NPO法人「青少年異文化交流推進協会」を取材!子どもを大きく成長させる異文化交流とは?

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「英語で話したい」「世界中に友だちがほしい」「留学をしてみたい」と、誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。

日本国内でも家族や友人と離れて暮らすことは勇気がいることです。ましてや、文化も言葉も習慣も異なる海外留学には不安を感じる人も少なくないでしょう。

そんな海外留学や異文化/国際交流への悩み相談や、留学する子どもや地域の異文化/国際交流を支援するための活動をおこなっているのがNPO法人「青少年異文化交流推進協会」です

今回は、NPO法人「青少年異文化交流推進協会」理事の岩下 小百合(いわした さゆり)さんに、異文化交流や留学を通じて子どもが留学や異文化/国際交流の経験を通して学べることについてお話を伺いました。

  1. 日本各地での異文化/国際交流を応援したい
  2. 返済不要の奨学金プログラムについて
  3. 異文化/国際交流や海外生活体験を通じて問題解決力を身につける
  4. 益々広がる異文化交流機会

日本各地での異文化/国際交流を応援したい

青少年異文化交流推進協会1

―本日はよろしくお願いします。はじめに、NPO法人青少年異文化交流推進協会の設立経緯を教えてください。  

岩下 小百合さん(以下、岩下):私たちの団体は、地元密着で海外留学に携わる仕事をしている複数の民間企業によって構成されています。それぞれの地域での活動を通して、海外留学に関することのみならず、ときには県や市町村、あるいは教育機関(学校等)から「姉妹都市提携や姉妹校提携をしたいけれど、どのように話を進めたらよいかわからない」等のご相談を受けることもあります。

たとえば、姉妹縁組は、地域にとって社会性、公共性、公益性もあり、よいお話ですよね。そのような事業に民間企業として関わる場合、どうしても利益性も考えつつ進めていく必要があります。

そういうことから、「利益を追求することなく、思いっきり地域・社会の役に立ちたい!」と、2001年3月にNPO法人を設立、2003年に内閣府認証のNPO法人となりました

返済不要の奨学金プログラムについて

青少年異文化交流推進協会2

―NPO法人「青少年異文化交流推進協会」の活動内容について詳しく教えてください。  

岩下:私たちの主な活動は、異文化/国際交流プログラムの普及啓発活動です。異文化/国際交流プログラムへの参加体験を通しての相互理解を目指しています。

私たちが普及啓発活動をおこなっている主な異文化/国際交流プログラムは、中高生向けの春休みや夏休みの「現地校体験プログラム」、高校生向けの「アメリカ・カナダへの高校留学プログラム」、アメリカの大学留学を目指す方向けの「アメリカ大学奨学金プログラム」、そしてホストファミリー宅でお世話になりながら日本の高校生活を体験する海外からの留学生(高校生)のための「日本高校体験留学プログラム」などです。

「アメリカ高校交換留学プログラム」は当協会設立当初から普及啓発活動しているプログラムで、今年、36期生をアメリカの公立高校へ交換留学生として送り出しました。2015年からはカナダのブリティッシュコロンビア州ラングレー学区の公立高校にも送り出しをしています。

また、当協会の海外デスクとタッグを組み、春休みや夏休みを利用した現地の学校を体験するプログラムや、日本国内で行う英語キャンプも企画・実施しています。

ー「アメリカ大学奨学金プログラム」についても教えてください。

岩下:アメリカ大学奨学金プログラム自体は歴史が古く、当初は南米やヨーロッパの学生に奨学金が支給されていましたが、2004年から日本でも募集が開始され、毎年100名以上の日本の若者がアメリカの大学に留学しています。

「アメリカ大学奨学金プログラム」の奨学金は返済する必要のない、付与型の奨学金であることが大きな特徴です。授業料、滞在費の約50%が奨学金として支給されます。
アメリカの大学へ留学をしたくても経済面で心配される方にとっては心強い経済的支援であると思います。

