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NPO法人「ネモ ちば 不登校・ひきこもりネットワーク」の親と子のつらさに本気で寄り添う活動とは

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不登校やひきこもりの子どもを持つ保護者の方は、多くの場合、「どうにか普通に学校に通ってほしい」と考え、はたらきかけます。

しかし、「一般的であること」「みんなと同じようにやれること」、それは本当に正解なのでしょうか。

今回お話を伺った「フリースクールネモ」の代表である前北 海さんは、不登校当事者でした

前北さんはその経験をもとに、子どもにとって一番大切なことは、学校復帰や社会復帰ではないといいます。

不登校やひきこもりのお子さんを抱え、どうすべきかと悩んでいる保護者の方は、ぜひご一読ください。

自分らしくいられて安らげる“居場所 ”を提供

子どもが植木を作っている画像

ー本日はよろしくお願いします。はじめに、フリースクールネモを運営しているNPO法人「ネモ ちば 不登校・ひきこもりネットワーク(以下ネモネット)」がどのような団体なのか、概要を教えてください。

前北 海さん(以下、前北):「ネモネット」は、不登校とひきこもり経験がある私を含めた当事者と、不登校やひきこもりのお子さんを持つ保護者の方たちと一緒になって立ち上げた団体です。

実はフリースクールの運営だけではなく、不登校・ひきこもり全般の支援活動をしています

そのため、親の相談活動やひきこもりサロンという茶話会もおこなっています。

当団体では学校復帰や社会復帰だけがすべてだとは考えていません。

一番大切なのは、本人の意思であり、“自分らしく生きられること”が大事だからです。

不登校・ひきこもりをひとりで悩まずに気軽に相談にお越しいただきたいと考えています。

ー「フリースクール ネモ」について、詳しく教えてください。

前北:「フリースクール ネモ」は、千葉県習志野市と市川市の2ヵ所で活動しているフリースクールです。

ひと口にフリースクールといってもさまざまですが、当フリースクールは、「子どもの居場所であること」と、「子どもが中心となって活動すること」を大事にしています

そのため、大人たちが考えたプログラムに沿って、強制的に子どもになにかをやらせるといった活動はあまりありません。

メインとなるプログラムは、フリースクールの子どもたち全員で毎月ミーティングをして、自分たちで決めてもらっています。

丁度、昨日もミーティングをしたばかりなのですが、小さな子たちは「トンデミ」というアスレチック施設に、高校生以上の子たちはボードゲームカフェに行くことが決まりました。

このように、毎日子どもたちの興味関心を大事にして、活動をしています。

そのほかの特徴としては、不登校の子どもたちにとって居心地のよい居場所であることを優先しているため、なるべく学校っぽいことをしないようにしているんです。

また、卒業という概念を設けず、「いつまででも居ていいよ」というスタンスなので、年齢層も幅広く、下は小学校低学年、上は20代や30代の方もいます。

年齢は関係なく、「居場所がほしい」「誰かとなにかしたい」と感じている方が、自分らしく落ち着ける場所でありたいと考えています。

ーつづいて、「ひきこもりサロン」についても詳しく教えてください。

前北:「ひきこもりサロン」は、ひきこもり当事者の方向けの茶話会で、お茶とお菓子を楽しみながら、数人でのんびりお話をする場です。

月に1回ほど、フリースクールの一部屋、もしくはオンライン。また、併用のときもあります。

家族には話しづらいことを抱えている方や、家族以外とのコミュニケーションを求めている方たちにとって、素直な気持ちを話せる場になってくれればいいなと思い、開催しています。

何気ないおしゃべりの時間ですが、参加いただくことで「ひとりじゃないんだよ、大丈夫だよ」ということが伝われば嬉しいですね。

子どもたちに寄り添ったさまざまな活動をおこなっているのですね。同じ立場の仲間と話すことで気が楽になることも多いと思いました!

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子どもたちのために絶対に“居場所”を潰さない!

大人たちが集まって話し合いをしている画像

ー活動をするなかで大変なことはありますか?

前北:2003年から活動を始めて、すでに20年近く、経済的に厳しい状況が続いています

実はフリースクールのほとんどは、公的な援助が入っていないんですよ。もちろん当法人にも入っていません。

したがって会費でまかなうしかならず、高くしてしまうと本当に支援がほしい方たちが支援を受けられなくなってしまいます。

それはなんとしても避けたいので、現在の会費37,000円(税込)でやらせてもらっています。

これでも高いとは思うのですが、必要経費に対して、半分ぐらいしか集金はできていない状態です。

しかしその反面、コロナ禍に入って、フリースクールの需要は増えているんですよ。

コロナ禍になって、子どもたちにもストレスがかかっているので、「学校に行きたくない」と感じる子が増加しています。

経済的に切羽詰まった状態ではありますが、だからこそ絶対に潰すわけにはいかないと踏ん張っています

ー今後応援したいと考えている方から、寄付などの支援をすることは可能なのでしょうか?

前北:公式サイトから、クレジットカード決済による寄付が可能です。

それから、「ハチドリ電力」さんをご利用いただき、支援先に「ネモネット」を選択いただければ、電気料金の1%が寄付される方法もあります。

少額からで構いませんので、子どもたちの居場所を守るため、お力を貸していただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

親がひとりで頑張らないことが子どものためにもなる

子どもたちみんなで集合写真を撮っている画像

ー最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

前北:現在のコロナ禍において、フリースクールの需要が高まっている一方、まん延防止や緊急事態宣言が出るたびに、当団体への問い合わせがパタっと止まるということがくり返されています。

不登校やひきこもりの相談、フリースクールでの活動というのは、不要不急ではありません。

もちろん感染対策はしっかりとしなくてはいけません。当団体でもできる限りの感染対策をしています。ですが、子どもたちにとっては、のびのびと元気に遊ぶことこそが仕事です。

むしろコロナ禍の今だからこそ、子どもたちの遊び場は、子どもたちが心安らぐ居場所として大切だと思ってます。

たとえば、子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、それはその子にとって、限界を超えている状態です。

そのときに「もう少し頑張ってみよう」と言うのはやめてあげてほしいなと思います。

まずは、「よく頑張ってきたね」とか、「よく話してくれたね」とか、受け止めてあげてほしいです。

とはいっても、親が子どものすべてを受け止めるのは大変です。しんどくなります。そして、しんどくなった親を見ている子どもは、自分を責めて、家に居場所をなくしてしまいます。

だから保護者の方も、ひとりでは抱え込まないでください

「ネモネット」では、保護者の方向けの茶話会も毎月開催しています。

そこでしんどさを共有し、一緒に子どもにとって一番よいことを考えていきましょう。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。

■取材協力:ネモ ちば 不登校・ひきこもりネットワーク

有田 幸恵
この記事を執筆した執筆者
有田 幸恵

Ameba塾探し 執筆者

幼少期は5歳から小学校6年生まで英会話教室に通う。高校受験時には家庭教師や塾の特別講習で猛勉強し、第一志望に合格。その後、芸能関係の道に進み、ライター業に転身する。エンタメや美容ジャンルの執筆を経験した後、弁護士コンテンツの法律記事に携わったのをきっかけに、読者の役に立つ情報発信を志し、2020年9月から株式会社サイバーエージェントのグループ会社 株式会社CyberOwlで編集者兼ライターとして従事。現在、「Ameba塾探し」で保護者やお子さまの未来に繋がる記事づくりを目指しています。