共働きにおいて心配なのが、親の目が届かない時間。そんなときに安心して子どもを預けられる施設を探していませんか。
NPO法人「コドモノトナリ」では、0歳~12歳までの子どもたちが、自分らしくのびのび成長できる保育施設「どろんここぶた」を横浜市で運営しています。
今回は、代表理事を務める片岡 恵美子さんにお話を伺いました。
保育のこだわりや、子どもたちへの想いなど、ぜひご一読ください。
自宅の一室からスタートした子育て支援
ー本日はよろしくお願いします。はじめに、NPO法人「コドモノトナリ」の設立経緯や概要について教えてください。
片岡 恵美子さん(以下、片岡):当団体は、2005年に自宅を使った小さな保育ルームを開いたことから始まりました。
その活動を続けるなかで、私自身の子どもの成長に伴い、多くの小学生たちと出会ったんですね。
そして、子どもたちからさまざまな悩みや話を聞くうちに、「もっと本格的に学童保育をやりたい」と思うようになったのです。
まずは平屋の一軒建てを借り、改めて学童保育を本格的にスタートし、より広く私たちの想いを伝えたいという考えから、2018年にNPO法人「コドモノトナリ」を設立しました。
現在の主な活動内容としては、乳幼児保育と学童保育を担う保育ルーム「どろんここぶた」にて、お父さんお母さんや子どもたちの支援をしています。
また、 一人ひとりのペースに寄り添うことを心がけ、スタッフ数に対して子どもの受け入れ人数をかなり少なくしているのが特徴です。
五感をフルに使って、遊んで学んで、自信を育む
ー保育ルーム&学童保育ルームの「どろんここぶた」の活動内容について、詳しく教えてください。
片岡:まず、学童保育ルームは、小学1年生~6年生までが対象で、保育ルームに関しては、0歳の赤ちゃんから受け入れています。
さらに小学生を卒業した子がOBとして遊びに来ることもあるほか、同じ施設内でプリスクールやサポート校などもやっているんですね。
そのため、赤ちゃんから大きくなるまで、ずっと付きあいが続く子も少なくありません。
少人数保育のため、スタッフと子どもの距離が自然と近くなりやすく、子どもにとって“第二のお家”のような場所になりやすいこともあると思います。
活動では「五感を使うこと」を重視しているため、体を使って遊ぶことが多いです。
施設内や庭で遊ぶ以外に、公園、広い河原へ行くこともあります。
そこで、みんなでどろんこになって遊んだり、やぶのなかに秘密基地をつくったりなど、自由に遊んでいます。
また、「どろんここぶた」に通っている子は、同施設内にある「音楽教室」や「寺子屋どろんこ塾」にリーズナブルな価格で利用可能です。
音楽教室では、ミュージシャンの方や音大出身のピアノ講師から、本格的な音楽が学べます。どろんこ塾においても、有資格者の講師による、勉強の指導が受けられます。
ただどろんこ塾に関しては、一般的な塾とは異なり、コツコツ勉強をするというよりも、勉強の面白さを教えることが第一ですね。
生徒一人ひとりの苦手を把握し、どのような勉強が向いているのかなど、勉強の仕方から丁寧に教えていきたいと思っています。
勉強って好きにならないことには、まず「やりたくない」という気持ちが勝ってしまうものだと思うんです。
だから、子どもたちにはまず「わかることの面白さ」や「わかることで得られる自信」に気付いてもらいたいと考えています。
私たちの活動の根底には、“子どもたちの心を解放できる場所でありたい”という想いがあり、私たちは子ども時代を子どもらしく、のびのびと過ごせる場所として「どろんここぶた」を運営しています。
ストレスフルな今の時代において、大人に心のゆとりがなくなり、その影響を受けて、子どもたちも余裕や自信をなくしてしまっているように思うんです。
いじめや心の悩みを抱えている子どもが増えているように感じるのも、そのような背景があるのでしょう。
当学童では、少人数体制だからこそ、兄弟みたいに喧嘩することもあれば、助けあいもします。
そういった関わりあいを通じて、人の心と向きあう力やコミュニケーション能力を育ててほしい。そして学童に通いながら、自分のやりたいことを見つけたり、夢を語ったりしてほしいのです。
不安の多い世の中でも、大人になることを楽しみにできる、そんな心を育てたいと思っています。
親の笑顔が子どもの笑顔に…一緒に成長していける場所を!
ー今後開催予定のイベントがあれば、教えてください。
片岡:毎月、記念日にちなんだイベントを開催しています。
たとえば4月だと、昭和の日は「昭和パーティー」と名付けて、みんなで昭和にちなんだイベントをします。
世界宇宙飛行の日は、宇宙にちなんだ物語形式の謎解きゲームをおこないました。
記念日によっては、ほかにも実験や料理、工作など、さまざまなことをやっていますね。
より大きなイベントになると、学童から1時間ほどの距離にある竹林の施設で、体験イベントを2ヶ月から3ヶ月ごとにおこなっています。
そこでは羊の毛刈りや、竹林の整備を体験するんですよ。
ー最後に、読者の方に向けてメッセージをお願いします。
片岡:学童にしろ、塾や習い事にしろ、子どものためを思ってどこかに通わせるというのは、大切なことです。
しかし、子どもにとって何よりも大切なのは、やはり家庭であり、家族ではないでしょうか。
お子さんのことを考えるのであれば、保護者の方が笑顔で「おかえりなさい」といえるようになる必要があります。
そのためにも、まずは保護者の方が自分自身に優しさを向け、笑顔になれる“ゆとり”をもってください。
自分たちの力だけでは難しいときには、私たちがいます。「どろんここぶた」をうまく利用してください。
一緒に子どもが育つ力を信じて、温かく見守っていきましょう。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:NPO法人 コドモノトナリ