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30周年を迎えるNPO法人「熊本県キッズサッカー協議会」を取材!災害を乗り越えて続けてきた活動とは

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サッカーは幅広い世代に人気のスポーツ。そのため、子どもの習い事にしている家庭も少なくありません。

しかし、未就学児や小学校低学年がサッカーを楽しめる環境は、ある程度限られていることをご存じでしょうか。

今回紹介するNPO法人「熊本県キッズサッカー協議会」は、そんな幼児から小学校3年生までの子どもを対象に、サッカーを通してさまざまな経験の場を提供

子どもたちにサッカーの楽しみを知ってもらうため、一体どのような取り組みをおこなっているのか、理事長を務める仲道 隆(なかみち たかし)さんにお話を伺いました。

熊本地震など、さまざまな災害の影響を受けながらも、「子どもたちのためにキッズサッカーを守りたい」と強い信念で続けてきた活動への想いをぜひご一読ください。

サッカーとの出会いを提供する「熊本県キッズサッカー協議会」とは

子どもたちがサッカーの試合をしている画像

本日はよろしくお願いします。まず初めに、「熊本県キッズサッカー協議会」の設立経緯や、活動内容について教えてください。

仲道 隆さん(以下、仲道):「熊本県キッズサッカー協議会」は、サッカー選手の育成というよりも、サッカーを通じた心身の健やかな成長、また挨拶ができる子どもの教育や、チーム同士の親睦を目的として活動しています。

歴史が長い熊本県キッズサッカー協議会は、全国的に見ても多くの子どもたちが参加しています。

熊本地震や水害といった非常に厳しい時代を経て、現在は約300ものチームが参加している状況です。

設立経緯としては、Jリーグが開幕した1993年に、サッカーとの出会いを提供したいと願う有志一同によって発足
されました。

当時、小学4年生以上の子どもには部活動がおこなわれていましたが、小学3年生以下の子どもにはそういった部活動がほとんどなかったんですね。

そこで、そのような子どもたちにも、サッカーとのふれあいの場を提供できればと思い、幼児から小学校3年生までのカテゴリーを設けて、大会などを実施してきました。

熊本地震で気づいた“キッズサッカーに対する想い”

コーチと子どもたちが試合会場で休憩している画像

ー熊本県キッズサッカー協議会がおこなっている活動について、詳しくお聞かせください。

仲道:当協議会では、熊本市内や阿蘇、天草、八代など、県内の至る地域で年間15回程度の大会を開催しています。

毎年3~4月にかけて年間計画を決定していて、会場は熊本県民総合運動公園のスポーツ広場が中心ですが、熊本県内各地でも大会を開催しているんですよ。

内容は、園児対象の大会や、小学生のみの大会、さらには女の子向けの大会など、趣旨はさまざまです。

以前は指導者講習会や、栄養講習会もおこなっていましたが、コロナ禍の現在は一時的に活動をストップしています。

2020年は半年近く大会を開催できずに大変ショックを受けましたが、これまでにも災害の影響で大会ができないことはありました。

たとえば熊本地震が発生した際は、それから3か月後に大会をやっと開催したのですが、196ものチームが集まってくれたんですね。

そのときの感動は今でも忘れられません。

「キッズサッカーはすごい。きっとこれからもみんなのために続けていける」と自信を持てた大会でした。

当然私ひとりの力ではなく、ほかの役員や、たくさんの協賛者からのご協力、なにより多くのチームの支えがあってこそです。

そういったこともあり、今回のコロナ禍で大会の数自体は減っても、「協議会の活動はしっかり続けていこう」という気持ちを強く持つようにしています。

試合会場の広場にたくさんのチームが並んでいる画像

ー大会以外の、メンタルトレーニングやワンポイントレッスン、指導者についても教えてください。

仲道:メンタルトレーニングやワンポイントレッスンについては、今はコロナ禍でストップしていますが、以前は指導者や保護者向けの講座として開催していました。

さまざまな保護者の方がいるので、まずは子どもたちのサッカーへの熱意を理解し、よきサポーターになってもらえるような話を中心に展開しています。

また指導者においては、発足当時は学校の先生や、クラブチームのコーチが多い印象でしたが、最近は協議会のOB・OGが指導者として戻ってきてくれているんです。

かつての子どもたちがOB・OGとして挨拶に来てくれると、自分も年を取ったと思う反面、大変嬉しく感じますね。

私自身がそうであるように、サッカー経験者でなくても、指導員になることは可能です。

サッカーを教える立場になった大人向けの指導者講習も県サッカー協会でおこなっています。

ー大会に参加する子どもやチームに特徴はありますか?

