小中学生向けオンライン学習会「ノ・マド」とは?コース内容や料金について聞いてみた!

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子どもたちのなかには、さまざまな事情から学校に通えなくなってしまう子がいます。

我が子が学校に行けなくなったとき、保護者の方は子どもの気持ちや将来を第一に考えるからこそ、どのような対応をすればよいのか悩んでしまうのではないしょうか。

今回は、すべての小中学生を対象にしながら、通学・通塾困難の小中学生向けにもオンライン学習会を提供する「ノ・マド」の運営事務局・田重田 勝一郎さんにお話を伺いました。

子どもに寄り添う学習支援サービスを探している方、子どもにオンラインで学ぶ機会をつくりたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

  1. 小中学生を対象にした完全個別指導のオンライン学習会
  2. 世界各地の「子どもの気持ちに寄り添えるスタッフ」が在籍
  3. 「ノ・マド」では勉強以外のコースも受けられる
  4. 全国の子どもたちに「オンラインでの学びの機会」を届けたい

小中学生を対象にした完全個別指導のオンライン学習会

ノ・マド

ー本日はよろしくお願いします。まず「ノ・マド」のサービス概要について教えてください。


田重田 勝一郎さん(以下、田重田):ノ・マド」は、NPO法人「志塾フリースクール ラシーナ」が運営する小中学生を対象にした完全個別指導の「オンライン学習会」です。

1回1時間の枠を予約いただき、その時間内でフリースクールのスタッフや大学生とマンツーマンの勉強していただくサービスを提供しています。

ー貴団体が「ノ・マド」を立ち上げた経緯について教えてください。


田重田:もともと私たちは不登校の子どもたちを受け入れるフリースクールの運営団体でした。

昨年のコロナ禍で一斉休校になったとき、生徒たちはみんな家に引きこもってしまって、フリースクールにも来られない状況が続いたんです。

「これはいけない」と危機感を覚えた私たちは、1回目の緊急事態宣言が出たタイミングで、当時通っていた45人ほどの生徒向けのオンラインの学習支援を始めました。

すると昼夜逆転していた生徒の生活リズムが改善したり、教室での勉強を嫌がっていた生徒が「オンラインなら人の目を気にしなくていい」と学習に集中できたり、さまざまなよい効果が見受けられたんです。

「このオンライン学習支援を全国の子どもたちに広げていきたい」と始めたのが、この「ノ・マド」事業です。

昨年の10月から日本財団の助成金事業として運営をスタートし、通学・通塾が困難な小中学生向けをはじめ、すべての子どもたちにオンライン学習会を提供するようになりました。ちなみにサービス内容は当時も今もまったく同じです。

今年の4月で助成期間が終わったので自主事業として独立し、現在は当団体の事業の柱のひとつとして運営しています。

世界各地の「子どもの気持ちに寄り添えるスタッフ」が在籍

ノ・マド

ー一般的な学習塾にはない強みは何ですか?


田重田:
私たちのオンライン学習会の強みは、基礎学力の向上をメインの目的としながらも、英会話やプログラミング、ピアノのレッスンといった体験活動も一緒に提供しているところです。

また、世界各地にスタッフがいる点も強みのひとつですね。

たとえばオーストラリアの大学に留学中の方、ノルウェー在住の方など、さまざまな地域に住む人がスタッフとして参加しています。

日本在住のスタッフにも海外経験者が多いので、海外に興味のある子どもたちにとっては、リアルな話を聞けるのも大きな魅力かなと思います。

ースタッフ募集はどのようにしておこなっていますか?


田重田:一般的な学習塾と違い、アルバイト募集ではなく有償ボランティアとして募集をかけています。

そのためノ・マドのスタッフは、私たちの活動に共感してくれる、教育に関心の高い大学生や社会人ばかりなんです。

スタッフの採用基準としては、特別高い学力を求めることはありません。

もともとコロナ禍で通学・通塾ができていない子どもたちを対象に始めた事業なので、そういう子どもたちの気持ちに寄り添える方、私たちの活動の考え方に賛同いただける方を採用しています。

また当学習会では発達障害のお子さんも受け入れているので、スタッフは研修で子どもたちとの接し方を学んでから、オンライン学習会に入るようにしています。

ちなみに先ほどお伝えしたとおり、日本在住者に限らず、世界中からスタッフを募集していますよ。

「ノ・マド」では勉強以外のコースも受けられる

ノ・マド

ー特に人気のあるコースについて教えてください。


田重田:受講者数が一番多いのは「基礎学力講座」ですが、勉強以外のコースも受けられるのが当学習会の特徴です。

実は、「ノ・マド」は「オンライン学習支援のプラットフォーム」なんです。

つまり私たちの団体だけでなく、ほかの学習支援団体や何かスキルを持つ方、個人で習い事の先生をしている方など、さまざまな方々と連携して多種多様なコースを提供しているんですね。

たとえばピアノのレッスンは、外部のピアノの先生に私たちのプラットフォームへ参加いただき、指導してもらっています。

ほかにプログラミング、英会話のコースがありますが、今後もヨガ、韓国語、中国語など、どんどん種類を増やしていく予定です。

ーコース料金について教えてください。


田重田:基礎学力向上講座」「オンライン英会話」「言語プログラミング」「ピアノレッスン初級」のコース料金は以下のとおりです。

■コース料金表(料金はすべて税込)

コース クラス 月あたり回数 受講料
オンライン学習
基礎学力向上講座
レギュラークラス
(1回60分)
4回 6,800円
8回 13,600円
ショートクラス
(1回30分)
4回 4,800円
8回 9,600円
オンライン英会話 ショートクラス
 (1回30分)
4回 4,800円
8回 9,600円
言語プログラミング PHP/Java/Pythonなど
(1回90分)
2回 12,800円
ピアノレッスン初級 入門~バイエル程度
(1回30分)
4回 6,000円


田重田:タイミングによるのですが、コロナに対する不安や経済的な事情などから学校へ行けていないお子さんは、申請・審査により1か月分の料金が無料になるクーポン券を発行できる場合があります。

全国の子どもたちに「オンラインでの学びの機会」を届けたい

ノ・マド

ー今後の展望を教えてください。


田重田:もともと不登校の子どもの支援団体だった私たちが「ノ・マド」を運営する理由は、学習支援活動のオンライン化を推進したいからです。

私たちの業界は、一般の学習塾とはまた違います。

この業界には困窮世帯向けに学習を支援する団体、子ども食堂のようなオフラインの場で学習会をされている方などがいますが、みんながITに詳しいわけではないんです。

オンライン化したくても「やり方がわからない」「ノウハウがない」という団体はたくさんあります。

引き続き、そういう方々と「オンライン学習支援のプラットフォーム」として連携し、提供できるコースの種類を増やして、全国各地の1人でも多くの子どもたちに「オンラインでの学びの機会」を届けたいと考えています。

ー最後に読者の方へメッセージをお願いします。


田重田:「ノ・マド」のオンライン学習会は、がんがん学力を上げていく、成績を保証して志望校に合格させるというものではありません。

どちらかというと、家の中に閉じこもってしまっているお子さんが外の世界に目を向けるためのきっかけづくりとして利用いただいています。

「ノ・マド」のオンライン学習会を始めて、まったく外に出られなかった子どもが「家庭訪問してきた先生に会えるようになった」「学校に戻れた」「フリースクールに通えるようになった」という事例も出てきているんですよ。

家の中に閉じこもってしまった子どもたちが外に出るための第一歩として、ぜひノ・マドのオンライン学習会を使っていただきたいと思います。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!


■取材協力:ノ・マド

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。