みなさん、英語の勉強はすすんでいますか?
さまざまな教科の勉強や部活動などもあり、英語だけにたくさんの時間を割くことは難しいですね。
しかし、英語にはほかの教科とちょっとだけ違った勉強方法があります。
今回は、コーチング教室「MCA 達成&成功コーチング」の代表を務める英語・英会話講師の福田 美智江さんに監修いただき、英語の勉強方法のコツを紹介します。
英語が苦手な人はぜひ参考にしてみてくださいね!
英語は努力が必要な教科!苦手意識を持たないことが大切
まず、言語学者・教育学者で南カリフォルニア大学名誉教授のスティーヴン・クラッシェン氏はこう述べています。
これはつまり裏を返せば、モチベーションや自尊心がなく、不安だらけの子どもや人に英語(言語)を長年教えても話せるようにはならないということ。
そのため、「目的」「成功体験」「楽しさ」を持たせることで、苦手意識を拭い去ることができます。
また、能動的な学びになりやすいので「ある程度の努力」もそんなに苦にならずに済むうえ、継続する力にもなります。
簡単なレベルからでよいので、自分に合った適切なレベルで少しずつ続けていくことが大事。
英語は言語。伝えたいことがあるから必要なのです。
自分の伝えたいことが相手に伝わることが最優先であり、多少の文法の違いがあっても気にしない大らかさが言語習得の近道といえるでしょう。
また、英語学習で大事なのは、インプット3に対してアウトプット7の割合で毎日おこなうこと。
この努力を習慣化していくと、ラクに努力ができるようになります。
自分のライフスタイルに合わせて長続きする工夫が大事ですよ!
英語の基本的な勉強方法の3つのコツ
英語の勉強方法がわからない方や、今の勉強方法に限界を感じているという方におすすめな、基本的な勉強方法のコツをお教えします。
まずは、英語・英会話のプロである福田さん流、英語の勉強方法のコツを3つ紹介。ぜひチェックしてみてくださいね!
上記を意識してみると、英語の勉強がしやすくなることでしょう。
英語学習で大切なことは、何度も英語に触れて慣れること。
たとえば、毎日会う友だちとはどんどん親しくなっていきますよね。英語も、毎日何度も触れることで親近感が湧いてくるものです。
では、ここからは、そんな英語に毎日触れる勉強方法のコツを紹介していきます!
①1日30分は必ず英語を勉強する時間をつくろう
毎日英語に触れるために、1日最低30分は英語の勉強をしましょう。
「30分で何ができるの?」と思うかもしれません。
しかし、英語日記を1行書く、単語帳に目を通す、スマートフォンの英語学習アプリに目を通すなど、短時間でできる学習がたくさんあります。
まずは、毎日30分必ず英語を勉強すると決めて、実行してみましょう。
②隙間時間を活用した勉強を取り入れて効率的に勉強しよう
英語学習の特徴のひとつは、必ずしも机に向かわなくてよいこと。
通学中のバスや電車のなか、入浴中など、
英語学習はちょっとした隙間時間でできるのです。
隙間時間に集中して勉強し、1日に何度も同じ箇所を復習することで、記憶に残りやすくなりますよ!
スマートフォンを上手に活用すれば、隙間時間を効果的に使えますね。
スマートフォンに英語に関するアプリをダウンロードする
英語の勉強を毎日続けるためには、気軽に始められることが大切です。
スマートフォンアプリなら、アプリを立ち上げるだけで準備完了。時間のあるときにいつでも英語学習ができますね!