アメリカと日本の大学では教育制度等も異なるため、しっかりと違いを理解したうえで応募する必要があります。奨学金を得て勉強する場合、その人が「どのような目的で留学に挑もうとしているのか」「将来をどのように考えているのか」等も大切になります。

各国からの留学生を受入れているアメリカの大学は、異文化の国々から来て勉強する留学生たちが授業に参加することにより、異文化で生まれ育った人々の考え方、物の捉え方や感じ方に触れることができ、現地の学生が留学生らと共に大学生活を送ることで多くの気づきや相互理解の機会となるということもあり、多くの大学がアメリカ大学奨学金プログラムに賛同し、海外からの留学生を迎えています。

私たちの役割は、地方に住んでいる方が面接や説明会のために東京まで足を運ばなくても、皆さんの近くに存在し、アメリカの大学や奨学金プログラムについての説明や面談を行い、アメリカの大学への留学を目指す方々の背中を押して送り出すことです。

アメリカ大学奨学金プログラムでは毎年、8月入学を目指す方は全国で125名、1月入学者は75名募集しています。多くの方々に活用していただきたいと思っています。

―カウンセリングはどのようにおこなっているのでしょうか?  

岩下:留学される方は、一人ひとり留学にかける思いや目標が違います。「なぜ留学をしたいのか?」等、しっかりヒヤリングをし、その人にとって適切なアドバイスができるように務めています

私たちのメンバーには、自分自身が交換留学参加者あるいは大学への進学留学経験を持つ者、自分の子どもを留学させた経験があり保護者の立場が分かる者など、さまざまな経験と知識を持つカウンセラーがいます。

もしお近くの地域外のカウンセラーの話が聞きたい場合は、ZoomやSkypeを利用してオンラインでのカウンセリングをおこなうことも可能です。

異文化/国際交流や海外生活体験を通じて問題解決力を身につける

青少年異文化交流推進協会3

―プログラムへ参加することで、どのようなことが学べますか?  

岩下:どのプログラムにも共通しているキーワードは「気づき」ではないか、と思います。

プログラムに参加した人が気づくこと、送り出した人が気づくこと、サポートした人が気づくこと。さまざまな角度で、たくさんの気づきがあるように思います。

たとえば、先程お話したアメリカ大学奨学金プログラムに参加し、アメリカで大学生活を送る方々は入学から卒業までに約4~5年かかります。母国語ではない言葉で授業を受け、学位を得るのは簡単なことではありません。また、大学生活を送る間、学生寮で生活をすることになりますが、学生寮にはアメリカ人だけではなく、世界各国からの留学生たちも滞在しています。このようなことから、大学生生活を通して多くの気づきの機会があるはずです。

異国の地での生活は、いままで住み慣れた場所から離れるということで、正直に言ってしまえば“居心地はよくない”でしょう。それを自分の工夫や努力でいかに居心地のよい場所にしていくかも貴重な経験だと思います。

これは普段の人間関係も含めて同じだと思いますが、そういったことを若い年齢で気づき、考え、工夫する経験・体験は、留学の醍醐味ではないでしょうか。
留学をしたことで気づき、身についたさまざまな経験は将来、多くの人と関わりながら社会生活を送るうえで必ずや役立つでしょう。

また、中高生は異文化での生活に慣れるのも、さまざまな新しいことを習得するスピードも早いです。幼いながらも親元を離れ、ホームシックと戦いながら慣れない異国の地で自分の居心地の良い環境を作る努力はたくましい成長に繋がっているように感じます。

「どのような工夫をしたら勉強や宿題をこなせるか」、「ホストファミリーとの日常的なコミュニケーションはなぜ大切なのか?彼らと絶えずコミュニケーションをとるには、どうしたら良いか?」など、工夫しながら生活することが、大きく成長することに繋がるといえるでしょう。

留学前の準備として英語を先に学んでおくことも、現地でコミュニケーションをとるために役立つ方法ですね!

テラコヤプラスでは、地域や駅から塾・学習塾を探すことが可能です。

「青少年異文化交流推進協会」の本部がある広島県広島市中区 塾・学習塾 ランキング日赤病院前駅から近い 塾・学習塾 ランキングなどからもぜひ塾を探してみてくださいね!

