自分でバイオリンを作って、作ったバイオリンを弾いて楽しめる、そんな教室があるのをご存知でしょうか?
「キットバイオリン」では、子どもでも簡単な組み立てキットを使って、自分だけのバイオリン製作ができるんです。
今回は、「キットバイオリン」を主宰されている中井 里(なかい さとし)さんに、指導内容や教室の魅力についてお話を伺いました。
「キットバイオリン」主宰の中井 里さんにインタビュー
まずは「キットバイオリン」を主宰する中井 里さんのインタビューからご紹介します。
自分で作ったバイオリンで楽しく弾いてもらいたい
ーはじめに、バイオリン製作教室の「キットバイオリン」を開かれたきっかけを教えてください。
中井 里さん(以下、中井):当初は、バイオリンだけを作る「バイオリン製作家」の道を目指して、製作学校に入って勉強していたんですが、その道1本で食べていくことがなかなか難しく、専業でやることをあきらめたんです。
僕は大人になってからバイオリンを始めたんですが、バイオリンに対する敷居がけっこう高いなと感じていたんですね。
ー確かに敷居の高さは感じますね。
中井:そうなんですよ。敷居の高さというか違和感を持ちながらバイオリン製作をおこなっていくうちに、自分が持っている能力や技能、知識を活かしながら、皆さんに喜んでもらえることはなんだろう?と考えていくなかで、バイオリンの工作教室を思い付きました。
それがこの教室をスタートしたきっかけですね。
ー初心者でもバイオリンを作ることができる独自のキットについて、こだわった点などお聞かせください。
中井:世の中を探せば、数は少ないながらも「バイオリンキット」は存在します。最初は既存の製作キットを使おうとしましたが、いざ中身を見てみると、なかなかクオリティに満足できなかったり、自分はここをこうしたいけど反映されてないとか、いろいろ気になる点が出てきました。
それで、じゃあキットを独自開発しよう!ということになり、開発をはじめました。
バイオリンにはクリティカルな部分があり、ある部分が1mm違うと楽器として使えない、クオリティが下がる、という面があります。
楽器としてのクオリティを保ちながら、どこの部分を工作してもらったらいいか、そのバランスのところがけっこう難しかったですね。
作ったバイオリンで楽しく弾いてもらいたいので、ある程度のフォローというかサポートをキットのなかに盛り込むというのがこだわった点です。
バイオリンの製作が1日でできる
ー工作コースを「半日」と「1日」、2つのコースにした理由を教えてください。
中井:バイオリンに対する敷居を下げたい、もっと身近にしたいという想いがあったので、一般的には数カ月から1年以上かかるバイオリン製作を思い切って1日でできるような工作教室にしようと考えて、「1日コース」と「半日コース」を設定しました。
ー授業をおこなう上で、大切にされていることはありますか?
中井:クイズを出すように問いかけるようにしています。なぜここはこうなっているの?どう思う?と聞くと、子どもたちは考えたり、感じ取ろうとします。
また音大生の方にバイオリンを演奏してもらい、間近で生の音を聴く機会を設けています。
材料や演奏など、普段なかなか見れない、ここじゃないと見れないものを体験して、有意義な時間を過ごして楽しんでもらいたいと思っています。
ーこちらの教室で子どもたちが学べることについても教えてください。
中井:バイオリンを弾いているお子さんは、バイオリンのことをより知りたいと思っています。
そういうお子さんは、ここに来ることでバイオリンの構造や、どういう風に出来上がっていくのか、音が出る仕組みなどを学んでいただけると思います。
ですが、それ以上に、ここに来ることでバイオリンに限らず、お子さんが興味を持てるものを提示したいなと思っています。
たとえば、バイオリンを弾いたことがないお子さんが「バイオリンに興味を持ったからやってみたい」、バイオリンを習っているお子さんが「もっともっとバイオリンが好きになって練習を頑張りたい」とか、そういう場が提供できるように少しずつ努力しています。
少しでも興味を持ったら、ぜひ体験を
ーバイオリンを習っていないお子さんでも大丈夫ですか?
中井:もちろん大丈夫です。教室に来られる方は、だいたい半分ぐらいがバイオリンを弾いたことがない方です。
楽しく作っていただいて、ここでの体験がきっかけでバイオリンを始めた、興味が出てきた、そういう方がいらっしゃるので、すごくありがたいと思いますね。
ーバイオリン製作に向いている人はいますか?また、どんな方にこのバイオリン教室に来ていただきたいですか?
中井:そういう意味では、特段こういった方が向いているというのはないですね。
お子さん大人に限らず、いろんな人に自分の可能性や楽しさを感じていただけるために教室を開いてますので、少しでも興味を持った方に来ていただきたいです。
―本日は貴重なお話をありがとうございました!
「キットバイオリン」では、組み立てたバイオリンで葉加瀬太郎さんの曲でおなじみの「情熱大陸」を弾き比べた動画を公開しています。こちらもぜひご覧ください。
子どもと「キットバイオリン」に参加した保護者にインタビュー
続いて、「キットバイオリン」に参加した保護者の方とお子さんへのインタビューをご紹介します。
―バイオリンを作る教室って珍しいと思いますが、この教室をどうやって見つけられましたか?
保護者Aさん:夏休みの自由研究に、娘が習っているバイオリンでもう少し別の角度から学びがあるといいなと思っていまして、バイオリンでいろいろ検索していたら、たまたまこの教室に巡り会うことできました。
保護者Bさん:妻がネットで見つけて、面白そうだなと思って申し込みをしました。
―実際に作られてみていかがでしたか?
保護者Aさん:いつも触れている楽器ではありますが、より身近にいろんなことを感じることができました。
保護者Bさん:作っている段階が面白いですね。子どもも興味が出てくれるかなと思います。
―作ってみてどうでした?
子どもAさん:ペグの出ているところを切るのが難しかったです。
保護者Aさん:こちらでの製作のあと、バイオリンの修繕の工房を見学させてもらう予定がありまして、バイオリンのことをより深く知るということを研究材料にしたいなと思っています。
―お子さんはバイオリンを習われてるんですか?
保護者Bさん:はい、習い始めて3ヵ月くらいです。妻がバイオリンをしていましたが、私は見るだけでしたので。
―作ったバイオリンを実際に弾いてみたり、演奏を聴いてみていかがでした?
保護者Bさん:すごいですよね、生で聴いて感動しました。しかも作ったバイオリンから音が出てきてたので、圧倒されちゃいました。
―本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
実際のレッスンの様子を知りたい方はAmeba塾探しの公式YouTubeをチェック!
「キットバイオリン」の詳細や製作の様子は、Ameba塾探しの公式YouTubeで公開しています。ぜひチェックしてみてくださいね!
「キットバイオリン」の料金や場所はこちら
「キットバイオリン」の「バイオリン工作教室」には、小さいお子さんも参加できる「半日コース」と、大人の方を対象にした「1日コース」があります。
「1日コース」では、親子での共同工作も可能!いずれのコースもバイオリン未経験でも大丈夫です。
さらに、作ったバイオリンを持って「ニス塗り教室」に参加すれば、ニスの塗り方を学んだり、仲間と楽しくニスを塗って素敵なバイオリンに仕上げることもできますよ。
詳しく知りたい方は、こちらからお問い合わせしてみてください!
■取材協力:キットバイオリン