無料でも内容が充実している、おすすめのアプリをいくつか紹介しましょう。
Duolingo
リスニングや英会話をゲームのように楽しみながら勉強できるアプリ。英単語の発音や文法事項も、自然と身につきます。
このアプリで34時間ほど勉強すると、大学1学期分の外国語授業に匹敵するともいわれています。
▶Duolingo
Learn English 英文法(イギリス英語版)
英文法 学校で習う英文法問題を網羅したアプリ。入門から上級まで、あらゆるレベルに対応しています。
解答方法も、並び替え、入力式、解答式などあり、まるで試験問題のように使えることでしょう。
▶Learn English
POLYGLOTS
好きな分野のニュースでリーディング学習ができるアプリ。有料部分もありますが、無料コンテンツだけで十分勉強できます。
読むスピードをコントロールできるので、自分のペースで勉強を進めていきましょう。
▶POLYGLOTS
③数分程度の英語を繰り返し聞こう
リスニングが上達するコツは、同じ音声を何度も聞くこと。聞いているうちに、抑揚や単語の発音などを聞き取れるようになります。
音声の意味や文章構成の確認もしながら、効率よく勉強していきましょう。
リスニングは、次のような順序で進めていくことがおすすめです。
スクリプトや字幕を見ながら聞く
まず、教材はスクリプトや字幕があるものにしましょう。目で文章を追うことができるので、音声の意味を理解しやすくなります。
英文法で習った5文型に当てはめて、文の構成を把握することも大切です。
ディクテーションをする
「ディクテーション」とは、聞き取った音声を文字で書いてみる練習方法です。
慣れないうちはディクテーションは難しいもの。はじめのうちは、知っている単語が聞き取れない、簡単な文章なのに書けない、などの経験をして落胆するかもしれません。
ディクテーションの大きな目的は、読む英語と聞く英語の違いを知ること。聞き取れないときは、その原因を探ってみることが大切です。
単語や文法を知らなかったのであれば、勉強をしてから再び聞いてみましょう。
学習してから聞いてみると、前回より比べ物にならないくらい聞き取りやすくなっているはずです。
このように、ディクテーションの学習方法は、「聞く→勉強する→聞く」の繰り返し。
ディクテーションなら、隙間時間でも効率よく勉強できます。
知らない単語の確認をする
英語の音声を聞いていると、知らない単語を耳にすること、ありますよね?
「いまなんて言った?」と慌てて辞書を引いてしまいがちですが、通常の会話中は辞書を引いている時間なんてありません。
辞書を引く前に、文章の前後の意味から推測してみることが大切。
想像力を働かせて、「こんな意味じゃないかな」と類推し、確認してみましょう。
類推した後に辞書を引くことで、その単語の印象が深く残り、記憶もしやすくなります。
シャドーイングをする
シャドーイングとは、スクリプトを見ずに音声を聞きながら、その英語を真似て発音する練習方法。
はじめて聞く音声を、一度で完璧にシャドーイングすることは難しいでしょう。
まず、何度も音声を聞いて、単語の意味や文章全体の構成を理解します。
文章を把握できたら、再び聞きながら声に出して発音してみてください。
声に出すことで英語独特の抑揚やリズムを把握できるほか、英語の語順で意味を理解できるようになります。
バスや電車の車内や学校では、声に出すことができないかもしれません。
そんなときは、頭のなかに文字を思い浮かべるだけでもシャドーイング効果が得られますよ!
慣れてきたら、複文や重文を使った複雑な文章や、スピードをあげた音声にも挑戦してみましょう。
日本のニュースを英語で視聴しよう
ある程度のボリュームや会話スピードに慣れてきたら、テレビやYouTubeを使って勉強することも効果的です。
テレビニュースの2ヶ国語放送や、YouTubeで海外メディアが発信する日本関連のニュースを英語で聞いてみましょう。
YouTubeなら動画の再生速度を変えられるので、自分のレベルに合わせて勉強を進められます。
中学生必見!種類別に英語の勉強方法を徹底解説
英語は、中学2年生までに苦手になる人が多いといわれています。
しかし、「英語に慣れる」ことを意識して勉強を続けられれば、いつのまにか苦手意識がなくなっていきます。
ここでは、種類別に英語の勉強方法を紹介。英語の勉強方法に悩んでいる中学生はぜひチェックしてみてくださいね!
【英単語】を効率よく覚える方法
英単語を一度見ただけで覚えられる人はあまりいないのではないでしょうか。
英単語を覚える場合にも、やはり「何度も見る」「繰り返し覚える」ことが大切です。
ここでは「英単語を効率よく覚えるコツ」を解説します。とその前に、福田さんおすすめの、英単語を効率的な覚え方を紹介!
いろいろな「物」を使って覚えることで、英単語を覚えやすくなるようですね!
それでは、上記のほかに英単語を効率よく覚える方法をまとめたので、見ていきましょう。
1日10単語覚えるより、1日50単語に目を通す
1日10個ずつ記憶しても、5日目にははじめの10個のほとんどを忘れているのではないでしょうか。
英単語を覚えるためには、毎日10単語の暗記を5日間積み上げるよりも50単語を5日間頻繁に見返すほうが効果的です。
コツは、やはり何度も見返すこと。繰り返し見返すことで、印象に残った単語を記憶できます。
記憶に残った単語にはチェックを入れて、次回から見返すリストからはずしていきましょう。
記憶に残りにくい単語を頻繁に目にすることになるので、脳に記憶される単語がどんどん増えていきますよ!
