もしかして育児ノイローゼ?不安になる原因やおすすめの対処法を紹介【小児科医監修】

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「子どもにすぐにイライラしてしまう」「憂鬱な気分が1日中続く」などといった育児の悩み。

「もしかしたら自分は育児ノイローゼかも…」と心配になっていませんか?

慣れない育児は戸惑いの連続で、子育てに行き詰まってしまいがち。育児ノイローゼは特別なものではなく、誰でもなる可能性があります。

この記事では、育児への不安を少しでも解消するため、たけつな小児科クリニックの竹綱 庸仁院長に、育児ノイローゼになる原因や不安になりやすい人の特徴をお聞きしました

具体的な対処法も紹介しますので、ぜひあなたにあった方法を見つけてくださいね。

  1. 育児ノイローゼとは?不安になる原因を小児科医・竹綱先生に聞いてみた
  2. 育児が不安…頑張りやさんのママにおすすめの対処法を紹介
    1. 完全母乳にこだわる?人工乳にもメリットがあります!
    2. 育児中にリラックスできるおすすめの方法
    3. 先輩ママがしていたストレス解消法を実践してみる
    4. パートナーにも家事や育児に参加してもらおう
    5. 頑張る自分に、たまにはご褒美をあげよう
  3. それでも育児の不安が解決できないときは、専門機関に相談しよう
竹綱 庸仁
この記事を監修した専門家
竹綱 庸仁

テラコヤプラス by Ameba 専門家

2004年、愛知医科大学医学部卒業。卒後、2年間の臨床研修を経て、小児科に入局。2009年に小児科専門医を取得後、小児の一次から三次医療に従事し、小児救急、小児神経、小児アレルギー、頭痛などの専門分野においても研鑽を積む。大学病院を退職後、奈良県の二次医療機関の小児科の立ち上げに携わると同時に、言語発達遅延を中心とした発達障害児へのサポートを開始。2018年にたけつな小児科クリニックを開業。培った経験を生かし、一般小児医療を中心に、食物アレルギーや熱性けいれん、てんかん、頭痛などの治療をおこない、軽症の救急患者も積極的に受け入れをおこなっている。2019年より病児保育室バンビを開室、2021年より児童発達支援施設を設立。

育児ノイローゼとは?不安になる原因を小児科医・竹綱先生に聞いてみた

女の子が母親に抱きついている画像

そもそも、育児ノイローゼの原因はなんなのでしょうか?

不安になる原因や、不安になりやすい人の特徴について、小児科医の竹綱 庸仁先生に伺ってみました。

竹綱 庸仁
「たけつな小児科クリニック」院長
育児ノイローゼの原因としては、出産後のホルモンの変化、出産後の育児環境、母親の性格、父親の育児に対する協力の有無など、複合的な要因が考えられます

また、出産が初めてか、そうでないかという点も重要な要素のひとつと考えられます。
坂本 菜緒
エディター
そうなのですね。育児ノイローゼかも…と、不安になりやすい人の特徴はありますか?
竹綱 庸仁
「たけつな小児科クリニック」院長
特徴としては、真面目な人、完璧主義な人、固定概念が強い人、初産の人、相談相手が少ない人でしょうか。

また、妊娠・出産にあたり、雑誌やネットなどで、さまざまな知識を取り入れている人も不安になりやすい傾向があります。

育児が不安…頑張りやさんのママにおすすめの対処法を紹介

育児ノイローゼの原因がわかったら、次に気になるのは対処法ですよね。

ここからは、「育児に不安を感じているけど、どうしたらいいの?」と疑問を持つ、頑張りやさんのママに向けて、育児の不安を解消する対処法をご紹介します。

できることから、少しずつ取り入れてみてください。

完全母乳にこだわる?人工乳にもメリットがあります!

