毎日が予想外の出来事でいっぱいの育児。
「子どもにイライラして怒ってばかり」「うまくいかない自分を責めてしまう」
そんなあなたは「育児疲れ」の状態かもしれません。
今回は、「全国保育サービス協会」元理事の柴崎 方恵さんに監修いただき、育児疲れの原因や解消のコツ、育児に疲れたときに陥りやすい行動・思考を紹介します。
隠れた育児疲れに気づけるチェックリストも紹介するので、参考にしてみてください。
「Ameba塾探し」では、未就学児を含む子どもを育児中の方100人を対象に、育児についてのアンケートを実施しました。
育児に疲れたと感じたことがあるか、また具体的なエピソードなどについて調査したので、ぜひ最後までお読みください。
- 育児が疲れたと感じる場面はいつ?100人にアンケートを実施
- 育児が疲れたと感じる原因は?全国保育サービス協会の元理事が解説
- 自分の時間がない
- 常に緊張した状態が続く
- 予定をスケジュールに沿って進められない
- 周囲の理解や助けを得られない
- 育児・家事の頑張りが認められない
- 育児に疲れたときの対処法は?辛いときは8つのコツで育児疲れ解消
- ①自分の完璧主義に気づく
- ②家事や仕事の手を抜く
- ③子どもと離れてひとりの時間を持つ
- ④疲れたときこそ体を動かす
- ⑤気が済むまでしゃべる
- ⑥子育てを頑張る自分にご褒美をあげよう
- ⑦イライラする感情が抑えられないときはアンガーマネジメントを
- ⑧マインドフルネス
- 疲れたと感じていないあなたも「育児疲れ度」をチェックしてみよう!
- 育児に疲れたときによくあるNG行動&思考はコレ!
- 完璧主義思考になっている
- 自己嫌悪に陥ってしまう
- 他人と比較してしまう
- ひとりで背負ってしまいがち
- まとめ|育児疲れを感じたら早めの対策を
育児が疲れたと感じる場面はいつ?100人にアンケートを実施
まずは、6歳未満の子どもを育児中の方100人に、どういった場面で育児が疲れたと感じるか聞いてみました。
育児が疲れたと感じる場面は「睡眠不足のとき」と答えた方がもっとも多く、73%。夜泣きや授乳などで睡眠不足を感じる方が多いようです。
続いて多いのが「身体的に疲れているとき
(63%) 」、「自分の体調が悪いとき(62%)」と、毎日の育児で身体的に疲れる場面が多いことがうかがえます。
育児が疲れたと感じる原因は?全国保育サービス協会の元理事が解説
では、育児疲れを引き起こす要因を見ていきましょう。
どんなことが原因になるのか、自分に当てはまるものはないかを知ることで、対策につなげやすくなるはずです。
自分の時間がない
1日中子どもの対応に追われ、気づけば夜になっている……。
さらに、家事や仕事、育児を両立しようと頑張ると、自分のための時間はほとんどないという結果に。
自分の時間を持てない状態は息抜きができず、精神的に追い詰められる原因になります。
常に緊張した状態が続く
大人と違い、幼い子どもは何が危険なのか、行動の結果どうなるのか、自分で判断することができません。
「車が来るから道にいきなり飛び出してはいけない」「食べ物ではないから口に入れてはいけない」など、危険に気づくには大人の手助けが必要。
そのため、子どもから目が離せない状態がずっと続くことになります。
このように、毎日毎時間緊張して過ごすことは、精神的に大きな負担となり、育児疲れの原因となるでしょう。
予定をスケジュールに沿って進められない
子どもは突然熱を出したり、予定があるのに泣きやまなかったり、常に予想外。
大人のスケジュールなんてお構いなしに、次々と問題が起こります。
そして、子どもに合わせて対応しているうち、スケジュールはどんどん遅れていくことに。
「仕事や家庭の予定をきちんとこなすべき」と思っている人ほど、子どもの行動によりスケジュールが左右されると、ストレスを感じるでしょう。
周囲の理解や助けを得られない
家庭内で育児の役割が偏っていると負担も倍増。
特に相手が仕事などで忙しいと、育児の大変さを訴えても理解されないという場合があるでしょう。
また、親や親族などの協力を得られないことも、「大変なのに誰も分かってくれない」と抱え込んでしまう原因に。
「誰も理解してくれない」という気持ちを抱え込むのは、精神的に辛いものです。
育児・家事の頑張りが認められない
勉強や仕事と違い、頑張った成果がすぐに現れなかったり、目には見えにくかったりするのが子育てや家事。
つまり、「頑張っているのに周りから認められない」状況に陥りやすいといえます。
認めてもらえないのは誰しも辛いもの。
そのような状態が続けば、精神的に追い込まれる原因となるでしょう。
