スマートフォンやパソコンが普及しても、自分の手で文字を書く文化はいまだ健在。
文字には人の性格や教養がよく表れるため、美しい文字を書けると、学校でも会社でも得することがたくさんあります。
そこで頼りになるのが、書道教室です。しかし詳しくない人にとっては、教室ごとの特徴や違いがわかりにくい面もあります。
そこで今回は、大阪府にある書道教室から、おすすめの場所をピックアップ。記事前半では、書道教室の選び方を解説しています。
雰囲気がよく、楽しんで書道に取り組めそうな教室を探してみましょう!
大阪府内の書道教室の選び方
書道教室選びにおいて大切なポイントは7つ。まずはここから確認していきましょう。
①子ども向け・大人向け(初心者から上級者まで)で選ぶ
書道教室は場所によって、雰囲気や方針が大きく異なります。書道教室に通いたい人の年齢や腕前が、その教室にマッチしているかをチェックしましょう。
教室によっては大人のみを対象としており、子ども向けのコースを設けていない場所もあります。申し込む前に対象の年齢を確認しておきましょう。
また、初心者から受け入れている教室もあれば、ある程度の腕前を持っている人を対象としている教室もあります。その点も忘れずにチェックしましょう。
②硬筆・毛筆などコースで選ぶ
書道教室で指導している内容には、以下のものがあります。
- 毛筆
- 硬筆
- 筆ペン(ペン字)
- かな
以上のなかから自分が習得したい内容を明確にし、それを指導している書道教室を選びましょう。
以下では、それぞれの特徴を解説します。
毛筆
毛筆とは、毛で作られた筆のこと。筆に墨をふくませて文字を書くスタイルであり、多くの人が「書道」と聞いて、真っ先にイメージするものです。
初心者の場合は、楷書(かいしょ)から始めるのがおすすめ。楷書は書道において基本となる文字の書き方です。
とめ・はね・はらいでの筆の使い方を習得でき、バランスが整った美しい文字を書けるようになります。
硬筆
硬筆は鉛筆やペンなど、先端が固い筆記用具のこと。学校や職場など、スキルを活かせる場面が多いため、実用性を求める場合は硬筆を習うのがおすすめです。
子どもに硬筆を習わせると、高校の入学試験や就職活動におけるエントリーシートの記入など、将来的に武器となる場面が多々あります。
硬筆には毛筆とちがった面白さがあるほか、書道用具の購入費用が安く済む点も魅力。手軽に始められるため、毛筆と一緒に習うのもいいでしょう。
筆ペン(ペン字)
筆ペンを用いたコースは、毛筆よりも手軽で、硬筆より味のある文字を書けるのが特徴です。初心者でも“はね”や“はらい”が綺麗に決まります。
なかには、ボールペンを使ったペン字のコースを用意している教室もあります。
いずれも毛筆と比べ、自宅で練習しやすい点も魅力的。日頃から楽しめる、立派な趣味になります。大人のたしなみとして習得するのもおすすめです。
かな
すべてひらがな、あるいはひらがなと漢字を混ぜて書くのが“かな”です。
現代の文字とは書体が大きく異なるため、比較的、趣味性が高い習い事といえます。
“かな”の特徴は、枕草子や源氏物語などで見られる、流れるような筆のはこび。表現の自由度が高く、家に飾っておきたくなるような、芸術的な文字を書けるようになります。
③「座卓で正座」or「椅子と机」などスタイルで選ぶ
書道教室といえば、正座をして低い机で書くのが一般的。しかし最近では、普通の高さの椅子と机を使用する教室も増えています。
正座が苦手な場合は、その点をあらかじめ確認しておきましょう。
苦手であるにも関わらず我慢して正座を続けると、苦痛を感じて文字を書くどころではなくなってしまいます。
④少人数か大人数か指導人数で選ぶ
一度に指導を受ける人数も確認しましょう。3〜5人ほどの少人数で練習をおこなう教室もあれば、数十人の生徒が同時に練習をする教室もあります。
指導の仕方は教室によりけりですが、人数が多くなるほど指導が行き届かない可能性が高くなります。
それだと上達が遅くなってしまうため、先生の人数に対して生徒の人数が明らかに多い書道教室は避けるようにしましょう。
⑤師範資格が取得できるかどうかで選ぶ
書道が上達して師範資格を得ると、自分が先生となって書道を教えられるようになります。
将来的に書道の先生となることを目標とするならば、師範資格を取得できる教室を選びましょう。
たとえ師範までたどり着けなくとも段位を取得できれば、モチベーションのアップにつながるうえ、受験や就職活動の際のアピールポイントになりますよ。
⑥展覧会への出品姿勢で選ぶ
練習を重ねるだけでなく、作品を展覧会へ出品できる書道教室もおすすめです。
書道教室が独自におこなっている展覧会や、その教室が所属している協会が主催する展覧会などさまざま。
展覧会への参加についての姿勢は教室ごとに異なり、大きく分けると以下の3タイプがあります。