母親が赤ちゃんを抱いている画像

栄養や母体の回復などの面から、完全母乳にこだわりたいという人も多いでしょう。

自分に負担のない範囲であれば完全母乳はよいことですが、もし上手くいかずに悩んでいるなら、人工乳を取り入れてみてはいかがでしょうか。

人工乳の主なメリットは、以下の4つが挙げられます。

  • 母乳が出ない・少ないママの精神的負担を減らせる
  • ママ以外でも授乳ができる
  • ママの体調が悪くても授乳できる
  • 赤ちゃんのミルクを飲んだ量がわかりやすい


このなかで一番のメリットは、ママ以外でも授乳ができること。

人工乳を使えば、パパやおじいちゃん、おばあちゃんにも育児に参加してもらうことができ、ママが休む時間を確保することができます。


とはいうものの、「人工乳は栄養が足りないのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれません。

人工乳の基本の成分と分量は、法律で「乳児用調製乳たる表示の許可基準」が定められており、栄養面ではまったく問題ないといえます。

赤ちゃんは人工乳だけでも十分育つので、安心してくださいね。

一方、人工乳のデメリットは、ミルク代がかかることと、ミルクをつくる手間がかかることが挙げられます。

このうち、ミルクをつくる手間については、液体タイプの人工乳を利用することで解決できます。

液体タイプなら哺乳瓶に注ぐだけで飲めるので、粉ミルクでつくるのが苦手な人でも簡単に授乳することが可能です。

もし母乳育児が上手くいっていないのなら、人工乳という選択肢も取り入れてみましょう

竹綱 庸仁
「たけつな小児科クリニック」院長
粉ミルクによる人工栄養は、母乳栄養より便秘傾向になりやすい場合もあるので、排便回数のチェックをしてあげるとよいでしょう。

私の子どもも完全人工乳での栄養で、生後から夜の哺乳は私が担当していました。

子どもは今13歳になりますが、大きな病気もなく、元気に過ごしていますよ!

育児中にリラックスできるおすすめの方法

母親と子供がシャボン玉で遊ぶ画像

育児によるストレスでイライラしてしまう人は、育児中にリラックスできる方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

すぐに生活に取り入れられる方法を2つご紹介します。

リラックスできる音楽を聴こう

イライラした気持ちを落ち着かせるために、リラックスできる音楽を聴きましょう。

子どもと一緒に聴く場合、リラックスしたいならクラシックやオルゴールなどのゆったりとした音楽、子どもと一緒に楽しみたいなら童謡がおすすめです。

また、子どもが寝ているときや、1日の終わりに聴くなら、あなたのお気に入りの音楽を聴いて育児ストレスを解消しましょう。

癒されたいなら、穏やかな曲やヒーリングミュージック。ストレス発散したいなら、明るい曲やアップテンポな曲がぴったりです。

音楽を選ぶときに重要なのは、自分が聴いてリラックスできること。もしクラシックが苦手なら無理して聴くのではなく、自分の感性にあった音楽を選んでくださいね。

竹綱 庸仁
「たけつな小児科クリニック」院長
ちなみに私はジブリが好きなので、ジブリの音楽でリラックスしています。

元気になりたいときは「トトロのエンディングの曲」、落ち着きたいときは、千と千尋の神隠しの「あの日の川」をよく聞いています。子どもと一緒に聴くのにもおすすめの曲です!

赤ちゃんと散歩や体操をして身体を動かそう

赤ちゃんと過ごしていると、身体を動かす機会が少なくなりがちですが、たまには赤ちゃんと一緒に身体を動かしてみましょう。

外出して赤ちゃんと一緒に散歩すれば、爽やかな空気で気分がリフレッシュされ、イライラもすっきり。

空や雲、道行く人など、外の世界は赤ちゃんにとっても新しい発見がたくさんあり、赤ちゃんとの会話が楽しめます。

また、昼間に日光を浴びることで昼夜の区別がつき、赤ちゃんの生活リズムがつきやすくなるメリットもあります

もし室内で身体を動かすのであれば、赤ちゃんと一緒にできる体操や、ヨガがおすすめ。

ママはリフレッシュできるうえに、赤ちゃんは運動能力の発達を促すことができ、両方にメリットがあるのが嬉しいポイントです。

竹綱 庸仁
「たけつな小児科クリニック」院長
特に散歩は、外的な刺激(匂い、音、色、気候など)が変化するため、固定概念が薄れることで、心身ともにリラックスできますよ。

先輩ママがしていたストレス解消法を実践してみる

育児ストレスは誰しもが通る道。先輩ママは、どのようにして乗り越えたのでしょうか?