育児に疲れたときの対処法は?辛いときは8つのコツで育児疲れ解消
育児疲れに対処する8つのコツを紹介します。
自分に合ったものを見つけ、ぜひ実践してみてください。
①自分の完璧主義に気づく
完璧主義の人ほど育児疲れに陥りやすい傾向があります。
しかも、これまでの価値観から「すべてできることが当たり前」だと思い込んできたことで、自分の完璧主義を自覚していない場合も。
まずは育児だけでなく、家事や仕事についても、無意識に「完璧でなければならない」と思って行動していないか、自問自答してみてください。
自分の完璧主義に気づくことが、育児疲れ解消の第一歩といえるでしょう。
②家事や仕事の手を抜く
育児だけでなく、家事や仕事もこなさなければならない…。
「やるべきこと」が多いと、育児疲れを悪化させてしまいます。
そこで、家事や仕事で手を抜ける部分がないか、見直してみましょう。
時間の余白をつくることで、心に余裕ができるはず。
時間に追われていると感じる瞬間を減らせば、いつもよりゆっくりと子どもと向き合えるようになりますよ。
③子どもと離れてひとりの時間を持つ
託児所やベビーシッターなどのサービスを利用し、子どもと離れる時間を持つことも大切です。
なかには、「子どもを放っているみたいで罪悪感がある」と思う人もいるかもしれません。
しかし、自分だけの時間をつくることは決して悪いことではありません。
自分を追い詰め、その結果、子どもや家族に八つ当たりするほうが辛いはずです。
そうなる前に、意識してひとりになる時間をとり、ゆっくりと過ごすように心がけましょう。
お母さん、お父さんが元気でいることこそ、子どもにとっては何よりも大切なこと。
時間単位や、1日だけ子どもを預けられる託児サービスもあるので、チェックしてみてください。
④疲れたときこそ体を動かす
家のなかにずっといると、気分がうつうつとしてしまう原因に。
そんなときは、外を少し散歩したり、短時間でできるヨガや、ストレッチをしたりしてみましょう。
少しでも体を動かすと、前向きな気分になるもの。ちょっとしたことでリフレッシュはできます。
激しい運動である必要はありません。
コンビニに行くだけでもよいので、1日に1回は外出するように心がけてみてください。
⑤気が済むまでしゃべる
問題が解決するわけではないのに、話すことですっきりした経験はありませんか?
「自分の話を聞いてもらえた」という感覚は、それだけでうれしいものです。
育児の悩みも、気が済むまでしゃべってしまえば少し前向きにとらえられるかもしれません。
育児疲れを感じたときは、家族や友人などとおしゃべりをする時間をつくってみましょう。
⑥子育てを頑張る自分にご褒美をあげよう
ちょっとしたご褒美で次も頑張れることってありますよね。
子どもが何かできたら、褒めたり、おやつをあげたりするのと同じで、自分にもご褒美をあげましょう。
ご褒美は、買い物でも、映画やドラマをみる時間でも、なんでもOK。ときには頑張った自分をいたわってみてください。
⑦イライラする感情が抑えられないときはアンガーマネジメントを
自分の怒りの感情と向き合い、コントロールするのがアンガーマネジメント。
子どもの言動にイライラしてつい怒ってしまうという人は、「イラっとしたな」と思った瞬間から6秒間が鍵となります。
いつもなら、散らかっている部屋を見たとたん、「なんで片づけないの!」とすぐに怒鳴って後悔……。
そこで、たとえば散らかっている部屋を見てイラっとしたら、そこからの6秒間を自分が落ち着くように行動するのです。
この場合、6秒をただ数えるというよりも、深呼吸をしたり、好きなフレーズを唱えたり、イライラを落ち着かせるように行動することがポイント。
また、怒りを感じる原因として、大人の自分が考える「こうすべき!」という価値観を、子どもに押しつけている可能性もあります。
子どもが大人と同じように「~すべき」と考えて行動できるのか?と、冷静になってみましょう。
⑧マインドフルネス
過去の出来事や未来の不安ではなく、「今」に集中するマインドフルネス。
マインドフルネスの代表的なトレーニング法である瞑想は、育児のストレスが軽減するといわれています。
瞑想といっても、座禅のように長時間おこなうものでなくて大丈夫。
毎日数分でよいので、「吸う」「吐く」という呼吸に意識を向けて瞑想してみましょう。
最初はさまざまな考えが頭に浮かんできますが、無理に打ち消そうとせずに、その考えに気づき、また呼吸に意識を戻すようにします。
マインドフルネスを取り入れて、感情に飲み込まれずに過ごせる日々を目指しましょう。
疲れたと感じていないあなたも「育児疲れ度」をチェックしてみよう!
