「子どもに習いごとをさせたいけれど、子ども自身が何をしたいのかがわからない」「子どもが得意なものがわからない」など、そのように考える保護者の方もいるのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、子ども向けのスポーツスクールを運営するNPO法人「LIG(リグ)アカデミー」です。
福岡県飯塚市にある「LIGアカデミー」では、さまざまなスポーツを体験することで子どもの運動能力やコミュニケーション能力を鍛え、子どもの好きなスポーツや得意なスポーツを発見することができます。
今回は、「LIGアカデミー」代表の大谷 翼(おおたに つばさ)さんに、具体的な活動内容や目的などについて詳しくお話を伺いました。
「子どもにお気に入りのスポーツを見つけてほしい」と考えている保護者の方は、ぜひご一読ください。
さまざまなスポーツで子どもたちの可能性を広げる
ー本日はよろしくお願いいたします。はじめに、
NPO法人「LIGアカデミー」の設立経緯や概要について教えてください。
大谷 翼さん(以下、大谷): 「LIGアカデミー」を立ち上げた一番の理由は、「子どもたちの習いごとの在り方を変革したい」という思いがあったからです。
往来の習いごとといえば、“野球を選んだら野球を極める”などひとつの競技に特化して学ばなければいけないようなイメージがありますよね。
しかし、たとえば「月曜日はサッカー、火曜日は野球、水曜日はダンス…」というように、毎回種類が異なるスポーツを学べる習いごともあってもよいのではないかと思い、2020年に「LIGアカデミー」を立ち上げました。
「LIGアカデミー」では、子ども向けにさまざまなスポーツスクールを運営しており、 現在は「LIGスクール」と「コーディネーションスクール」をメインとした各種スクールがあります。
楽しく学んで運動能力を向上させる
ー
「LIGスクール」と「コーディネーションスクール」について、詳しく教えてください。
大谷:まず「LIGスクール」は、サッカーやバスケットボールなどのスポーツと、鬼ごっこなどのレクリエーションの双方を取り入れ、遊びながら運動のスキルを学べるプログラムです。
「走る」「投げる」などの基礎的な動きをメインに、体力と運動能力の向上を目指します。
また、最近では、ゲームやタブレットといった電子機器やインターネットの普及、公園の数が減るなどのさまざま理由で、子どもたちが外に出る機会が減ってきているのではないでしょうか。
そこで、子どもたちの運動不足を解消して運動能力を向上させるために、「コーディネーションスクール」をつくりました。
「コーディネーションスクール」は、神経系に視点を置いたトレーニング方法で運動能力を高めること(=コーディネーション)を目的としたプログラムです。
それから、
コーディネーションスクールの幼児版ともいえる、4〜6歳を対象とした「幼児スクール」も用意しています。
身体を動かすことの楽しさを体感してもらいながら、運動神経の向上を目指します。
ー「LIGスクール」と「コーディネーションスクール」のほかには、どのようなスクールがあるのでしょうか?
大谷:ほかには、私自身がもともとサッカーの指導者をしていたこともあり、「サッカースクール」を運営しています。
「LIGアカデミー」の「サッカースクール」は、楽しくサッカーをしながら技術を伸ばすことを意識しています。
生徒一人ひとりのレベルに応じたフィードバックをおこなうことで、効率よく上達することができるんですよ。
“心の成長”を大事にするサッカーチーム
ー「サッカースクール」とは別に運営されているサッカーチームについてもお聞かせください。
大谷:「LIGアカデミー」のサッカーチーム
「ジュニア(FC立岩)」は、年長〜小学6年生までの子どもたちが所属しています。
中学生向けの「ジュニアユース」は、2022年より始動予定です。
指導方針としては、「これをしろ、あれをしろ」とこちらから指示するのではなく、たとえば“試合で勝つためにはどうするべきか”などを、生徒自身で考えてもらうようにしていますね。
サッカーチームの本質は、「サッカースクール」と同様に、楽しみながら競技と自分のからだに対する理解を深めることがねらいにありますが、一番大事にしているのは子どもの “心の成長”です。
「サッカースクール」に比べてサッカーチームは練習時間が長いため、サッカーを通して子どもたちの人間的な心をじっくりと成長させられると思っています。
また、心の成長はサッカーの実力にも反映されるため、「LIGアカデミー」のチームは、飯塚市内の少年サッカーチームのなかでよい成績を収めています。
私たちは、子どもたちの心を成長させる活動をメインに置きつつ、全国大会に出たり、プロのサッカー選手の輩出も目指しているんですよ。
多くの人が関わり合えるスポーツイベントを用意
ー今後、開催予定のイベントがあれば教えてください。
大谷:新型コロナウイルスの感染拡大状況をうかがいながらではありますが、スポーツを通して多くの人が関わり合える「個サル(個人参加型フットサル)」などのイベントを用意しています。
個サルは、参加したメンバーで即席のチームを作るため初対面の方とも協力する必要があり、子どもたちのコミュニケーションを鍛えることができるんです。
なお、「LIGアカデミー」の各種スクール活動やサッカーチームの練習については無料体験も受け付けてますので、興味をもっていただけた場合はぜひ公式サイトからお申込みください。
子どもへの教育が地域活性化につながると信じて
ー今後の展望についてお聞かせください。
大谷:私たちの活動は、「子どもたちのために何ができるのか」という考えが軸になっており、今後も子どもたちに役立つさまざまなことに取り組むつもりです。
子どもたちのためにすでに実施している例として、2021年2月から「カフィスバー」という飲食店を運営しています。
「カフィスバー」は、子どもたちが宿題をしたり、 保護者の方が、子どもたちや教育について話し合えるコミュニティスペースとして使ってもらえるようオープンしました。
また、「LIGアカデミー」の設立理由でもある「子どもたちの習いごとの在り方を変革したい」という目標は、今後も変わらず追い続けていきたいと思います。
さまざまな種類のスポーツという、たくさんの選択肢から自分の好きものや得意なものを選べるようになる教育環境を、「LIGアカデミー」でつくっていきたいですね。
ー最後に、読者の方に向けてメッセージをお願いいたします。
大谷:飯塚市という地域を活性化するにあたって、「大型ショッピングモールを建てる」「観光スポットをつくる」などの活動もよいと思います。
しかし、本当の意味での地域活性化には、子どもたちの教育が欠かせないのではないでしょうか。
飯塚市を“よい教育が受けられる地域”にすることで、子どもたちは大人になったときに「飯塚市に恩返しをするため、飯塚市で働きたい」「飯塚市で子育てをしたい」と、自然と飯塚市に戻ってきて還元してくれる流れこそが、本当の地域活性化につながると思っています。
だからこそ、大人は子どもたちの教育のために全力で動いてほしい、真剣にお金を使ってほしいのです。いわば投資ですね。
この記事を読まれている保護者の方々も、ぜひ子どもの教育のために、真剣に習いごとを考えてあげてみてはいかがでしょうか。
ー本日は貴重なお話をありがとうございました。
■取材協力:NPO法人 LIGアカデミー