「日本囲碁ソフト」代表取締役インタビュー!囲碁の勉強法や原理原則について聞いてみた

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子どもの習い事として「囲碁教室」が注目されていますが、長く囲碁教室に通っていくなかで、級位や段位を上げたい、負ける原因を知りたい、と思っているお子さんもいるのではないでしょうか。

そこで今回は、囲碁の総合サイトを運営する「有限会社日本囲碁ソフト」代表取締役の越田正常さんに、囲碁が上達するための勉強法や極意についてお話を伺いました。

子どものうちから囲碁を正しく打ちたい方、囲碁をさらにレベルアップしたい方は、ぜひご一読ください。

  1. 6級以上であればオンラインでのボード対局がおすすめ
  2. 定期的に囲碁大会やボード大会を開催
  3. 囲碁の能力差は「構想力」に尽きる

6級以上であればオンラインでのボード対局がおすすめ

「日本囲碁ソフト」代表取締役インタビュー

ー本日はよろしくお願いします。早速ですが、囲碁が上達したいと思っているお子さんに向けて勉強法など教えてください。

越田 正常さん(以下、越田):子どもが本当に強くなろうと思ったら、たとえば日本棋院や関西棋院のプロ棋士を目指す院生になることですね。ただし、院生として入るためには、アマ六段前後の棋力が必要になります。

そこまでの段位がない、級位の子どもの場合、たとえば6級以上であれば、オンラインでのボード対局がおすすめです。

というのも、ボード対局自分でテストしながら打っていけるから、単純なミスをしたとか、勝ち負けは3段以下の人は単純なミスで負けているだけなんです。良い手が打てれば打てるほどミスが多くなる。悪い手の方が次に発生するミスが少ないのです。

良い手というのは、相手の打つ手に応じてどう打つか考えながら打つ手が良い手なんです。相手の打つ手が分からないから、それに対して準備をしながら打つので非常に時間がかかります。ミスの確率が10倍くらい多くなる。

つまり囲碁というのは、相手の考え方を先に分かった方が勝つ。相手がどこに打ちたいか、相手がここに打ちたいと思えば、それを邪魔することで効率が上がっていくわけです。

ほとんどの人は自分が打って相手が打ったのを見てから考えています。5手打てれば段位としては6段くらいですね。自分がここに打ったら相手がここに打つだろう、そのときにここに打つ、もし相手がこっちいったらこっち打つ、そこまで考えている人は物凄く強いです。そのための知識量もかなりものです。

囲碁が強くなりたいからと本を読んでいる方もいると思いますが、巷に売っている囲碁の本には、悪い手の説明ばかりが載っているので、なかなか強くならないんです。なぜなら良い手は説明ができないから。

本を読めば読むほど相手が悪い点を打ってくれたら勝てる、と。本で学んだことは全部意味を為さなくなってきます。その定石から布石から相手が思うことをさせないように打っているのに、自分がやりたいようにした途端、負けるようになっています。

囲碁はどこにでも自由に打てるわけじゃなくて、ある程度打つ選択に制約がかかっているので、そのなかで選ばないといけないわけです。基本は「攻めさせて守る」です。この考え方を身に付けていないと、30年打っても強くなりません。

ー具体的な勉強法として何がありますか?

越田:
囲碁の勉強方法には、「理論」と「テクニック」の2つがあります。ほとんどの本は、部分的なテクニックであって。それは、理論を知るために必要な道具でしかありません。

碁においては、「構想」(構築)が最も重要です。それを理解するには、「着手効率」「変化要因」「正しい読み」「着手ミスの原因」がわからないと、どうしても単なる、石取りゲームや地取りゲームが碁であると勘違いし、この知識不足が上達での最大の障害要因になります。

そのため、初段以下の棋力の人は基本技術(部分的テクニック)での失敗が碁の戦いと勘違いしてますが、囲碁のゲーム理論とは、単純なミスを指すのではなく、「構想」での選択ミスをいいます。

これらを解決するには、ボードによる対局指導が最善になります。なぜなら、ボード対局では単純なミスがほとんどなくなるため、本当の意味で「構想」の重要性がわかるようになるからです。

すべての効率は部分的ではなく、全局的でしか存在していません。部分と全局の関係と理解が碁の理論の本質になります。

囲碁理論については、弊社の公式サイトでも解説していますので、興味のある方はご覧になってください。

また、私の著書『碁の方程式 原論編』(竜王文庫)で、囲碁の特性や着手効率、棋力アップの原理など、囲碁のゲーム理論について説明しています。

定期的に囲碁大会やボード大会を開催

仮

ー今後、開催予定のイベントなどあれば教えてください。

越田:
ども向けのイベントの開催予定はありませんが、オフラインでの囲碁大会を1月10日に開催します。

また、2月27日までボード大会を開催中です。1月10日まで予選が、1月21日からは決勝がおこなわれます。ボード大会は自分の棋力を知ることを目的として定期的に開催しており、今回で44回を迎えます。

1回1,000円で参加できますので、段位のあるお子さんや、棋力を知りたい方はぜひ挑戦してみてください。

大会情報は公式サイトで随時更新しています。

「日本囲碁ソフト」がある大阪市吹田市には、たくさんの塾・学習塾があります。

テラコヤプラスでは、吹田市 塾・学習塾 ランキング千里山駅から近い 塾・学習塾 ランキングなど、エリアや駅など条件を絞って塾を探すことができます。

お子さんの塾をお探しの方は、ぜひ活用してみてください!

囲碁の能力差は「構想力」に尽きる

仮

ー最後に、読者に向けて一言メッセージをお願いします。

越田:囲碁の本当の能力差というのは「構想力」だけ
です。構想力の基は何かというと、相手が何をしたいのか分からないと話にならないんです。相手が何をしたいか分かったときに、相手がしたいことを阻止するなかで自分の次の構想が生まれる。

相手を無視して構想が生まれているわけではありません。相手のやりたいことをやりにくくすることのなかで、自分のやりたいことを見出している。だから相手の言うことばかりを聞いているのはダメで、逆らうばかりもダメ。囲碁は相手を無視して打つことはできません。

相手が何をしたいか、何を言いたいのか理解する能力が必要なんです。それが一番大事なところです。

ある程度のレベルになると、自分の手が問題なんじゃなくて、次に相手がどういう手を打ってくるかが一番難しいという声を聞きます。

つまり、自分の打ちたいところを見つけるのではなくて、自分が打った場所で相手が次にどこに打ってくるのかが基本になっていると。そういうことを囲碁教室では教えてくれないので、本当に強くなりたいなら、ぜひ私の本や公式サイトを見て囲碁を学んでください。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。


■取材協力:有限会社日本囲碁ソフト

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。