子どもに対して、「スポーツを通じて、心と体を育んでもらいたい」と考える保護者の方は多いはず。
そのように考えるなら、テニス競技がおすすめかもしれません。
テニスは、運動能力の向上はもちろんのこと、礼儀やマナー、コミュニケーション力も身につけることができる競技。
そこで今回は、子どもたちにテニスの楽しさを伝えながら、人間育成やグローバルな人材を育てているNPO法人「スポーツ&エデュケーション長崎」代表理事の福田 律子さんにお話を伺いました。
活動内容や、テニスの魅力などについてたっぷりお聞きしたので、スポーツを通して心身の成長をしてほしいと願う保護者の方は、ぜひご一読ください。
テニスを通して世界とつながるNPO法人「スポーツ&エデュケーション長崎」とは
ー本日はよろしくお願いいたします。まずは、NPO法人「スポーツ&エデュケーション長崎」の活動内容や、設立経緯について教えてください。
福田 律子さん(以下、福田):NPO法人「スポーツ&エデュケーション長崎」は、ジュニア向けのテニススクールを中心に活動しています。
また、テニスの普及活動と、テニスを通してアメリカや中国の方々との国際交流事業もおこなっています。
設立経緯としては、私の夫である福田正流が、2010年にジュニア向けのテニスサークルを立ち上げたことがきっかけで、そこから2017年にNPO法人スポーツ&エデュケーション長崎を設立しました。
夫はもともと、あるテニスクラブで20年ほどコーチとして働いていたんですね。
しかしあるとき、そのテニスクラブが閉鎖されてしまいました。
その後、夫は会社員に転向したのですが、以前テニスクラブで習っていた子どもたちがテニスの練習場所に困っていることを知ったんです。
そこで、ジュニア向けにテニスの練習場所を提供したいと思い立ち、テニスサークルをつくりボランティアで指導する活動をスタートさせました。
最初は人数もそこまで多くなかったのですが、テニスをやりたいという子どもが増えて、いつの間にか会社員との兼業で教えられる人数を超えてしまって。
それなら「本格的にテニススクールをつくろう」ということで、夫も勤めていた会社を退職し、テニススクールをメインで運営する法人を立ち上げることになりました。
その際、私たち家族が個人的に関わってきた、長崎市の姉妹都市であるアメリカ合衆国セントポール市との交流も一緒に事業としてやっていければと思い、現在のような事業構成になっています。
低年齢層向けの教育活動に尽力!子どもたちが楽しめるレッスンを
ースポーツ&エデュケーション長崎がおこなっている活動のなかで、特に力を入れているものはありますか?
福田:今力を入れているのは、低年齢層の子どもたち向けにおこなう、テニスを通じた教育活動です。
5歳から小学校2年生までの子どもを対象とした「リトルスター」というクラスには、現在10人ほど在籍していて、1回のレッスンに5~6人が参加します。
もちろん、テニスはしっかり指導しますが、それだけではなくて、リズムジャンプやビジョントレーニングなど、体を動かす遊びの要素も取り入れてレッスンをおこなっているんですよ。
1時間のレッスンのうち、半分はテニス以外の遊びをやるイメージです。
コーチを担当する夫に対しては、小さい子どもへの指導が本当に上手だといつも感心しているほど。「リトルスター」のクラスに在籍する子どもたちもいつも非常に楽しんでくれていると感じますね。
レッスン終わりには、「もう終わりなの?」と名残惜しそうに言って帰宅するくらいです。
子どもたちが「楽しかった」と言って笑顔で家に帰っていけるようなクラスにしたかったので、このレッスン内容は大成功じゃないでしょうか。
私たちのテニススクールを通じて、子どもたちそれぞれの個性を活かしながら、自分のことや、考えを表現できる力もつけてあげたいと思っています。
12月「ジュニアチャレンジテニス大会」を開催予定!無料体験も実施中!
