小・中学校で必修となったプログラミング。これから高校でも必修化が始まり、大学の入学試験の一部に採用されることも決まっています。
これまで数学や英語を学習塾で習っていたのと同じように、プログラミング教室へ通うのも一般的になっていくことでしょう。
「ITeens Lab(アイティーンズラボ)」は、オンラインで指導をおこなうプログラミング教室です。
なぜ今、プログラミングの学習が必要なのか?具体的にどのような指導をおこなっているのか?
今回は、「ITeens Lab」共同代表の近藤 悟さんに、お話を伺いました。
子どもを対象としたオンライン専門のプログラミング教室
ー本日はよろしくお願いします。早速ですが「ITeens Lab」はどのようなプログラミング教室なのでしょうか?
近藤 悟さん(以下、近藤):私たち「ITeens Lab」は、2014年に福岡県でスタートしたプログラミング教室です。
もともとは14教室ほど展開していたのですが、今ではオンライン専門の教室として運営しています。
以前は小学1年生の子どもでも受け入れていたんですけれど、現在は基本的に、小学3年生から中学3年生までの子どもに指導をおこなっています。
ー子どもがプログラミングを学習することで、どんな力が身につくのでしょうか?
近藤:「ITeens Lab」は“プログラミング教室”として運営してはいるのですが、プログラミングに限らず、総合的なITスキルやITリテラシーを身につけてほしいと思っています。
今の社会においては、身の回りにあるもののほとんどに、ITが絡んでいます。
皆が使っているスマホであったり、道路の信号であったり、電化製品ももちろんそうです。ITが関わっていないものは、もうほとんどない状態になってきています。
そんななか、プログラマーだけがそれを知っているというのは、あまりよい状態ではありません。今後はより一般的な教養として、ITのスキルやリテラシーが必要になると考えています。
その教養がないと、身の回りのものがすべてブラックボックス化されてしまいますからね。
昔でいうところの“そろばん”のように、プログラミングやITスキル、ITリテラシーの教育が定着するといわれています。
また、私たちは、オンライン上でコミュニティーを作ることを重要視しています。
これまではオフラインでの繋がりを持っている人たちが、オンラインでも集まってやり取りをするのが普通でした。会社の仲間と、チャットで連絡をとる感じですね。
ですが今では、オンラインを主体としたコミュニティーが当たり前になってきていると感じます。
趣味に関するコミュニティーであったり、直接会ったことがない社員で構成されたフルリモートの会社であったり。今話題の「メタバース」にも、そんな性質があります。
ですからオンラインでプログラミングを学べるだけじゃなくて、そこでいろんな人と出会えることを知ってほしいですね。
海外に住む人がいたり、年齢がちがう人と話をしたり、自分とはまったく異なるスキルを持っている人がいたり。
そういった環境が当たり前のコミュニティーに参加していることが、子どもにとっての社会勉強になるのではと考えています。
レベルや興味によって選べる多種多様なクラス
ー「ITeens Lab」ではたくさんのクラスを用意しているようですが、簡単に説明していただけますか?
