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NPOブックスタートを取材!あたたかい絵本のひとときを贈る活動とは?

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子どもが生まれたとき、初めての集団健診で絵本をプレゼントされたことはありませんか?

現在、親子に絵本をプレゼントする「ブックスタート事業」を実施している自治体は1,000以上もあるそうです。

今回はこの事業をおこなう自治体を支援するNPOブックスタートの宗友史織さんにお話を伺いました。

本を読むことが好きな方、子育てに関心のある方はぜひご一読ください。

赤ちゃんに“絵本をひらく楽しい体験と絵本”を!

ブックスタート

―本日はよろしくお願いいたします。まず、「ブックスタート」についてお聞かせください。

宗友 史織さん(以下、宗友):もともとブックスタートは1992年にイギリスで生まれた活動で、日本では2001年から本格的に実施されました。

ブックスタートは、地域に生まれたすべての赤ちゃんに、“絵本をひらく楽しい体験と絵本”をセットで手渡す活動です。

この記事を読んでくださる保護者のなかにも、健診で絵本をもらったことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。

ブックスタートは、自治体が主体となって実施している事業で、主に「0歳児の集団健診」の機会におこなわれています。

ご家庭で、親子が絵本を介して“心ふれあうひととき”を持つ、そのきっかけをすべての家庭に届けることが目的。

私たちは、日本のブックスタートの推進組織として、自治体のブックスタート事業をサポートする活動をしています。

多くの自治体では、赤ちゃんの目の前で絵本をひらいて読み聞かせをし、地域の子育ての情報をお伝えしながら、絵本を手渡すというやり方をしています。一方、コロナ禍によって従来の方法が難しくなってしまった自治体もあります。

そうしたなかで、ブックスタートは地域に生まれたすべての赤ちゃんを対象にしていることもあって、コロナ禍でも、親子が地域と繋がる貴重な機会にもなり得るんですね。

巣ごもりで育児をする方も多いと聞きますが、だからこそ、「心安らぐ親子の絵本のひととき」をもつきっかけを、すべての家庭に届けようと、自治体の皆さんがいろいろと工夫をして取り組んでいます。

“子育て支援活動”としての役割

ブックスタート

ーブックスタートの「子育て支援活動」としての役割を教えてください。

宗友:
活動を開始してからのこの20年の間に全国各地に広がり充実していくなかで、見出されてきた役割は、大きく分けて「子育て支援・母子保健・読書支援・まちづくり」と4つあります。

子育て支援」に関しては、すべての親子に直接絵本をお渡しするなかで、その地域の子育て情報について伝えることができますし、子育てに悩みを抱えていらっしゃる保護者と地域とが繋がる貴重な機会になっていると思います。

ブックスタートでは保護者と市民ボランティアが、楽しそうにお話ししている場面をよく目にしますが、同じ地域に住むボランティアと話すことで、地元に子育てを応援してくれている人がいることを実感できるのではないでしょうか。

地域みんなで「子育てを応援」していることが伝えられる、そういう役割もブックスタートにはあると感じています。

母子保健」についてですが、親子で絵本を読むということは、赤ちゃんにとっては大好きなお父さんやお母さんが自分のために語りかけてくれたり、笑いかけてくれたりする本当に嬉しくて心満たされる時間でしょう。

そして、読み手の保護者にとっても、自分のはたらきかけに我が子が応えてくれて、愛情をより感じたり、忙しい子育てのなかでホッとできる瞬間であったり、楽しい時間になっていると思うんです。

こういった絵本を介したあたたかい時間が親子の「愛着形成」に繋がっていくのではないでしょうか。

読書支援」の役割としては、たとえば図書館では、親子を対象にした読み聞かせの会も開催されていますが、そういった場所に足を運ぶ人は、もともと絵本に関心のある人が多いのではないかと思います。

受診率が高い0歳児健診でおこなう「すべての赤ちゃん」を対象としたブックスタートでは、もともとは関心が低かった人にも、親子で絵本をひらく楽しさや喜びを伝えることができるはずです。

