子どもの成長とともに気になってくるのが習い事。
将来を考え、我が子にどんな習い事をさせればよいか悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、インターナショナルな環境で自然に英語に触れることのできるスポーツクラブ、NPO法人「エバーグリーンスポーツジャパン」にインタビュー。
自身の海外生活から得た想いなど、グローバルな人材育成について、コーチをつとめる松村 崇史さんにお話を伺いました。
「広い世界にはばたいてほしい」「可能性を広げて国際的に活躍してほしい」と考えている保護者の方は、ぜひご一読ください。
スポーツを通じて世界へ!NPO法人「エバーグリーンスポーツジャパン」とは
ー本日はよろしくお願いいたします。まず初めに、NPO法人「エバーグリーンスポーツジャパン」の設立経緯や、活動内容について教えてください。
松村 崇史さん(以下、松村):NPO法人「エバーグリーンスポーツジャパン」は、主に子どもたちのサッカースクールの運営や、サッカーのコーチングをメインに、国際的に活躍できる人材を育成するためのさまざまなプログラムを提供しています。
以前は「ウィナーズジャパン」という名称で活動をしていました。
「ウィナーズ(WYNRS)」というのは、ニュージーランドでサッカースクールを運営している団体ですが、そのウィナーズの理念に感銘を受けて、我々の仲間がウィナーズジャパンを立ち上げたんですね。その後、名称を変更して、エバーグリーンスポーツジャパンとなりました。
ウィナーズジャパンのころから活動内容は大きく変わっておらず、我々の最大の特徴である人間性の成長を促す「ライフスキル」を大切にしたプログラムを提供しています。
「ライフスキル」とは、「協力する、最後まで諦めない、相手をリスペクトする」といった事柄で、これらはすべてサッカーを通じて学ぶことができます。
サッカーとインターナショナルな環境で“生きた学び”を!
ーエバーグリーンスポーツジャパンがおこなっている、活動プログラムについて詳しくお聞かせください。
松村:はい。まずは、アフタースクールプログラムという、放課後のスクール活動をおこなっています。
このプログラムでは、幼稚園や、小学校の放課後に、日本語および英語でサッカーのコーチングをおこなっていて、当スクールのメインとなる活動になっています。
エバーグリーンスポーツジャパンの特徴は、日本語と英語、両方を使ったコーチングなので、スクールもその二種類があるんですよ。
英語を使ったスクールは、東京都渋谷区にあるインターナショナルスクール、ブリティッシュ・スクール・イン・東京(BST)の生徒さんたちをメインに運営。
日本語のスクールは、湘南地区の二宮町にある幼稚園の園児さんや、卒園生をメインに運営しています。
また、保護者の方からの要望を受け、日本語のスクールでも月1回程度、英語でのコーチングを取り入れています。
私を含め、コーチングスタッフには海外経験者が揃っているので、日本語でも英語でも指導できるのが当スクールの強みですね。
もちろん、英語のスクールに日本の小学校に通っているお子さまが参加することも可能です。
日本で生活していると、生きた英語に触れたり、そういった環境に身をおくのはなかなか難しいものですよね。
しかし、当スクールに通っているインターナショナルスクールの子どもたちは基本的に会話も英語がメイン。このように一緒にサッカーを通して交流できる環境は非常に珍しいのではないかな、と思っております。
ー英語を使った環境と聞くとハードルが高そうですが、スポーツだとコミュニケーションが取りやすいといった利点もあるのでしょうか?
松村:そうですね。塾で英語を勉強するのとは違い、からだを動かしながらのコミュニケーションなので習得しやすいというのは利点ではないでしょうか。
それに、英語でも日本語でもサッカーのルールは変わりませんから。
また、日本の英語教育ではアウトプットの機会がまだ少ないので、海外の子どもたちと一緒にプレーをするなかで、英語を使わざるを得ない状況があるというのは、英語学習においても非常に有効だと感じています。
たとえば、「ボールをこっちに渡して!」と要求することや、「ナイスゴール!」と味方を褒めることは、いずれもアウトプットです。
このように英語でやりとりをすることは、“生きた学び”といえるのではないかと思います。
ーほかにはどのような活動プログラムがありますか?