仲道:近年、部活動が本当に減り、代わりにクラブチームとして大会に出場するチームが随分増えた印象ですね。

そもそも熊本キッズサッカー協議会の始まりは、サッカー経験者の大人たちが近所の子どもたちを集めてチームをつくったことにあります。

今でもそういったチームの出場は珍しくありません。

また、小学校の担任の先生が申し込み、クラスの子どもたちが集まって大会に出場することもあります。

ですから、サッカーが好きな男の子や女の子が周囲にいましたら、周りの保護者がそういった子どもを集めてチームをつくり、ぜひ大会に出場していただきたいです。

サッカーが上手になることはもとより、チーム内の親睦も深められますから。

スポーツは災害などの困難も乗り越える力があるのですね。素敵なエピソードを知ることができました!

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大会を通してひとりでも多くの子どもにメダルを

コーチの前に子どもたちが整列している画像

ー来年には30周年を迎えますが、なにかイベントなどを企画されていますか?

仲道:コロナ禍で大会ができない状態が続いたので、なによりもまずは、一つひとつの大会を無事に開催していくことが大きな目標です。

実は、熊本県キッズサッカー協議会の最大の特徴として、ナンバーワンを決める大会が一切ないんですね。

大会によっては、優勝チームが各学年に3つ、多いと6つや、7つのチームが出ることもあります。

このスタイルがよいかどうかはわかりませんが、ひとつでも多くのチームに優勝メダルを持って帰ってほしいと願って大会を続けています

さまざまな大会を通じて、より多くの子どもたちがメダルを貰うことが、私たちの楽しみなんです。

また大会の種類として、いろいろな大会を年間おこなっていますが、大会の形式はほぼ変わりません。

たとえば、女子だけの大会は年に2回あり、女の子の大会のなかにはコスチューム賞もあり、とてもかわいいんですよ。

女の子がコスチュームを着てサッカーをしている画像

発表会で着る洋服や、手づくりの洋服を着た女の子が出場するのですが、もう長い間続けています。

とてもサッカーをする格好ではありませんが(笑)、かわいらしいと保護者からも好評です。

夢を持つ子どもたちに笑顔を与えられる存在を目指して

コーチが子どもたちに指導をしている画像

ー今後の展望について教えてください。

仲道:2022年4月から、いよいよ熊本県キッズサッカー協議会は30年目に突入します。

今までさまざまな障害がありましたが、まずは30年目を無事に迎えることが今の目標です。

そして、コロナ禍でもできることを、無理のない範疇でおこなっていきたいと考えています。

また、今後は若い世代にバトンタッチができるような協議会をつくっていきたいですね。

多くの夢を抱えている子どもたちが、その夢に向かって、明日がよりよくなるように、明日が楽しくなるように、私たちはいつも祈っています。

そして、これからも熊本県キッズサッカー協議会は、子どもたちに笑顔を与えられる存在でありたいです。

ー最後に、読者の方に向けてメッセージをお願いします。

仲道:まずは熊本県にキッズサッカー協議会があることを知っていただけるだけでも、大変嬉しく感じます。

幼い子どもたちが夢に向かってボールを追いかける姿は、誰が見ても本当に素晴らしいものです。

ほかの地域の方で、もし熊本県キッズサッカー協議会で参考にしたいと感じる部分がございましたら、ぜひ取り入れて実践していただきたいと思っています。

本日は貴重なお話をありがとうございました!


■取材協力:熊本県キッズサッカー協議会

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

Ameba塾探し 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。