そして、「まちづくり」について。ブックスタートでは市民の方がボランティアとして関わっている地域が多くあります。

ブックスタートに関わる市民の方が増えていくということは、つまりその地域に「赤ちゃんの幸せを願う人」が増えていくことだと思うんです。

そんなふうに子育てを見守る人が増えていけば、親子にとっては子育てしやすい、そんなあたたかい雰囲気のある「まちづくり」に繋がっていくと信じています。

親子で楽しむ絵本のひとときを共有

―今後開催予定イベントなど、告知がありましたら教えてください。

宗友:NPOブックスタートはTwitter、FacebookといったSNSでも積極的に情報発信をおこなっていますが、そのなかでもぜひ保護者の皆さんに見ていただきたいのがInstagramです。

ブックスタートでは、「親子で絵本を読むひとときの楽しさ」を体験していただき、各家庭でその楽しいひとときが持たれることを願っています。

ご家庭で実際にその楽しいひとときが持たれている様子を、写真と言葉で、「#いっしょにえほん」というハッシュタグをつけて発信しています。

見ていただくと、ほっこりあたたかな気持ちになってもらえるのではないかと思うので、ぜひ
Instagramをフォローをしていただけたら嬉しいです。

2月5日14時からは、元厚生労働省事務次官の村木厚子さんを講師にお迎えして、「つながりあう力~公民協働で社会をつくる~」というテーマでオンライン講演会を予定しています。

2月1日13時まで申し込みを受け付けていますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

大切にしたい“シェアブックス”の時間

―最後に読者へ向けてのメッセージをお願いいたします。

宗友:
赤ちゃんは、大好きな人に抱っこをされて、絵本を読んでもらうなかで、あたたかさや喜びを感じていると思います。

そしてそれは、幸せな記憶として、生涯残り続けるものではないかと思っています。

ブックスタートはそんな「幸せな記憶」の持ち主が、増えていくことを願う活動でもあるんですね。

本を読むことを、英語では「read books」と表現しますが、活字を追って物語の展開を楽しんだり、新たな知識を得るという読書の楽しみは、いわゆる大人にとっての本の楽しみです。

一方、赤ちゃんにとっての絵本の楽しみは、それとは異なります。

絵本をまんなかに、楽しさやあたたかさを読み手とともに「分かち合うこと」、つまり「share books(シェアブックス)」が赤ちゃんにとっての絵本の楽しみではないでしょうか。

絵本のひとときは、そんな「share books」の時間を、ごく自然につくり出します。

ブックスタートを幅広い世代の皆さんに知っていただき、この活動が広がっていけば、「share books」の楽しさを多くの親子に伝えることができます。すべての赤ちゃんが幸せに育つ社会をつくっていくために、これからも自治体をサポートしていきたいと思いますので、応援していただけると嬉しいです。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。


取材協力:NPOブックスタート

島田 佳代子
この記事を執筆した執筆者
島田 佳代子

Ameba塾探し 執筆者

幼少期よりピアノ、水泳、硬筆、英会話などを習う。中学受験をして英語教育に力を入れる中高一貫の女子校へ進学。その後、都内の短大を経てイギリスへ留学。マンチェスター市内のカレッジで観光・旅行学を学びながら、執筆活動を開始し、スポーツ、旅行、ビジネス、教育など幅広い分野で執筆経験がある。2021年9月から「自然豊かな地方の田舎生まれ。小学校では3~5年生までスイミングクラブ、4~6年生までサッカーと習い事を通じてスポーツに熱中する日々を送る。工業高校に進学するも起業や事業経営で成功したいと考えるようになり、高校3年生で個人事業主として開業。紆余曲折ありながら、ライティングを学びブログ運営やWebライターとして活動を続けている。2022年7月より「Ameba塾探し」で編集兼執筆を担当。進路に不安を抱える学生や保護者に役立つ情報をお届けする記事作りを目指しています。」にてライターとして従事し、保護者やお子さまに興味をもっていただける記事づくりを目指しています。