近藤:基本となるクラスとして「プログラミング初級」「プログラミング中級」「プログラミング上級」があります。
これらのクラスはいわば“一般教養”のような感じで、私たちはまとめて「基礎クラス」と呼んでます。
ただ、初級・中級・上級とクラス分けをしているものの、明確に基準を設けているわけではなく、年齢やレベルが近い子どもたちが集まれるよう工夫しています。
そのほうが友だちを作りやすいですし、気後れせずに取り組めますからね。
ちなみに初級の内容は、プログラミングの基礎的な部分です。
「Scratch(スクラッチ)」という子どもでも簡単に扱えるプログラミング言語に触れたり、人気のパソコンゲーム「マインクラフト」をプレイしたりと、まずはオンラインの場に慣れてもらうイメージです。
当教室では、体験会に参加いただいた際「どういった気持ちで、教室を探しているのか?」ということを皆さまにヒアリングしています。
すると子どもから「ゲームを作れるようになりたい!」と明確に返ってくる場合もありますし、保護者の方から「うちの子どもに友達ができればいいなと思って」といった気持ちを伺うこともありますね。
そのうえで、入りたいクラスが決まっていなければ、私たちから提案をしているんです。
ー各クラスの特徴を教えてください。
近藤:「コンピューター基礎」は、会員であれば誰でも無料で申し込めるクラスです。
内容としては、パソコンの基本的な操作や設定の指導や、パソコンの仕組みの解説などをおこなっています。
具体的な例を挙げると、ディスプレイのサイズに関する話ですとか、CPUやメモリの意味ですとか、マウスのカーソルの変え方ですとか。
こういったパソコンの基礎知識やITリテラシーが身についていると、ほかの部分がすごく伸びやすいんです。
そのぶん私たちも指導しやすくて、子どもたちの習得もどんどん進みます。ですのでこれを無料で開講して、パソコンやITに強い子どもを育てていくことを目的としています。
「動画制作初級クラス」に関しては、「今日はカット編集をやってみよう」「明日はテロップ入れに挑戦してみよう」という感じで、ある程度カリキュラム的に進めていきます。
動画制作に関して、まったくの初心者の子どもにおすすめしているクラスです。ゲーム実況動画の編集に取り組んでいる子どもが多いですね。
一方「動画制作クラス」は、動画制作がある程度できる子どもに向けたクラスです。
「次はこういう動画出して、より多くの再生回数を狙おう」といった、より実戦的な戦略やスキルを身につけてもらいます。
動画制作に限った話ではないのですが、やはり何かを作る側になると、すべての仕組みが見えてきます。子どものうちから制作者側の気持ちが分かるっていうのは、すごく大きなことかなと思います。
「Unity(ユニティ)クラス」は、本格的なゲームソフトを作れるツールです。実際にスマホアプリですとか、ニンテンドースイッチのゲームなども作れます。
世のなかのいろんなゲームがこのUnityで作られていますので、“プロ用途”ともいえますね。本格的なゲーム制作ができます。
動画制作のクラスと同じように「Unity初級クラス」と「Unityクラス」の2つがありまして、初級のほうは使い方をイチから指導、もういっぽうはより実戦的な内容になります。
最終的には、オリジナルの3Dゲームを作れるレベルを目指します。
ー料金は、どのように設定されているのでしょうか?
近藤:料金は、所属するクラスの数によって異なります。
例えば、「プログラミング中級」と「動画制作クラス」に所属した場合は、2コマ/週プランの料金に該当します。
具体的な料金については、以下をご覧ください。
コマ数/プラン | 月謝 | 備考 |
---|---|---|
1コマ/週 プラン | 13,200円 | 1コマ90分 1時間あたり2,200円 |
2コマ/週 プラン | 24,000円 | 1コマ90分 1時間あたり2,000円 |
3コマ/週 プラン | 34,000円 | 1コマ90分 1時間あたり1,889円 |
体験クラス | 5,500円 | 毎週日曜日に実施 1か月間で全4回受講可能 |
入会金 | 18,700円 | 入会時のみお支払い |
※記載の料金はすべて税込です。
近藤:入会にはパソコンとネット環境が必要です。デスクトップパソコンとノートパソコンのどちらでも構いませんが、タブレット端末での受講はできません。
また授業で使うパソコンは、ある程度のスペックを満たしている必要があります。スペックの目安は弊社のホームページに記載していますので、そちらをご覧ください。
考え方や知識のアップデートが求められる
ー最後に、プログラミング教室への入校を検討している読者の方へ、メッセージをお願いします。
近藤:保護者の方が子どもだった頃と今とでは、社会の仕組みが大きく変わっていることが大前提としてあります。
ただやはり保護者の方においては、自分の子どもに習い事を始めさせるとき、自分の経験や知識をベースに探しがちではないでしょうか。
自分自身がイメージできない場所に通わせるというのは、やっぱり抵抗があるかもしれません。
ですが、イメージがつかないからという理由で避けるのは、非常にもったいないことだと思います。
「人によってはなかなかイメージができない。でもこれからの社会では確実に必要性が増すこと」っていうのが、プログラミングのスキルやITのリテラシーですから。
保護者の方にも、これからの社会への考え方や知識をアップデートしていただく必要があるのかなと感じていますね。
私たちもライブ配信やラジオで情報発信をしていますので、そういったところからチェックしてもらえるとうれしいです。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました!
■取材協力:ITeens Lab