ー入会方法や月謝ついて教えてください。
福田:まずは無料体験レッスンを受けてから、入会を決めていただいています。
ジュニアクラスは最大4回まで体験レッスンを受けることができ、初回は無料です。
残りの3回はキッズクラスが1回あたり500円、ジュニアクラスが1回あたり1,000円で受講できます。もちろん、無料体験後にそのまま入会することも可能です。
料金については、下記のとおりです。
入会金 | 5,000円(初回のみ) |
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年会費 | 1,000円(毎年9月) |
月謝 | キッズ:4,400円(週1~2回) 小学生(初級):5,500円(月4回) 小学生(上級):8,800円(月5回) 中学生以上:8,800円(月4回) 強化クラス:17,600円(月12回) |
ー今後、開催を予定しているイベントはありますか?
福田:12月に「ジュニアチャレンジテニス大会」を開催する予定です。
この大会は、低年齢層の子どもや、テニス経験の少ないプレーヤーを対象にしたテニス大会です。ボールは子ども向けの柔らかくて大きなボールを使用し、通常よりも小さいサイズのコートで試合をおこないます。
ただこの大会は、新型コロナウイルス感染症の状況次第で開催の有無を判断するため、開催できるかは未定です。
詳細は、公式ホームページからお問合せください。
伝えたい想いは、人間育成を含めた“テニスの面白さと醍醐味”
ー今後の展望についてお聞かせください。
福田:テニスの素晴らしさを多くの方に伝えていきたいと考えています。
テニスは世界中にプレーヤーがいるスポーツです。競技人口は、バスケットボールやサッカー、クリケットに続いて世界第4位を占めており、世界中に1億人以上のプレーヤーがいます。
そのため、テニスができれば、世界のどこに行っても、友だちや仲間をつくることができます。テニスは広い世界とつながれるスポーツなのです。
また、テニスは国境だけでなく、年齢や性別、障がいの有無も関係なく、多様な人と楽しむことができます。
パラリンピックで日本の車いすのテニス選手が活躍されていましたが、障がい者同士でプレーするだけでなく、障がいのある人もない人も、一緒になってプレーすることが可能なんです。
テニスを通じて、さまざまな背景を持つ人たちと自然に交流を深めながら、多様性についても学べるところがテニスのよいところ。だからこそ、テニスの素晴らしさがもっと広がればよいなと思いますね。
ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
福田:テニスはレッスンを通じて、子どもたちの心身を育てていくことができ、本当にさまざまなことが身につくスポーツです。
まず、子どもたちの運動能力の向上に大きな効果が期待できます。
相手から飛んでくるボールを追いかけて、決まったスペースにラケットで打ち返す。これら一連の動作は、さまざまな運動の要素を含んでおり、まだ成長途中の子どもたちにとってはとても難しいことなんですね。
だからこそ、身体のあらゆる機能が刺激され、育っていきます。
次に、礼儀とマナー、コミュニケーション力を身につけることができます。
テニスは、相手を尊重・尊敬し、プレイ後にはたたえ合う文化があり、マナーを重視するスポーツ。プレー中の選手も応援席にいる人も、常に礼儀正しさが求められます。
そしてテニスでのラリーの際には、相手を思いやったり、ダブルスであれば、チームメイトとの対話から、人とのコミュニケーションの取り方や、関わり方を実体験のなかから学んだりできます。
また、テニスは強い心を育てることにも役立ちます。
実は、ジュニアのテニスの試合には審判がいません。
多くの場合、選手自身が自分のコートの審判も務めなければならない。すると、今のプレーの結果は相手の得点なのか、自分の得点なのか、公平に判断しなくてはなりません。
さらに、ひとたび試合が始まれば、コーチや仲間からアドバイスはできないので、広いコートのなかで、自分ひとりで戦うことになります。
このように、テニスは子どもたちの心を育てるのにも適していて、あらゆるボーダーも飛び越えてプレーできるスポーツです。
テニスを通じてさまざまな人と知り合い、交流を深めることで、広い世界を知ることができます。
ぜひ、多くの方にテニスの面白さと醍醐味を知っていただきたいですね。テニスを始めたことで豊かな人生を送るきっかけとなったら、これほど嬉しいことはありません。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:NPO法人 スポーツ&エデュケーション長崎