不登校やひきこもりの子どもを持つ保護者の方は、「これからどうしていけばいいんだろう」「何が駄目だったんだろう」と、悩みが尽きないことでしょう。
しかし、悩んでいるのは子どもも同じはず。何かのきっかけさえあれば、やりたいこと、行きたい場所、そしてなりたい職業が見つかるのではないでしょうか。
「キズキ共育塾」と「家庭教師キズキ家学」は、不登校の子どもと保護者の方を強力にサポートする塾・家庭教師です。
今回は、キズキグループ 広報マネージャーの阿部 真璃奈(あべ まりな)さん、「キズキ共育塾」学習教室事業部マネージャーの樺 浩美(かんば ひろみ)さん、「家庭教師キズキ家学」教育コンサルタントの稲穂 燿 (いなほ あきら)さんの3人に、各サービスの詳しい内容を伺いました。
不登校やひきこもりの子どもを持つ保護者の方は、ぜひご一読ください。
不登校だった代表自身の経験から設立
ー本日はよろしくお願いします。早速ですが、「キズキ共育塾」「家庭教師キズキ家学」はどのような塾・家庭教師なのでしょうか。
阿部 真璃奈さん(以下、阿部):「キズキ共育塾」は、何らかの理由で学校に通えなくなったけれど、「もう一度勉強したい」という方向けの個別指導塾です。
不登校、中退、ひきこもりを経験された方が多いのですが、学生だけでなく社会人の方も通われていますね。
当塾では、過去に自身が不登校やひきこもり、鬱などの経験をしたスタッフも働いています。
一方の「家庭教師キズキ家学」は、不登校の子どもを専門とした家庭教師の事業で、2021年4月から始めた新しいサービスです。
「キズキ共育塾」とターゲットは似ていますが、「家庭教師キズキ家学」は、外出が困難だったり、部屋からも出られない生徒のサポートも想定しているんですよ。
もちろん勉強も教えますが、まずは生徒の心を開くために趣味の話や雑談をしたり、一緒に外出をすることで少しずつ前進させることを重視していますね。
ー「キズキ共育塾」「家庭教師キズキ家学」が設立に至るまでの経緯を教えてください。
阿部:キズキグループ代表の安田祐輔自身が、もともと不登校やひきこもりを経験していました。
安田は自身の経験から、「同じような挫折を経験した人に対してサービスを提供したい」という思いがあり、不登校の子どもや中退した方のための塾を開くことになったんですよ。
キズキグループでは、“何度でもやり直せる社会をつくる”というビジョンを掲げています。
今の日本はまだ、不登校を経験したり学校を中退するだけで、再びみんなと同じレールに乗って進むのが難しい社会なのではないでしょうか。
しかし、「学び」というきっかけがあることで、またみんなと同じレールに乗ることはできますよね。
実際、代表の安田もその経験をしており、そういう思いがあったからこそ、何度でもやり直せる社会をつくっていきたいという気持ちで塾と家庭教師を運営しています。
子どもの状態に応じてコースが選べる
ー「キズキ共育塾」「家庭教師キズキ家学」が展開している3つのコースについてお聞きします。
まず1つ目に、「キズキ共育塾」の「通塾コース」とはどのような内容のコースなのでしょうか?
