」ということが挙がっていました。

わたし自身も一番負担なのが食事の準備というところがあるので、月に1回ではありますが負担を少しでも軽減できたらと思っています。

群馬県には「ぐーちょきパスポート」という子育てカードがあるのですが、それをご提示いただくと350円という安価なお値段でご購入いただけます。

一般の方には一般の料金でお支払いをしていただいているのですが、お支払いをしていただくことで子育て活動の支援になるという、そこもちょっとつながりを持たせたような取り組みになっています。

NPO法人「Annakaひだまりマルシェ」の活動拠点がある安中市には、塾・学習塾が点在しています。

テラコヤプラスでは、安中市 塾・学習塾 ランキングや、安中駅 塾・学習塾 ランキングなど、エリアや駅など条件を絞って塾を探すことができます。

お子さんの塾をお探しの方は、ぜひご活用ください!

「子育てサポーター養成講座」を開催予定

NPO法人「Annakaひだまりマルシェ」の講座情報

ー今後、開催予定のイベントなどありましたらご紹介ください。

神戸:
5月12日13日と6月1日2日の合計4日間の日程で、「子育てサポーター養成講座」の開催を予定しています

安中市の委託事業であるファミリーサポートセンター事業の担い手を育成するという事業ではあるのですが、担い手になる以外でも地域の子育てをお手伝いしてみたいというような方にも広くご参加していただけるような講座になっています。

お問い合わせやお申し込みはこちらからどうぞ。

ー最後に、読者に向けてひと言メッセージをお願いします。

神戸:
子育て世代の方は、私たちに何かお手伝いできることがあればお気軽にお声掛けいただきたいですし、子育て世代ではなくても、何かやりたいという気持がある方は、私たちも一緒に何かできることを始めるお手伝いができればと思っています。

ぜひお気軽に「ひだまりカフェ」にいらっしゃっていただいたり、ご連絡とっていただきたいなと思います。

本日は貴重なお話をありがとうございました。

■取材協力:NPO法人 Annakaひだまりマルシェ

中山 朋子
この記事を執筆した執筆者
中山 朋子

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

小さい頃からピアノ、書道、そろばん、テニス、英会話、塾と習い事の日々を送る。地方の高校から都内の大学に進学し、卒業後は出版社に勤務。ワーキングホリデーを利用して渡仏後、ILPGAに進学し、編集ライターの仕事をしながらPhonétiqueについて学ぶ。帰国後は広告代理店勤務を経て、再びメディア業界に。中学受験を控える子を持つ親として、「テラコヤプラス」では保護者目線の有益な情報をお届けする記事づくりを目指しています。