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発達障害の子どもたちを支援!NPO法人「えじそんくらぶ」が考案したADHD支援グッズとは

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発達障害という言葉をよく耳にしますが、具体的にどのような障害か、みなさんご存じでしょうか。

発達障害には、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。

発達障害がある人は、コミュニケーションや対人関係をつくるのが苦手で、社会生活に困難が生じることもしばしば。

今回は、そんな発達障害の子どもたちをさまざまな角度から支援するNPO法人「えじそんくらぶ」代表の高山 恵子さんにお話を伺いました

障害の有無に関係なく、すべての人が互いに思いやる社会を目指す、えじそんくらぶの活動をぜひご覧ください。

発達障害の子どものサポートツール「ふれあい囲碁7」とは

NPO法人「えじそんくらぶ」

ー本日はよろしくお願いします。まず初めに、NPO法人「えじそんくらぶ」が作成している、ふれあい囲碁7についてお聞かせください。

高山 恵子さん(以下、高山):「ふれあい囲碁7」は、囲碁のルールを使ったコミュニケーションゲーム
です。

発達障害の子どもに、より使いやすいように、ふれあい囲碁の発案者である囲碁棋士の安田泰敏九段監修のもと、えじそんくらぶ版として考案しました。

一般的に、「ふれあい囲碁」で利用される9路盤より小さい7路盤にしたので、ふれあい囲碁7といいます。

碁石は手で触っただけでもどちらの色のコマか区別がつくものにしていて、ルールも簡単で、囲碁の簡単バージョンになっています。

碁石自体は、立体的な花形のカラフルなコマで、碁盤は、草原のイメージでつくったグリーンのパット上に点字解説があり、コマを穴に埋め込むようになっているんですね。

このゲーム板では、4目並べや、はさみ将棋もできます。

ダウン症や、ADHD(※)などの、小さいお子さんに使っていただいていて、たとえば授業中に立ち歩きがあった際に囲碁7を活用する学校もあるんですよ。

発達障害の方だけでなく、教育玩具としてもいろいろな方に使っていただけると思います。

(※)ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつ。

相互理解を深める質問カード「ちょこっとチャット!」

NPO法人「えじそんくらぶ」

ー「ちょこっとチャット!」ついても教えてください。

高山:「ちょこっとチャット!」は、アイスブレーキングに最適なコミュニケーションツール
です。

いろいろな種類があって、箱のなかにある、質問が書いてあるカードをひとり1枚めくって答えていくんですよ。

たとえば、園児~小学校低学年向けのものは、文字が読めなくても誰かがインタビューすることでコミュニケーションスキルを楽しく身につけるゲームとしてお使いいただけます

会話の難しいお子さんや、面談が難しいお子さんにも最適で、なかには「パパにやめてもらいたいことはなんですか?」という質問が織り込んであって、虐待のサインがないかが分かるような仕組みにもなっているんです。

また、「学校で嫌なことがありますか?」とか、「学校で好きなことと嫌いなことはなんですか?」という質問では、いじめのサインに気づくこともできます。

ほかにも、小学校高学年~中高生向けのものもあり、「私の夢は〇〇です」、などといった質問や、「親からいわれてムカつくことはなんですか?」など、少しティーンエイジャー向けにつくっていますね。

幼稚園、保育園、学童保育、小学校以外には、ご家庭で使用されるケースもあり、兄弟で質問し合っているのを、お母さんが耳をダンボにして聞いているといったお声も聞きます。

障害のある子どもも、ない子どもも、一緒に遊べるADHD支援グッズがもっと広まればよいなと思いました!

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障害の当事者や家族に向けたさまざまな講座を開催中!

NPO法人「えじそんくらぶ」

ー今後開催予定のイベントはありますか?

高山:
当法人では、さまざまな講演会・講座をおこなっていて、毎月1回、支援者や、成人の当事者、家族向けに、夜間講座も開催しています。

中学生や親子、ご夫婦で参加する方もいるのですが、発達障害や衝動性、怒りなどのコントロールの方法が分からない方に対して、自己理解を深めるワークショップに力を入れているんですね。

あとは、2022年1月22日に発達障害と愛着障害(※1)と複雑性PTSD(※2)について、その専門の先生と私で講演をするステップアップ講座があります。

また、昼間の講座は12月1日に終わってしまいましたが、1年に2回おこなっていて、だいたい私がつくったテキストや本を教科書として使用しています。

(※1)愛着障害とは、養育者との愛着がなんらかの理由で形成されず、子どもの情緒や対人関係に問題が生じる状態のこと。 (※2)Post Traumatic Stress Disorderの略。心的外傷後ストレス障害:体験の記憶が自分の意志とは関係なく、フラッシュバックや悪夢を見たり、不安や緊張が高まったり、辛さのあまり現実感がなくなったりする状態のこと。

障害を理解することでよいところを引き出しあう社会へ

ー最後に読者の方へ一言メッセージをお願いします。

高山:当法人は、ADHDの支援団体として約20年前に立ち上げ、エジソンがADHDであったといわれていることから、プラスのイメージでADHDをたくさんの人に知っていただきたく、“えじそんくらぶ”と命名しました。

今はADHDだけでなく、ほかの発達障害の方の支援もしていますが、実は発達障害のあるお子さんの支援は、すべてのお子さんの子育てにも活用できるんですよ。

あとやはり子育てってストレスが溜まるので、親御さんのセルフケアがすごく重要なんですよね。

そこで、ストレスマネジメントの講座もたくさん紹介しているので、無料でダウンロードできるリーフレットも見ていただきたいです。

NPO法人「えじそんくらぶ」

それから、成人の講座もいろいろとおこなっていますが、怒りのコントロール、自己理解を深める、上手くいく条件を探すなど、発達障害でなくてもすごく参考になるワークショップなので、たくさんの方に参加していただければなと思っています

凸凹のある人というのは、日本の教育のなかでは、潰れてしまうことが多いと思うんですね。

周りから浮いている人や、昔でいう落ちこぼれといわれている人のなかにも、才能のある人がたくさんいます。

発達障害の方のなかには、すごく能力の高い人もいるんです。ですから、ダメなところばかりを見ないで、よいところもぜひ見ていただきたいなと思いますね。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!


■取材協力:NPO法人 えじそんくらぶ

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

Ameba塾探し 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。