インプットとアウトプットを活用
英単語をただ暗記しただけでは、いつかその単語を忘れていくことでしょう。
記憶するには、暗記などのインプットだけでなく、アウトプットも大切。
英単語の記憶を確実なものにするためには、英作文をつくってみる、単語を使って会話してみる、などのアウトプットが欠かせません。
ビジュアル化して覚える
文字情報だけではあまり印象に残らず、記憶することは難しいもの。
しかし、イラストやマンガでビジュアル化されていると覚えやすいですよね。英単語でも同じことがいえます。
名詞であれば単語帳にその絵を描いてみたり、動詞や助動詞ならその様子をイメージにしてみましょう。
そうすることで、英単語を直感的に理解できるようになります。
接頭語・接尾語・語源と関連づける
接頭語・接尾語とは、単語の前方や後方に付いて補足的な意味を表す単語の要素のこと。
頻繁に使われる接頭語・接尾語を覚えておけば、単語の意味を類推する手助けになります。
たとえば、borderlessという単語には、-lessという接尾語がついています。-lessは「ない」という意味。
borderは「境界」という意味なので、borderlessで「境界のない」という単語になります。
また、自転車を意味するbicycleという単語には、biという接頭語がついています。
このbiは「2つ」という意味です。
cycleとはギリシャ語でcircle(輪)という意味なので、bicycleは「2つの輪=自転車」という単語になったのです。
cycleのように語源を知っていると、より暗記しやすいですね!
【文法問題】の対策方法
スポーツの場合、ルールだけ勉強しても覚えにくいですよね。ルールを効率よく覚えるには、実際にプレイするのが一番。
英文法も、文法事項を記憶するのでなく問題集を使って実践的に使い方をマスターしていきましょう。
では具体的に、どのような手順で対策をしていけばよいかを紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね!
まずは文法事項をインプットしよう
まずは、文法事項を理解して使えるようにするインプットをしていきましょう。
たとえば「動名詞は、動詞の原形+ing」や「受動態は、能動態の動詞をbe+過去分詞に変える」など。
英文法は覚えることがたくさんありますが、ひとつずつ理解を深めていきましょう。
インプットした知識を定着させる
インプットした文法の知識を定着させるためには、実践的な問題集を解くことがおすすめ。
しかし、たくさんの問題集を買い込んで解く必要はありません。
まずは1冊の問題集を完璧に理解し、解けるようになってください。
問題集1冊をマスターしていれば、学校の定期試験でかなりの高得点が狙えることでしょう。
最後にアウトプットをしよう
文法を理解し問題集が解けるようになったら、実践的な受験問題を解いてみましょう。
多くの人たちが受験問題が難しく感じるのは、英文法の知識が整理されていないため。学校の定期試験も受験問題も、英文法の基礎は一緒です。
英文法でのアウトプットとは、勉強した英文法知識を整理して必要なときに的確に取り出せること。
解けなかった受験問題が教科書や参考書のどの部分から出題されたのか、ひとつずつ確認して整理してみましょう。
【長文読解力】を鍛える方法
ここでは、英語の長文読解力を鍛えるコツを紹介していきます。
はじめから一文一文を正確に読みこなす必要はありません。これから解説する内容に沿って長文読解をマスターしましょう!
文章全体の構成を理解する
長文読解の文章にはテーマがあり、特に受験英語で頻出の論説文はひとつのテーマに沿って段落が構成されています。
長文読解では、この全体のテーマと構成を理解したうえで段落ごとの内容を理解していくことが大切。
ディスコースマーカーに注目して段落を把握する
段落ごとの内容を理解するには、ディスコースマーカーに注目しましょう。
ディスコースマーカーとは、段落のはじめに使われる「結果」「対比」「例」などを表す言葉のこと。
具体的には、「therefore」「but」「However」「for example」などの語があります。
たとえば、thereforeは「したがって」という意味。この語で始まる段落は、前の段落を受けて内容をまとめているのだということがわかります。
また、butは「しかし」という意味。この語で始まれば、前の段落と逆のことを述べようとしていることがわかります。
ディスコースマーカーに印を付けながら読めば、長文の流れを理解しやすくなりますよ!
知らない単語は類推する
全体の流れを理解したら、段落ごとの内容を読み込んでいきます。
知らない単語が出てきたとき、すぐに辞書をひかずにまずは文章の前後の繋がりから意味を類推。
実際に類推してみると、ある程度正しく理解できる単語が多いものです。
自分なりに類推したあとに、辞書を引くようにしましょう。
ちなみに、辞書とは引くものではなく、読むもの。ただ単語の意味を確認するだけでなく、派生する意味や例文までしっかりと読みましょう。
辞書を読む癖をつけることで、次第に語彙力や読解力がついていきますよ!
