学校に行きたくても行けない、家から出たくても出られない、そんな子どもたちがたくさんいます。
今回は、不登校の子どもたちにオンライン家庭教師サービスを提供する「夢中教室WOW!(ワオ)」代表の辻田 寛明さんにお話を伺いました。
夢中教室WOW!は、テストのための勉強を教えません。
好きなことを見つけ深められる独自のプログラムで、夢中になれること、ワクワクと出会うことができます。
ここで学校以外に合う居場所、人生の価値、生きる価値を見出すきっかけを探してみてください。
不登校の子どもを対象にした“ワクワクを探す”オーダーメイド授業
ー本日はよろしくお願いします。まずは「夢中教室WOW!」がどのような塾なのか、強みも合わせて教えてください。
辻田 寛明さん(以下、辻田):「夢中教室WOW!」は、学校が合わない不登校の子どもたちを対象に、オンライン家庭教師サービスを提供しています。
オンライン家庭教師と謳っていますが、一般的な教科の勉強をするのではなく、その子が好きなことを深堀しながら追求していき、自信をつけることで、次の一歩を踏み出すきっかけになればと思い、運営しています。
当教室の特徴は、テストのための勉強を教えないという点です。
たとえば、恐竜が好きな子だったら一緒に恐竜を調べたり、坂本龍馬が好きだったら坂本龍馬について学んだり、絵を描くことが好きだったらLINEスタンプをつくったりするんですよ。
本当に一人ひとりに合わせて、夢中になれること、知りたいことを見つけていきながら、ワクワクを探すフルオーダーメイドの授業スタイルをとっています。
しかし、興味のあることが、結果的に勉強っぽくなることはありますね。理科の実験に発展することもありますが、目的は決してテストのためではないというのはすべて共通していえます。
また、授業はオンラインにてマンツーマンでおこなうのですが、これらはコロナ禍を理由に始めたわけではありません。
実際、フリースクールに通っている不登校の子どもは3%程度しかいなく、ほとんどの不登校の子どもが家から出たくても出れずに葛藤している実態をご存じでしょうか。
そういった子どもたちが参加しやすいようハードルを下げ、第一段階としてオンラインでのマンツーマン授業が有効だと考えた結果、この授業形態に辿りつきました。
zoomだと画面オフでも参加できるので、初めての人とコミュニケーションをとるのが不安なお子さんでも参加しやすいのかなと思います。
そしてマンツーマンで少し自信がついてきたり、誰かと関わってみたいなと思ったり、気持ちに変化が出てきた子どもたちが参加できる少人数授業も用意しています。
たとえば戦国時代に関心がある子どもたちだったら、3、4人ぐらいで戦国時代についてゲーム形式で学ぶ授業などを定期的に開催し、同世代の共通の“好き”がある仲間が関われる機会をつくっていますね。
ー保護者の方と、緊密な連携もとられているのですよね。
辻田:はい。授業中、保護者の方が近くにいない場合もあるので、毎回授業後にLINEで授業の様子をご報告しています。
今日の授業ではこんなことがありましたよとか、これまでになかった変化が見られましたとか、そういったことをお伝えしていますね。
ー講師の方の採用基準はありますか?
辻田:現在講師は、僕を含めて7、8名程度の体制で運営しています。
採用基準として一番大事にしていることは、子どもたちに自分の意見を押し付けたりせずに、しっかりとした傾聴力があるかどうかをとても見ています。
そのため、優しくて、聞く力があって、受け止める力があるかどうか。そういった点は、話す雰囲気から技術まで総合的に見て採用していますね。
60分×3回の無料体験から!人生の価値を見出す授業は段階的に
ーコースや、プログラムについて詳しく教えてください。
辻田:まずは、60分×3回の無料体験を最初におこなっています。
3回の体験をとおして、お子さんの好きなテーマや、やりたいこと、深掘ってみたい内容を見つけているんです。
そこで実際に好きなテーマを見つけることができたり、授業の時間を楽しんでもらえたり、もっと継続したいなと感じていただけたら、そのあとは週一コース、もしくは月2回のマンツーマン授業から始めていきます。
そのあとは、任意制で、少人数ゼミにも参加できる形になっていますね。
授業に段階を設けていくことは、やはりとても大事にしています。
今、日本に19万人以上いる学校に行けなくなってしまった子どもたちに対して、学校が合わなかったとしても、人生は面白くて価値がある、生きる価値がある、と思ってもらいたい。そのためにも、段階的に準備していくことを大切にしています。
ー料金についても教えてください。
辻田:料金は、以下のとおりです。
※記載の料金はすべて税込みとなります。
新たなコミュニティを予定!生きる楽しさを実感する居場所を
ー今後の展開について教えてください。
辻田:今後、小学生と中学生でコースを分けようと思っています。
なぜなら、同じ不登校の悩みだとしても、小学生と中学生では違うからです。
小学生の場合、中学校まで先があるし、今を楽しめるか、自分に希望を失わずにいれるかが重要で、本当に好きなことをとにかくどんどん見つけて、世界を広げて受け入れられていく経験が大事なんですよ。
その一方、中学生だと、将来についての悩みが深刻な問題として迫ってくるので、中学生はその探究をプラスアルファで聞いてあげることが大事になってきます。
今後どういったことを繋げていったほうがいいのか、進路相談も含めてやっていこうと思っていますね。
あと、現在友だちと関わる機会は少人数ゼミのみなので、もっと気軽に、同じことに感心がある子同士が話せる場や、オンライン限定でさまざまな大人の紹介ができるコミュニティなど、新たな交流の輪をつくろうかなと考えています。
同時に保護者の方同士でも繋がることができて、思いの共有や、お互いの情報、アドバイスのシェアができるコミュニティ室もつくっていきたいと思っています。
ー最後に入塾を検討している読者にひと言メッセージをお願いします。
辻田:現在、当教室の生徒数は、体験中の生徒さんも合わせて約50人ほどいますが、開校して1年、退会された方はまだひとりもいません。
もちろん僕たちも未熟なところはたくさんあるかと思いますが、きっと子どもたちにとって居場所になれているのかなと感じています。
周りに話を聞いてくれる人がいないとか、自信がないといった悩み、学校が合わないと感じているお子さんだったら、きっと合うと思うので、ぜひ体験授業だけでも受けてみてほしいなと思っています。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:夢中教室WOW!