ウインドサーフィンは、子どもから大人まで楽しめるスポーツです。
今回は、逗子市に拠点を置く「マリーン・ブルー」ウインドサーフィンインストラクターの杉 純太郎さんにお話を伺いました。
マリーン・ブルーが運営する「ジュニア スクール&クラブ」は、10代の若者向けクラスとして逗子海岸をベースとして活動しています。
ウインドサーフィンを通して身に付く能力や、海で遊ぶ楽しさなど、スクールの魅力をたくさん伺ったので、ぜひご覧ください。
逗子海岸をベースとして運営する「ジュニア スクール&クラブ」
ー本日はよろしくお願いします。まず初めに、マリーン・ブルーが運営する「ジュニア スクール&クラブ」について教えてください。
杉 純太郎さん(以下、杉):ウインドサーフィンの普及と人材育成を真剣に考えて取り組む「マリーンブルー」では、逗子海岸をベースとして活動する10代の若者向けクラス「ジュニア スクール&クラブ」を運営しています。
もともとウインドサーフィンは子どもがやるスポーツではありませんでしたが、逗子の環境がとてもよいことから、この場所で近隣の子どもたちがウインドサーフィンをできればいいなと思い始めたんです。
私の長男は今年20歳になるのですが、長男が6歳のときにウインドサーフィンを始めました。
次男は現在小学校6年生で、次男が小学校1年生のときにだんだん周りに子どもたちが増えてきたため、定期的に活動しています。
逗子はウインドサーフィンがすごくしやすい環境なので、海の楽しさや奥深さ、そういったところをたくさん子どもたちに感じてもらいたいですね。
対象年齢としては、小学校1年生から高校3年生までで、現在は小学校4~6年生が多いです。
小学校1年生からにしている理由は、右とか左とか日本語がきちんと理解できることと、ウインドサーフィンというよりも、早くから海に親しんでもらうことで上手くなると思っているからです。
女の子も結構多くて、今だと小学校4年生の女の子がすごく盛り上がってますね。
子どもたちは、学校が終わって、放課後海に出たり、あとは土日にやったりしていますよ。
ーウインドサーフィンを通して身に付く能力はありますか?
杉:ウインドサーフィンは、状況判断や適応能力、技術、そして体力を養えます。
無知なまま海に出るのは危険な行為で、正しく遊ばないからみんな流されてしまうんですよ。
しかし、子どものうちから、遊びながら海と接することで、本当に危険なことを怖いと思えるようになってくる。
たとえば、海がすごく晴れていると、気持ちよさそうだなと思って海に入ってしまうこともありますが、実はとても危ないコンディションなことも多く、それは慣れていないと分かりづらいんです。
そういったことも、子どものときからたくさん海で遊んだり、海に出たり、ウインドサーフィンをやったりすることによって、危険で怖いことが理解でき、海で安全に遊べるようになってきます。
あとは、子どものうちからウインドサーフィンをやっていると体幹がよくなっていきますね。
下が揺れるというのは、普段の生活のなかではない動きなので、とてもバランス感覚がよくなります。
ほかにも、道具のセッティングも大変ですが、遊びながら少しずつ自分で組み立てられるようになっていくと、片付けや用意するのも普段の生活でとても早くなっていきます。
それに、とにかく海で遊ぶからみんな元気なんですよ。
練習は何回でも!ウインドサーフィンを軸に海を楽しむ
ー「ジュニアユースクラブ」の特徴について具体的に教えてください。
杉:「ジュニアユースクラブ」は、1ヶ月のなかで、何回でも練習ができるようになっています。
スクールは、最初に体験で来てもらったあと、最初のうちはなるべく少人数で、私がやり方を教えています。
ほかのスクールとの違いは、1回の練習時間が短い点。だいたい40分から1時間くらいで終わりますね。
練習が終わったあと、海で砂遊びをしたり、泳いだりする時間をつくっていて、中高校生でも、大学生でも、ウインドサーフィンをやったあとはみんな砂遊びをするんです。
簡単な遊びから、回数を重ねるたびに高度な遊びになっていくのですが、さまざまなことをひととおりやって、そのなかでウインドサーフィンも遊びのひとつとしてやっています。
遊びながら海を知ってもらい、ウインドサーフィンをとおして、海の楽しみを感じてもらっています。
ウインドサーフィンをやっていると、上手な子は、サーフィンやSUP、ホイールボードも全部できるようになっていますね。
ウインドサーフィンを軸に、いろいろなマリンスポーツを体験してもらっていますよ。
ー料金について教えてください。
杉:料金については、以下のとおりです。
世界トップクラスの技も!スクールが将来に繋がるきっかけに
ー今後、開催予定のイベントなどあれば教えてください。
杉:上達してきた子は、レースやコンテストに出ていますが、今年だと4月の中旬くらいに逗子でフリースタイルの大会があります。
大会はクラスがいろいろあるので、子どもたちのレベルに合わせて出ているんです。
また、毎年8月には、ジュニアウインドサーフィン選手権があり、誰でも出ることができます。
その大会は、小学生から高校生までが対象で、毎年みんな目標にしているところです。
今年も、各クラスで上位を取れるよう頑張っています。
あとは、卒業生でプロになった子も何人かいるので、その子たちが出る日本の大会を見に行くこともありますね。
ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
杉:当スクールは、地元の子どもたちの遊び場として運営しているので、そこまで大々的な告知はおこなっていません。
しかし、海での練習を見て声をかけて参加してくれる方も多いんですよ。
参加者は、遠方から来てる方もいたり、逆に近所でも月に1回の参加だったり、天気がいいときに来る方だったり、さまざまな方がいらっしゃいます。
それと、当スクールの特徴として、必ず保護者の方にサポートで一緒に海に入ってもらっています。
なぜなら、ウインドサーフィンの道具自体が大きいので、海に入る際にボードを持つとき、子どもだけだととても大変だからです。
流れてしまうなど、危ないときはもちろん私が助けますが、ウインドサーフィンが初めての保護者の方もいて、手伝っているうちに一緒に練習に参加する方がほとんどですね。
さらに、子どもをサポートすることによって知識が入ってくるため、普通にスクールで受ける方よりも上手くなるのは早いです。
海で遊びたい、家族で一緒に楽しみたい、ウインドサーフィンに興味のある方は、ぜひ来ていただきたいです。
また、当スクールの卒業生には、2021年PWA(Professional Windsurfers Association.)の21歳以下のユースクラス世界チャンピオンになった杉匠 真プロと、高校生でプロ認定された橋本 陸汰プロがいます。
世界トップクラスの技が目の前で見れて、一緒に遊びながらハイレベルなウインドサーフィンをしているのもマリンブルーの特徴ではないでしょうか。
今教えている子どもたちの、将来に繋がるきっかけになればいいなと思っています。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました!
■取材協力:マリーンブルー