樺 浩美さん(以下、樺):「通塾コース」は家に訪問するのではなく、子どもが塾へ直接来て、そこで1対1のマンツーマンの授業をおこなうサービスです。
そのときによって講師が変わるのではなく、基本的に1名の講師が1名の生徒さんを、最後まで責任を持って担当します。
というのも、気持ちが不安定な状態でもなんとか通い始めようと思ってくれたのに、やっと講師とよい関係が築けたと思ったら講師が変わってしまうのでは、子どものモチベーションが低下してしまうんですよ。
そういった状態を避けつつ、子どもがもっとも力を発揮できる環境を整えたいという意味も込めて、担当制で1対1の授業を進めています。
ー続いて、「家庭教師キズキ家学」の「スタディパートナーコース」について教えてください。
稲穂 燿さん(以下、稲穂):「家庭教師キズキ家学」では、ご紹介する講師のことを「スタディパートナー」と呼んでいます。
そのスタディパートナーがお家へ伺い、コミュニケーション・学習・外出の3つの支援をおこなうのが「スタディパートナーコース」ですね。
スタディパートナーは、当塾の研修をしっかり受けた現役の大学生が担当するため、生徒と年齢が近いこともあり、趣味など共通の話題で盛り上がりやすいというメリットがあります。
ー最後に、「家庭教師キズキ家学」の 「カウンセリングコース」について教えてください。
稲穂:「カウンセリングコース」を使っていただくケースは、大きく分けて2つあります。
1つ目のケースは、“まだ直接訪問できる段階ではない状態のご家庭”です。この場合はまず、弊社のコンサルタントと保護者の方で話し合うことになりますね。
その話し合いのなかで、子どもが訪問を受け入れてくれる下地をつくるためのアドバイスをおこないます。
2つ目のケースは、“子ども自身が今の状況に対して問題意識を持っていて、相談したい悩みなどがある状態”です。
その場合は、コンサルタントと子どもが直接やり取りすることもあるんですよ。
ー「スタディパートナーコース」「カウンセリングコース」には、「単発カウンセリング」「外出同行」という共通オプションがありますが、どのような内容なのでしょうか?
稲穂:「単発カウンセリング」は、「カウンセリングコース」を頼むほどではないけれど、ちょっと相談に乗って欲しいときにご利用いただいています。
「外出同行」は、基本的に「スタディパートナーコース」とセットでご利用いただくオプションですね。
1人では出かけられない子どもが、「どこかに行ってみたい」という状況になったときには、「外出同行」をご案内して、スタディパートナーが同行します。
ー「キズキ共育塾」の、授業のこだわりについて教えてください。
樺:当塾では、まず入塾という入り口の部分で丁寧に寄り添ってお話をしていくことが、メンタルのケアにおいて大切だと考えているんですよ。
私も、実際に子どもが入塾する際の面談を担当していたことがあるのですが、次の行動に対して強い不安を抱えている方が多いと感じています。
そういった状態の生徒たちにとって一番大事なのは、最初の1歩目を踏み出せるかどうかです。
ただ、1歩目から2歩目、3歩目とつないでいくには、やはり担当の講師のサポートが重要なんですね。
そのため、講師と上手く連携して、子どもが自分の力で歩き出せるようになるまで伴走していくという考え方でやっています。
学習に関しては、ブランクの期間やブランク前の状態も含め、まずはカウンセリングをしていくことを重視しています。
学習に関しても、「できた」と自信をつけさせる指導がやはり有効です。自己肯定感を高めることを、メンタル面・学習面の両方でしっかり意識しています。
また、「受験に特化したコースはできないか?」という要望を受けて、今年8月から新しく受験を目指す方向けのコースをつくりました。
難関大学の受験をサポートするコースも新設したので、難関大学を目指している方もご安心ください。
ー「家庭教師キズキ家学」の授業では、どのような点にこだわっているのでしょうか?