- 任意で参加できる
- ほぼ強制的に参加させられる
- 展覧会へは参加しない
展覧会への参加について、自分の意向と書道教室の姿勢にギャップが生まれないように、申し込む前に確認しましょう。
⑦月謝や振り替え制度もチェック
書道を上達させて無意識的に美しい文字を書けるようになるためには、ある程度長く通う必要があります。そのため毎月支払う月謝が、無理なく続けられる金額であることも重要です。
子どもと大人とでは、想定すべき費用が異なります。子どもの場合、月謝の相場は3,000〜5,000円程度、大人の場合は5,000〜10,000円ほど。
書道で使用する道具は消耗品が多く、墨汁や半紙、筆などの購入費用も継続的に発生します。トータルでどれくらいの費用を見積もるべきかは、書道教室に問いあわせるのが確実です。
また、振り替え制度の有無も要チェック。練習を休んだ場合、来月に持ち越せるのかどうかを聞いてみましょう。
大阪府内の書道教室おすすめ18選【子ども向けから大人向けまで】
ここからは、大阪府にある書道教室のなかから、おすすめの場所をピックアップ!子ども向けの教室と、大人向けの教室に分けてご紹介します。
大阪府内の書道教室おすすめ10選【子ども向け】
子どもに書道を習わせたいなら、以下でご紹介する書道教室がおすすめ。まったくの初心者でも、先生がやさしく丁寧に指導してくれます。
浪速書道会
大阪府を中心に、近畿地方、関東地方などにたくさんの教室を抱えているのが浪速書道会。たくさんの人にとって身近な書道教室です。
70年以上の歴史ある書道教室でもあり、伝統を守りつつも、新しい作風を取り込む姿勢が特徴。
古典的な漢字や“かな”だけでなく、現代の言葉を書で表現する「近代詩文書」を取り入れている点もユニークです。
年に2回、浪速書道会主催の展覧会が開かれ、受賞作品は誌面に掲載されます。
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Bokuan Kids
3歳から中学3年生までを対象とした、子どものための書道教室。筆や鉛筆の持ち方だけでなく、箸の正しい持ち方まで教えてくれます。
厳しく指導するのではなく、楽しんで取り組めることを大切にしており、負担を感じずに通えるのがポイント。
大阪市を中心にたくさんの教室を構えているほか、八尾市、吹田市、府中市、大阪狭山市にも1か所ずつ教室があります。
入会金は3,000円、月謝は小学生以下が4,000円、中・高校生が5,000円(大阪住吉教室)。
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博古社 たかつき教室
“書を愛好する書道研究団体”として活動している博古社(はっこしゃ)。子どもを対象とした「子ども書道教室」は、書道のテキストの編集委員長が監修しています。
指導の方針は「ひとり一人のレベルにあわせたお稽古」。生徒一人ひとりに寄り添い、ツボを押さえた指導を受けられます。
展覧会への出品にも積極的で、入賞者を多数育成。昇段試験の合格率が高く、指導力には定評があります。
アクセスは「JR高槻市駅」から徒歩5分。
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アトリエMy夢 大阪 書道教室
アットホームな環境のなかで、一人ひとりの個性を大切にしながら指導をおこなうのがアトリエMy夢(マイム)。
書道の基礎からじっくり学ぶ「基本コース」、日常で役立つ書を重点的に学ぶ「実用コース」、師範として生徒に教える資格を得るための「ライセンスコース」。
それにくわえて、1回につき2時間、好きなことを指導してもらえる「1回コース」も。道具の貸し出しもおこなっています。
教室までのアクセスは、本校はJR環状線「天満駅」下車北へ徒歩4分、鴻池新田教室は「JR鴻池新田駅」から徒歩8分。
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書道教室 玉眞(たまま)
「文字を書く力を身につける」「自分の書く文字を磨く」「書を創る」の3つをコンセプトに、幼児から指導している書道教室。
まずは基本的な書き方を習得させ、自分の個性を出して魅力的な書を創作できるように育成します。指導にあたるのは、高等学校教諭(書道)の一種免許を所有する先生。
一般的な毛筆・硬筆のコースのほか、家族一緒に書道を習えるコースも。各種コンクールや書初め大会などには、自由に参加できます。
入会金は2,000円、月謝は4,000〜7,000円。アクセスは「JR玉造駅」から徒歩5分です。
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西山書道教室
大阪市と吹田市に合計4か所の教室を持つ、西山書道教室。幼年のうちから通うことができ、毛筆・硬筆・ペン字などを丁寧に指導してくれます。