普段から音読する
長文読解を含めた英語全般のスキルを高めるためには、音読は欠かせません。
音読を習慣づけることにより、英文構造が瞬時に把握でき、日本語を介さずに英文を理解できるようになります。
長文を読むために必須なスキルが、音読で身につくことでしょう。
【英作文】の記述力を養う方法
英作文が苦手な人が多いのではないでしょうか。
ここからは、英作文の記述力を身につける方法を解説していきます。
福田さんのアドバイスも参考にしながら、実践してみてくださいね!
英文法への理解を深める
英文法は暗記するのではなく、理解することが大切。
英語の文章は、基本の5つの文型からできています。この5つの文型を理解して使えるようになれば、英作文もこの型にはめて書けるようになります。
頻繁に英作文を書く~英語日記を書いてみよう
英作文に慣れるには、書く機会を増やさなければなりません。そのためには、毎日英語で日記を書いてみることがおすすめ。
英語で日記を書くというと、ハードルが高そうに聞こえるかもしれません。
コツは、はじめのうちは簡単な単文を毎日書くこと。
簡単な文章から実践してみましょう。
英語に触れる時間を増やすつもりで書くことを習慣にするのがコツ。書くことが習慣化されると、次第に書きたいことが増えていきます。
また、自然と英語で文章がつくれるようになるので、英語が楽しくなりますね!
【リスニング】の勉強方法
リスニングの勉強方法には、多聴と精聴があります。
多聴とは、ある程度まとまった会話や音声を聞きながら、全体を理解することを目的とした勉強法。
一方の精聴は、話している音声を正確に聞き取ることを目的としています。
特にシャドーイングは同時通訳者のトレーニングにも使われており、高い効果がありますよ!
また、福田さんにもおすすめの勉強方法をアドバイスいただきました。
おすすめできない英語の勉強方法3選
聞く・読む・話す・書くのどれかに偏った勉強方法
英語は、生活のなかで実際に使われるコミュニケーションツール。
リスニング・リーディング・スピーキング・ライティングの4つの技能を、必要に応じて使わけなければなりません。
勉強方法も同じ。手で書く、目で文字を追う、声に出して発音する、自分の話す英語の声を聞く。
五感をフル活用することでどんどん得意になっていきますよ!
英語を聞き流すだけの勉強方法
先述したように、多聴という学習方法があります。しかし、この学習方法は、初心者にはおすすめしていません。
英文法や単語をしっかり理解できない状態で聞き流していては、その意味を理解できないからです。
まずは単語や熟語、文法の知識を十分に蓄えて、自分が聞き取れるレベルの教材からリスニングを学習しましょう。
たくさんの教材で中途半端に学習する勉強方法
これはどの科目にも共通することですが、参考書や問題集は1冊だけに決めることが大切。
これと決めた参考書や問題集をボロボロになるまで繰り返しましょう。
英語学習は、地道な努力が必要なため、すぐには勉強の効果が実感できません。
英語が上達した実感がないと、「この参考書じゃだめだ」「友人の問題集がよさそう」と目移りしてしまいがちです。
しかし、市販の参考書や問題集で1冊で学習内容が不足しているものはありません。
参考書や問題集を集中して使えば、必ず実力はついてきますよ!
一つひとつの単語を和訳したり意味を理解しようとする勉強方法
英語は決して「英語を日本語に訳す能力」ではありません。単語一つひとつの日本語訳はひとまず置いておき、英語を使えるようになることを意識しましょう。
日本語と英語の表現方法や思考形式は大きく異なります。
冗長なうえに、主観的になりがちな言語である日本語とは対照的に、シンプルかつ冗長な表現が少なく、客観性にも気をつけられているのが英語。
英単語1つとってもいろいろな意味があり、すべてを知らないと不便なこともあります。とはいえ全部を覚えるのは簡単なことではありません。
単語の日本語訳やその言葉を理解するのもよいですが、感覚で学んでいくのも大切です。
まとめ
今回は、英語の勉強方法を紹介しました!英語学習の基本的なコツをおさらいすると…
毎日学習を続けていれば、遅くとも半年過ぎた頃には、「前より英語好きになっている」と実感するときが来るでしょう。
焦らずコツコツと勉強を続けていきましょうね!