稲穂:「家庭教師キズキ家学」では、コミュニケーションの時間や一緒にゲームで遊ぶ時間も、授業の一環だと捉えています。
なかには、“机に座ってテキストを開いてペンを持つ”という学習のスタイルが「本当につらい、苦痛だ」という子どももいます。
その場合はソファーでくつろぎながら、YouTubeで学習用の動画を観て勉強への抵抗感をやわらげたり、散歩をしながら歴史の話をすることもあります。
このように、勉強に対する考え方を徐々に変えていくこともこだわりの1つですね。
柔軟性に富んだ講師を採用
ー「キズキ共育塾」「家庭教師キズキ家学」の講師についてお聞きかせください。
稲穂:「家庭教師キズキ家学」は、お子さんとできるだけ年の近く、共通の趣味を通して親しみやすい講師が多く在籍しています。
相手の立場に立ち気持ちを理解できる、柔軟性に富んだ人物の採用に重きを置いています。
樺:「キズキ共育塾」の講師の特徴に関しては、「家庭教師キズキ家学」とほぼ同様です。
1点だけ違うのが、講師の年齢の幅ですね。大学生の講師から、70代の講師も在籍していたことがあります。
幅広い年齢の講師陣から、自分に合う講師を見つけていただきたいですね。
ー無料相談や体験入学について教えてください。
稲穂:「家庭教師キズキ家学」では、Zoomや電話、あるいは直接ご来社いただき、子どもの現在の状態や不登校になってしまった経緯などについて、無料相談としてお話を伺うところから始めるんですよ。
そこで、子どもについてしっかりヒアリングしてから最適な講師を選考し、その講師に個別の研修教育をおこなった上でご紹介します。
そして、その講師をご紹介してからが体験授業となります。まずは講師と弊社の職員の2名体制で、ご家庭へお伺いします。
講師と子どもが交流しているところを職員と保護者の方が見学し、今後の計画や方針を決めて、そこから授業と訪問支援がスタートする流れになりますね。
樺:「キズキ共育塾」の無料相談の進め方は「家庭教師キズキ家学」と一緒で、生徒の今の気持ちの状態もあわせて、学習の状態を確認することがあります。
もしその場で解消できるような学習の悩みなら、一緒に方法を考えたり、入塾した後の計画を立てます。
体験入学については、正確にはクーリングオフの期間を伸ばすことで対応していますね。
クーリングオフには、通常8日までという期限がありますが、当塾ではその具体的な日数を設けていません。
1回授業を受けてしっかり考えて判断していただきたいので、1回目の授業が終わってから2回目が始まる前日までに言っていただければ、解約可能です。
その期間を、体験入学のような感覚でお試しになっていただけたらと思っています。
「またやり直そう」と思える場所を目指して
ー今後の展望についてお聞かせください。
稲穂:子ども一人ひとりが感じている悩みや、向き不向きなことは本当にさまざまです。そこで、自分が悪い意味で「特別」だとか、「自分には能力がないんだ」など思ってほしくありません。
そういった悩みを持っている方にとって、今の状態が本当につらいことを、何の抵抗もなく人に打ち明けられるような状態が理想だと感じます。
そういった意味で、 「家庭教師キズキ家学」 では、どんな子どもであっても、“悩んでいることや感じていることを、抵抗なく話してもらえるような関係”を目指していきたいと思っていますね。
実際に不登校の子どもがいる家庭環境や親子関係を見ていくと、その家庭の状態にも課題を感じていらっしゃることが多いんですよ。
そのため、子ども・保護者・我々でしっかり連携を取り、支援を広げていきたいと考えています。
樺:ちょうど今、「キズキ共育塾」でもさまざまな方に向けてのコースをつくっているところです。
というのも、気持ちをわかってくれる人がいる場所に行きたいという方、それから発達障害などの特性を抱えていて、なかなか合う場所が見つからないという方も多くいらっしゃいます。
そういった方のためにも、「ここだったら大丈夫。やり直せる」と思っていただけるような場所にしたいと考えています。
1度や2度くらい、上手くいかなくなることは誰でもあります。そして、その後でもやり直しができるのは、なんら特別なことではありません。
いつでも誰でも、当たり前にやり直せる世界に変わっていけるように、「キズキ共育塾」がその出発点になれればと願っています。
ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
稲穂:子どもにも保護者の方にもいろいろな悩みがあると思いますが、それらは、誰もがいつ感じてもおかしくない当たり前の悩みなのです。
私たちを含めて、気軽に相談できる場所はたくさんありますので、ぜひそういったところを頼ってください。
樺:どんな状態でも「キズキ共育塾」でならやり直せます。大丈夫です。
実際にやってみるかどうか、1歩目を踏み出すかどうかといった先のことは置いておいて、まずはご相談ください。
悩んだらとにかくここへいらして、そしてお話をして、これからどうするのかを一緒に考えるだけでもお手伝いできたらと思います。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:
家庭教師キズキ家学
キズキ共育塾