益々広がる異文化交流機会

青少年異文化交流推進協会4

―今後の展望についてお聞かせください。  

岩下:既存のプログラムだけではなく、よいと思われるプログラムがあれば、どんどん取り入れていきたいと思っています。

私たちは、台湾やタイからの留学生(高校生)の受け入れもしています。残念ながら昨年は新型コロナウイルスの影響で中止になりましたが、10年ほど前から続けています。

1年間に限定したプログラムですが、これがきっかけで「日本の高校へ進学したい、卒業したい」、「日本の大学に進学したい」という声も台湾やタイの参加者から聞こえてくるようになりました。そんな彼らの希望が叶えられるよう高校の先生方にも相談しながら、準備を進めています。まさに既存のプログラムから新しいものが生まれようとしている最中なのです。

また、オーストラリアのパースとブリスベン、そしてニュージーランドのウェリントンには「青少年異文化交流推進協会」の海外デスクがありますので、オーストラリアの中学校や高校で日本語の勉強をしている生徒が、日本の学校生活を体験すべく来日することもあります。これは短期間の場合が多いのですが、現地の学校主催のプログラムとして10人ぐらいのグループで来ることもあれば、ひとりで来る子どももいます。

日本のなかには、海外留学へ行きたくても行くことができない人もいるので、海外からの留学生を受入れることによって、なかなか海外留学へ行けない方も異文化に触れる体験ができ、日本にいながら海外に友達を作る機会にもなりますので、海外からの留学生の受け入れは続けていきたいです。 海外からの留学生の受入れは、期間中、ホストファミリーのサポートや学校の協力が不可欠です。留学生を受入れていただけるホストファミリーを探すことは容易ではありませんが、海外からの留学生の受入れを続けるためには、留学生のホストファミリーになってくださるご家族を常に募集しております。

さらに、2018年より始まった文部科学省主催の「学位取得のための海外留学広報事業」の一環として、各地の教育委員会や高校での研修会に、一般社団法人海外留学協議会(JAOS)を通じて当協会のカウンセラーが講師として事業に協力しています。こちらも引き続き協力を続けていきたいと思っております。

地域・社会のためになることはこれからも続けていきます

―最後に、読者へメッセージをお願いします。  
 
岩下:異文化/国際交流には、多くの可能性があります。自分と違った環境や物の考え方に接することは少し勇気がいることかもしれませんが、思い切って挑戦してほしいと思います。

わからないことも多く、不安に思う時は、いつでも私たちに相談してください。私たちも多くの方々が体験できるような異文化/国際交流の機会を積極的に作り、その情報を発信していきます。その取り組みのひとつとして、「海外留学の基礎知識」と称した、オンラインセミナー(全4回)を2021年11月・12月に開催予定です。

コロナ禍ではありますが、海外の語学学校のスタッフや当協会海外デスクも参加し、現地の情報もリアルに伝えてもらう予定です。セミナーはオンラインなので、全国どこからでも参加可能です。

また、「自分たちは地元密着の小さな団体だけれど、地元の地域・社会のため、ともに活動してみたい」等という方がおられたら、ぜひ私たちと一緒に活動しませんか?

私たちも地域や社会の人々のためになる異文化/国際交流を!という熱い気持ちの方々と是非一緒に活動していきたいと思っています。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!

■取材協力:NPO法人 青少年異文化交流推進協会

工藤 智也
この記事を執筆した執筆者
工藤 智也

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

「テラコヤプラス by Ameba」の編集兼ライター。子どものころは勉強が苦手で、好きな教科と嫌いな教科でテストの点数が極端に違ったタイプ。国語が好きで、本ばかり読んでいた学生時代。中学校で塾に通い、その時に初めて塾で勉強すると成績が伸びることを実感。苦手な数学の成績が上がったことは、勉強に対する考え方が変わった良いきっかけに。この経験を活かし、勉強することが苦手な人が、少しでも勉強を好きになり前向きな塾選びができるようなサイトを目指します。