先生は25歳で書道教室を始めた、凄腕の書道家。子どもが希望すれば、師範取得や書道教室の開設についてのアドバイスもおこないます。
習い事として気軽に取り組みたい子どもから、プロを目指して本気で取り組みたい子どもまで、幅広いニーズに対応してくれます。
教室までのアクセスは「JR大正駅」から徒歩9分。
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中村素心 書道教室
「関西学院大学 文化総部 書道部」の指導をおこなっている中村素心先生が、初心者・経験者問わず書道を教えてくれる教室。
教室のホームページで、中村先生の見事な作品を見ることができます。
幼年はひらがな1文字1文字を正しく書くことから始め、小学校高学年や中学生になれば、より達筆に見える行書の書き方も習得できます。
アクセスは大阪メトロ「中崎町駅」から徒歩3分。近くにはカフェやフィットネスジムなど、お父さん・お母さんが時間をつぶせる場所がたくさんあります。
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彩華書道教室
彩華書道教室は「書道研究泉会」に所属し、毛筆・硬筆をメインに少人数制の丁寧な指導がポイントです。
入会については、無料体験があるため、教室の様子や指導する先生から詳しい説明などを聞いてから決められます。入会金は3,000円(家族が入会する場合は2人まで免除)、月謝は3,000円(月3回)です。
幼年から中学生までは学生の部として主に毛筆を、高校生からは一般の部になります。とくに幼年から小学2年生以下の子どもには、毛筆に入る前に鉛筆トレーニングとして、ひらがなをしっかり書けるようになってから筆を持って基本練習を始めます。毛筆に入ると級・段位の取得ができます。
夏休みには泉会学生展があるほか、教室独自の行事として書初めもあります。
道具等は教室にあるため、生徒は筆だけを用意し、重たい道具を持ってくる必要はありません。
外国人を対象とした書道体験も受け入れており、ホームステイを受け入れている家庭にも注目してほしい書道教室です。
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すいけん南茨木書道教室
月謝が3,000円からと、少ない費用で続けられるのが、すいけん南茨木書道教室。
1週間のうちで稽古を受けられる曜日が多く、予定をあわせやすい点も魅力です。
幼稚園児から小学生を対象とした「子どもの部」は、火・水・木・土の4日間。小さい子どもは送迎が必要な場合も多いため、親としてはありがたいポイントです。
教室までのアクセスは、大阪モノレール・阪急電鉄「南茨木駅」から徒歩12分。地域密着の書道教室です。ご近所の方はお気軽にお問い合わせください。
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書道教室 玄和
一般的な毛筆・硬筆のほか、ペン先にインクをつけながら文字を書く「つけペン」の稽古も受けられる書道教室。
変化に富んだ、魅力的な文字を書けるようになります。単なる習い事としてだけでなく、趣味としてもおすすめです。
展覧会への出品もおこなっており、それに向けた作品作りをサポートしてくれるのもありがたいところ。
体験教室として実際に書道に触れられるため、まったくの初心者でも大丈夫です。教室までのアクセスは、JR阪和線「鶴ヶ丘駅」から徒歩3分。
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大阪府内の書道教室おすすめ8選【大人向け】
続いて、大人が通うのにおすすめの書道教室をご紹介。子ども向けの書道教室より、幅広いスタイルの書道を体験できます。
暁書法学院
暁書法学院は大阪府内にたくさんの拠点を持つ書道教室。
ポピュラーな楷書や行書にくわえて、草書や隷書など、さまざまな書体の漢字を指導しています。くわえて、流れるような筆運びで文字を書く“かな”の指導も。
より実用的な書の指導もおこなっており、なかでも「ボールペン10回講座」は早く綺麗な字を書けるようになりたい人におすすめ。
入会金は3,000円、月謝は6,820円。教室は阪急電鉄「大阪梅田駅」から、徒歩約7分の場所にあります(梅田本校)。
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三皷ペン字・書道教室
三皷(みつづみ)ペン字・書道教室は、完全予約制の教室。人気ファッション雑誌「CLASSY.」で紹介されたことがある、注目の書道教室です。
書道から得られる、癒し効果も大切にしているのが特色。まるでカフェのような、モダンで落ち着きのある空間で書道を楽しめます。