育児疲れは知らず知らずのうちに陥っている可能性も。
そこでチェックリストを使い、自分の「育児疲れ度」を把握するところから始めましょう。
チェックリストのなかで、3個以上当てはまったら育児疲れの予兆と考えてよいと思います。
チェックがついた場合は、疲れを和らげる工夫として、次に紹介する8つのコツを試してみてください。
ただし、チェックリストのほとんどに当てはまる、疲れが体調に出ているなどという場合には、早めに医療機関などの受診を検討しましょう。
育児に疲れたときによくあるNG行動&思考はコレ!
あなたが今とらわれている考えは、育児疲れが引き起こしているのかもしれません。
育児に疲れるとどのようなNG行動や思考に陥りやすいのか、順に見ていきましょう。
完璧主義思考になっている
先ほどの8つの対処法でも取り上げた完璧主義。
NG思考なのは、完璧を求めることでどんどん自分を追い込んでしまうこと。
しかし、そもそも育児に「完璧」なんてあるのでしょうか?
育児においては、自分を認めてあげてハードルを下げることが大切です。
「やらなければならない」と思い込んでいることが本当にマストなのか、落ち着いて考えてみましょう。
自己嫌悪に陥ってしまう
「子どもにイライラして怒鳴ってしまった」「また不機嫌な態度で接してしまった」
このように、余裕のなさからくる自分の行動をあとから考えては自己嫌悪に。
さらには、「自分は親として失格だ」と、自己嫌悪から自分否定につながってしまうことがあります。
自己嫌悪や自己否定は、育児疲れからくるNG思考!
NG思考に気づいたら、自分で自分を褒めてみましょう。
1日に起こったことすべてが、失敗したことばかりではないはず。
「今日もご飯をいっぱい食べてくれた」「テレビをみて一緒に笑った」など、小さなプラスの出来事に目を向ける習慣をつけましょう。
他人と比較してしまう
「あのお母さんは育児も仕事も両立できている。それに比べて自分は……」
他人と比較し、自分ができていない部分に落ち込むこともあるでしょう。
しかし、周りから見ると“育児も仕事も両立できている、あのお母さん”にも、その人にしかない悩みがあるのが事実。
逆に考えれば、自分の悩みや幸せは自分のものでしかないのです。
他人と比較する必要なんてありません。
誰かが羨ましくなったら、「育児疲れのNG思考のせいだ!」と考えましょう。
ひとりで背負ってしまいがち
「自分が何とかしなければならない」という強い思いが、さらに自分を追い込んでしまうことも。
このようにひとりで背負ってしまいがちな人は、育児疲れを悪化させてしまいます。
まずは、育児で悩んでいることを誰かに話してみましょう。
夫もしくは妻、自分の親などに、「自分は今悩んでいる」と伝えることが第一歩。
話す相手は家族でなくても、育児に同じ悩みを抱えているママ友でもよいですね。
まとめ|育児疲れを感じたら早めの対策を
この記事では、育児疲れの原因や対処法、育児疲れが引き起こすNG行動と思考を紹介しました。
育児に疲れたということは、それだけ育児に真剣に向き合っているから。
子どもと笑顔で過ごす日々のためにも、自分の育児疲れに気づき、早めに対策をしましょう。
【調査概要】
調査期間:2023年3月10日~2023年3月13日
調査機関:自社
調査対象:0~6歳(未就学児)の子どもがいる保護者100人
調査方法:インターネット(クラウドワークス)
調査内容:「育児の疲れ」に関するアンケート