先輩ママがおこなっていたストレス解消法をご紹介しますので、できることから実践してみてくださいね。

先輩ママのストレス解消法
  • 育児から離れてひとりになる時間をつくる
  • 完璧主義をやめて家事を手抜きする
  • 友人に不安を吐き出す
  • すべて完璧にできるわけがないと割り切る
子どもを塾や習い事に通わせて、ひとりの時間をつくるのもひとつの方法です。

テラコヤプラスでは、お住まいの駅や地域から塾・学習塾を探すことが可能。

たとえば、東京でたくさんの塾・学習塾がある、赤坂見附駅 塾・学習塾 ランキングや、世田谷区 塾・学習塾 ランキングなどから探してみてはいかがでしょうか?

パートナーにも家事や育児に参加してもらおう

子どもを抱いている父親を見ている母親の画像

もしひとりで家事や育児を抱え込んでいるのなら、パートナーにもできる範囲で参加してもらいましょう。

前述した人工乳なら男性でも授乳ができますし、オムツ替えや寝かしつけ、お風呂など、男性でもできることはたくさんあります

仮にパートナーの仕事が忙しくて育児への参加が難しければ、食器洗いや、洗濯などの家事を分担するだけでも負担が減ります。

また、パートナーの家事への参加が難しい場合は、自分やパートナーの両親に協力をしてもらうのもひとつの手。子育て経験者である両親なら、あなたの気持ちを理解してもらいやすいでしょう。

育児ノイローゼを避けるためには、ひとりですべてやろうとしないで、周囲の人に協力してもらうことが大切です。

竹綱 庸仁
「たけつな小児科クリニック」院長
夫としてパートナーを尊重する、夫が自主的に洗い物や洗濯、育児などに参加する環境をつくる、夫にしか話せないことを真剣に聞いて、夫婦で悩みを共有することがもっとも大事だと思います。

頑張る自分に、たまにはご褒美をあげよう

子どもが生まれるとすべてが子ども優先になってしまいますが、たまには頑張っている自分にご褒美をあげましょう!

子どもが寝たあとに大好きなスイーツを食べたり、欲しかった洋服を購入したりと、ちょっとした贅沢を味わえばストレス解消につながります。

ひとりでの外出が難しければ、ネットショッピングが便利。

また、パートナーが休みの日に子どもを預けて、ランチやショッピング、美容院などに出かけると気分転換にもなりますよ。

それでも育児の不安が解決できないときは、専門機関に相談しよう

専門機関に相談する女性の画像

ここまで、さまざまな対処法をご紹介しましたが、それでも育児に不安を感じる人は、専門機関に相談してみてください。

とくに、パートナーが協力的ではない場合や、周囲に頼る人がいない場合は、ひとりで頑張らずに第三者に頼りましょう。

専門家に相談することで、自分ではわからなかった問題点や対処法がわかり、不安が解消できることがあります。

育児への不安を相談できる専門機関(専門家)は、大きく分けて以下の3つです。

  • 小児科医
  • お住まいの自治体の子育て支援課
  • 助産師・保育士


「心療内科などの病院にかかるのは、周囲の目が気になる」という人でも、小児科医や助産師、保育士なら相談しやすいのではないでしょうか。

また、お住まいの自治体の子育て相談窓口に問い合わせると、育児支援ヘルパーや、一時的な子どもの預かりなど、その地域で実施されている情報が得られます

育児は思い通りにならないことも多く、育児への不安やストレスは誰にでもあるもの。

ひとりで完璧な育児を目指さず、この記事で紹介した対処法を参考に、解決の糸口を見つけてみてくださいね。

竹綱 庸仁
「たけつな小児科クリニック」院長
ひとりで抱え込まないことが大事です。小児科の先生や、保健師さん、助産師さんも相談にのってくれるので、不安があれば相談してみましょう。
坂本 菜緒
この記事を執筆した執筆者
坂本 菜緒

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

ピアノ、体操、フィギュアスケートなどの習い事を掛け持ちしつつ、小学3年生から進学塾に通う。高校受験で山手学院高等学校に進学。その後、大学受験で東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻に入学。同校の大学院美術研究科を修了し、美術と工芸の専修免許状を所持。2012年から東京都公立小学校にて勤務。2018年5月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。2021年3月から「テラコヤプラス by Ameba」にてエディターとして従事し、保護者の方やお子様にとって、目的にあった最適な習い事に出会える記事作りを目指しています。