入会金は8,000円、月謝は10,000円からと費用は高め。そのかわりに、一般的な書道教室とは一線を画する快適空間を利用できます。
教室の場所は、大阪メトロ「本町駅8番出口」より徒歩3分の好立地。
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大人の美文字教室「彩(あや)」
ボールペンや筆ペンを用いる“実用ペン字”専門の書道教室。コンセプトが明確なため、自分の目的とマッチしていれば効率よく上達できます。
日ごろ、特に使いどころが多いのが、自分の名前と住所。それらを短時間で美文字に変えられる「名前コース」と「住所コース」が人気です。
「名前コース」と「住所コース」は入会金無料。1時間のマンツーマン指導を、それぞれ2,800円・3,100円で受けられます。
教室へのアクセスは、大阪メトロ御堂筋線「西田辺駅」の3番出口から徒歩2分。
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大阪ペン字クラブ
“資格が取れるペン字講座”として、通信指導をおこなっているのが大阪ペン字クラブ。直接通える教室もあり、整った環境で書道に打ち込めます。
指導のなかで文字造形の法則を教えており、これを押さえれば誰でも均整の取れた文字が書けるようになるでしょう。
応用できる技術のため、練習したことがない文字でも習い続けることで美しく書くことができます。
本部教室(仙客書院)へのアクセスは、大阪メトロ「北浜駅」から徒歩2分ほど。
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女流毛筆工房(筆耕) 大人の実用書道教室
小筆・筆ペン・ボールペンを用いる実用書道の教室。完全予約制かつ少人数での稽古を基本とし、書道の上達だけでなく、精神面の鍛錬や癒しも大切にしています。
月に1回、河内長野市にあるお寺「妙長寺」でレッスンをおこなっています。ほかの書道教室では得られない、貴重な体験ができます。
家にいながら受講できる、オンラインレッスンも開催。「自宅で自分のペースで習いたい」という方にもおすすめです。
教室は「JR大阪天満宮駅」から、徒歩5分ほどの場所にあります。
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博古社 書道教室
子ども向けの書道教室としてもおすすめした博古社。楷書・行書の稽古が中心の子どもとちがい、大人は草書や隷書、“かな”、手紙文などの稽古を受けられます。
実用的なペン字も習得でき、仕事で文字を書くことが多い方は、より効果を実感できます。
道具を持っていない場合は、教室が手頃で品質のいい道具を見繕ってくれます。初めてだからと身構えず、気軽に参加しましょう。
入会金は5,000円、月謝は5,500円から。アクセスは大阪メトロ四ツ橋線「肥後橋駅」から徒歩4分(大阪教室)。
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書象会 大阪支部
綺麗な文字を簡単に書くための法則を教えたり、書道に関する歴史を教えたりと、生徒を楽しませてくれるのが書象会の指導。
教室は火・水・木・土曜日の4日間開いているため、日程の調整をしやすいのがポイント。
教室に通っての稽古のほか、自宅にいながら通信指導を受けることも可能。展覧会への出品や、書道教室開設のサポートもしてくれます。
入会金は3,000円、月謝は6,000円。アクセスは大阪モノレール「少路駅」から、徒歩12分。
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香園 書道塾
香園書道塾は40年以上の歴史を持つ書道教室。「美しい文字が書けるということは、一生の宝」というポリシーのもと、それぞれの実力にあわせた指導をおこなっています。
目標とするのは「自分にしか書けないよい字」。基本を大切にしながら、それぞれの個性を大切にしているのが特色です。
気軽に楽しみたい初心者から、師範資格を取得したい本気の方まで、幅広く受け入れています。
教室はJR大和路線「東部市場前駅」より、徒歩7分の場所にあります。
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まとめ
文字を綺麗に書くスキルは、まさに一生もの。学校での授業で、入学・就職試験で、冠婚葬祭でと、さまざまな場所で活かされます。
対象年齢やコース、月謝や教室の雰囲気などをチェックして、楽しみながら、長く続けられそうな書道教室を選びましょう。
※各教室情報は、公式ホームページを元に作成しております。掲載内容に関するご要望は、お手数ではございますがお問い合わせフォームよりご連絡ください。万が一内容に齟齬がございました際は、早急に修正・削除対応をおこないます。