NPO法人バディチームは“家庭訪問型”の子育て支援で虐待を防ぎたい!代表に活動内容を聞いてみた

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深刻な社会問題としてたびたび取り上げられる、子どもの虐待。その背景には育児の大変さや経済的な困窮など、各家庭が抱えるさまざまな問題があります。

子どもを虐待から守るには、親も含めて支援をすることが大切です。

東京都新宿区を本拠地とする「バディチーム」は、“家庭訪問型”の支援活動をおこなっているNPO法人

子育てに関する幅広い支援を通じて、子どもの虐待防止に尽力している団体です。

今回は「バディチーム」代表の岡田 妙子さんに支援の具体的な内容などについてお話を伺いました。

  1. 家庭に訪問しておこなう支援で子育てをサポート
  2. 年齢や経験などを問わず支援に参加できる
  3. 官・民・地域住民による連携の必要性を伝えたい
  4. 1人で抱え込まず、まずは相談してほしい

家庭に訪問しておこなう支援で子育てをサポート

ー本日はよろしくお願いします。早速ですが「バディチーム」はどのような活動をおこなっている団体なのでしょうか?

岡田 妙子さん(以下、岡田):
私たち「バディチーム」は、家庭に訪問して子育て支援をおこなっているNPO法人です。

バディチームとして家庭に訪問する支援活動を始めたきっかけは、ある地域が実施していた「養育困難家庭への訪問型支援」といった内容の活動に、私自身が加わっていた経験にあります。

当時その支援活動をするなかで、「家庭に入っておこなう支援が大事だな」と強く感じ、そこから今の支援活動がスタートしました。

養育困難になる理由は本当に人それぞれですし、虐待は決して特別なことではありません。どんな家庭でも起こり得ることだと考えています。

子どもの夜泣きが止まらず困っていたりということから、子どもや親に病気や障害があったりと、いろいろな背景があります。

そのほかにも経済的に困窮しているとか、外国籍だからこその悩みがあったりですとか。

そんなさまざまな事情や背景がある家庭に対して支援が必要なのですが、それが足りていないのが現状です。

それで結果的に家庭内で子どもが孤立したり、あるいは社会のなかで家庭が孤立してしまうこともあります。

その状態こそが、子どもの虐待における大きな要因になると見ています。そして孤立を防ぐには、私たちがご家庭に伺って支援をするのが大切だと。

家庭での支援の具体的な内容としては、保育・家事・送迎・学習支援など、本当に幅広く関わってます。

「子育て支援といえば保育」というイメージが強いと思うのですが、実際は家事のニーズもとても多いのです。掃除や片づけ、料理とか、日常生活をサポートする内容です。

年齢や経験などを問わず支援に参加できる

NPO法人「バディチーム」

ー家庭に訪問して支援をおこなうのは、どのような方たちでしょうか?

岡田:各ご家庭にいる子どもの年齢の幅が広く、保育や学習支援など求められる支援もまたさまざまです。

「ご希望に沿ってお手伝いしますよ」と言えるのは、家庭に訪問することのメリットでもあります。

ですから、それぞれの得意分野を活かして支援に携わってほしいということで、学生さんですとか、普段はIT企業で働いている方ですとか、さまざまな方が「子育てパートナー」として活躍しています

専門家でなければできないということはなく、みなさんしっかり志を持ってできることを担ってもらっています。

大事なことは支援にあたるご家庭を尊重することや、お話を十分に聞けることです。

いろいろな背景、いろいろな価値感がありますので、それに対して受容・共感・傾聴できることが「子育てパートナー」としては必要ですね。

これまで支援してきたご家庭のなかには、話し相手だったり、お友達感覚でのコミュニケーションを望まれる方もいらっしゃいました。

「行政や児童相談所が来るのは嫌だけど、バディチームの子育てパートナーなら家に入ってもいいよ」などと言っていただけることもあり、そこは役割分担と考えています。

子育てパートナーは、年齢・性別・経験・資格などを問わず募集していますので、ご興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせください。

「バディチーム」のある東京都新宿区には、たくさんの塾・学習塾があります。

テラコヤプラスでは、新宿区 塾・学習塾 ランキング飯田橋駅 塾・学習塾 ランキングなど、エリアや駅を絞って塾を探すことができますので、ぜひ活用してみてください!

官・民・地域住民による連携の必要性を伝えたい

NPO法人「バディチーム」

ー今後、開催予定のイベントなどはありますか?

岡田:
まだ日程は決まっていませんが、官・民・地域住民の連携の必要性を伝えるためのイベントを開催したいと考えています。

子どもの虐待などの相談が、今年2021年8月で20万件を突破しました。ですが、行政だけでできることは限られていますし、児童相談所もいっぱいいっぱいなんですね。

そして私たちのような団体はまだ少なくて、支援が必要なご家庭に対して、支援をする人が足りていません。

ですので、地域のみんなで参加して一緒にやっていきましょうと伝える必要があると思っています。

あとは自治体の人にも連携による支援体制が必要であることを理解してもらったりとか、「こういう活動をやってみたい」と思ってくださる団体さんに参加してもらったりとか、そういうことも考えています。

それから、寄付の呼びかけも積極的におこなっています。私たちには「社会みんなで子育て」というビジョンがあります。

そのために資格や経験を問わず、子育てパートナーを募集をしているのですが、家庭に伺っての支援が難しいという方もいらっしゃいます。

そういった方のなかで、私たちの活動に共感してくださる方がいれば、寄付などでご協力いただけるとありがたいなと思っています。

1人で抱え込まず、まずは相談してほしい

NPO法人「バディチーム」

ー最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

岡田:子育てが大変になっている方は、自分1人で抱え込まないで、SOSを発信してもらいたいと思います。

そのような相談ができる窓口が行政にありますから、まずは子育てが大変になっている状況なども含めて、気軽に相談してみてください

もしも行政に対応してもらえなかったとしても、民間団体や地域の子育て支援団体など力になってくれる場所はたくさんあります。

そのなかには対応できる範囲が限られていたり、希望に合わないところもあるかもしれません。ですが、ちゃんとわかってくれる人たちも必ずいますので。

とにかく自分1人で頑張り過ぎないで、支援をしてくれる人や組織とつながって一緒に子育てをしてほしいなと思います。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!

■取材協力:NPO法人 バディチーム

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。