松村:ほかには、ホリデープログラムという学校の長期休暇を利用して、集中型のトレーニングをするプログラムがあります。
たとえば、年齢に応じてですが、通常のスクールが1時間のところ、ホリデープログラムでは2時間のプログラムとなります。
こちらは、英語スクールや日本語スクールに登録していないお子さまも、みなさんご参加いただけるプログラムなので、参加したいという方はどなたでも大歓迎です。
このプログラムは、基本的には英語でコーチングをするので、夏休みの短期集中英語プログラムとしてお使いいただいてもいいかなと思います。
あとは、リクエストから生まれたバースデープログラム。
このプログラムは、お子さまの誕生日会を考えている親御さんからの「子どもがサッカーが大好きだから、友だちを集めてサッカーパーティーをしてほしい」という声から始まりました。
こちらはお問い合わせをいただいてからプログラムを組む“完全オーダー制”で、日時や内容について、ニーズに応えるようにプラニングします。
「サッカーのスキルを上げるためにみっちりやってください」というケースや、「とにかく友だちと楽しくゲーム大会をして盛り上げてください」というケースなどがあり、そうしたリクエストの内容に合わせて臨機応変に対応しているんです。
基本的には、主役の子(誕生日のお子さま)が楽しく1日過ごせるようなプログラムにすることを念頭に置いています。
ーコロナ禍でも、屋外のプログラムであれば、保護者の方も安心してお子さまのお誕生日をお祝いできますね。
松村:このコロナ禍においては、室内で密になるのではなく、オープンエアな環境で、感染防止をしっかりしながらイベントをおこなえる、というのはひとつのメリットだと思っています。
けれども、以前からさまざまな要望にはこたえていて、たとえば雨が降りそうなら屋内の施設を探したり、天気がよさそうなら屋外の施設で気持ちよく過ごしたりなどしていました。
とにかく“子どもたちを楽しませる”というのが当スクールの基本スタンスなので、そのために保護者の方とも協力しながら、ときにはサプライズを入れてみるなど、工夫して1日楽しんでもらっています。
長期休暇限定のプログラムや各種スクールも再開予定!
ー今後、開催を予定しているイベントがあれば教えてください。
松村:夏休みが終わったので、9月からスクールを各種再開し、10月以降、おそらく12月の冬休みあたりでホリデープログラムもおこなう予定です。
具体的なスケジュールに関してはまだ調整中ですが、決定次第、公式ホームページで随時お知らせしたいと考えています。
また、東京オリンピック・パラリンピックも無事に閉幕したので、英語スクールで使用していた、代々木フットサルコートも11月より再開する予定です。ぜひ楽しみにしていてください。
海外に目を向けるきっかけづくりから“グローバルな人材育成”
ー今後の展望についてお聞かせください。
松村:今後は、外国の子どもたちとの交流を今以上に活性化して、グローバルな人材の育成に寄与していきたいと考えています。
そのため、もっと日本の子どもたちが英語に触れる機会を提供していきたいですね。
また、今後の大きな目標としては、事業を拡大することも視野に入れています。
大学や地域と連携して、スポーツだけではなく、地域課題にも取り組めるような団体にしていきたいので、今はその動きを加速させているところです。
ー最後に、読者の方に向けてメッセージをお願いいたします。
松村:私自身、海外に出るまで日本のことしか知りませんでした。
そして、日本の生活しか知らない自分が世界に出て、海外で生活することにより、改めて日本の素晴らしさを認識することができたんですね。
海外生活のなかで感じたのは、小さいときから海外に目を向けて、海外に触れる環境があったら、もっと未来が変わっていたのではないかということ。
そういった小さいときの環境で、日本だけの視野ではなく、世界を視野に入れた大人になり、もっと素晴らしい人生が送れるんじゃないかと思いました。
こうしたことを踏まえて、当スクールは、これからの世代の子どもたちや、その親御さんたちに人間形成について伝えていき、グローバルな目線を持った人材を育てていきたいと思っています。
さらに、グローバルな視点が身につけば、地域課題にも目を向けることができると思うんです。
世界に目を向けることによって、日本をより素晴らしい国にしていく、自らの人生をより素晴らしいものにしていく、そうした未来に繋がっていくと信じています。
当スクールで、楽しくサッカーをしていきながら、そんな海外に目を向けるきっかけづくりのお手伝いができたら嬉しいです。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:NPO法人 エバーグリーンスポーツジャパン