宇宙の楽しみ方を伝え続ける!NPO法人「小さな天文学者の会」の“出前授業”とは

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地球のすぐそばに広がり、身近でありながら、今も解明されていないことの多い宇宙。

夜空の美しさとともにその謎の多さに惹かれ、知的好奇心をくすぐられた経験のある方も多いのではないでしょうか。

山形大学を拠点とするNPO法人「小さな天文学者の会」は、そのような宇宙の楽しみ方を広く伝えるために活動しています

今回は、「小さな天文学者の会」の理事長を務める中森 健之(なかもり たけし)さんに、お話を伺いました。

宇宙や星空が好きなお子さんや、我が子にはものごとのさまざまな見方を宇宙から学ばせたいと考えている保護者の方は、ぜひご一読ください。

  1. 宇宙をとおして“Happyの2乗の法則”を届ける
  2. 星空案内のガイドができる「星空案内人」が取得可能
  3. コロナ禍でも“出前授業”を積極的に実施中! 
  4. 一歩一歩着実に、宇宙の楽しみ方を広めていく

宇宙をとおして“Happyの2乗の法則”を届ける

やまがた天文台

ー本日はよろしくお願いいたします。まず、「小さな天文学者の会」はどのような団体なのでしょうか?

中森 健之さん(以下、中森):「小さな天文学者の会」は、宇宙の楽しみ方、面白さを広くお伝えするためにつくられた団体です。

今も昔も、宇宙は人を惹きつける魅力的な対象であり、幅広い年代の方が、「宇宙のことをもっと知りたい」と思っているのではないでしょうか。

そんな方々に、宇宙に関するちょっとした知識をお届けすることで、宇宙の楽しみ方を伝授したいと思っております。

しかし、大事なのはそこからで、宇宙の楽しみ方を知った方には、宇宙の面白さを、ほかの方にも語り伝えていただきたいのです。

なぜなら、伝えられた方は、宇宙に興味をもって“ハッピー”な気持ちになり、伝えたほうも楽しさを共有することで、同じくハッピーになれるからです。

そのような、“ハッピーの2乗の法則”をねらって活動しているんですよ。

そのため、同じ趣味の方が集まる同好会とは少し方向性が異なり、「宇宙を一緒に楽しむ仲間をつくっていこう」「輪を広げていこう」というのが、当団体の基本方針です。

星空案内のガイドができる「星空案内人」が取得可能

星空案内人のツアー

ー宇宙の面白さを伝えるために、どのような活動をおこなっているのでしょうか?

中森:活動拠点は、山形市近郊と首都圏がメインです。

毎週土曜日には、山形大学の屋上にある“やまがた天文台”を一般公開しているんですよ。

そこでは、“星空案内人”と呼ばれるガイドがついて、星空の楽しみ方をツアー形式でお伝えしています

今は新型コロナウイルスの影響で活動を休止していますが、落ち着いたら再開する予定ですね。

ー“星空案内人”について詳しく教えてください。

中森: みなさんに、星空や宇宙について教える“星空案内人”は、全国に広がりつつある資格認定制度です。

別称で“星のソムリエⓇ”とも呼ばれていて、星空についてガイドできる人物を育成することも事業の一貫と考え、スタートしました。

星空案内人(星のソムリエⓇ)の資格は、座学と実習のカリキュラムを終えることで取得できます。

資格を取得した方は、観光地などで星空案内のガイドツアーをおこなったり、スキルを磨いて、科学館やプラネタリウムなどの仕事に従事するなど、さまざまな場で活躍することができるのです。

※星のソムリエ®は、星空案内人資格認定制度運営機構が管理・運用する商標です。

コロナ禍でも“出前授業”を積極的に実施中! 

出前授業

ーほかにはどのような活動をしていますか?

中森:“出前授業”というのもおこなっています。

出前授業とは、学校、公民館、子ども会、お友だちの少人数グループなどから依頼を受けた場合に、星空案内人を派遣し、「星空案内ガイドツアー」や「四次元宇宙シアター」などを提供する活動です。

「星空案内ガイドツアー」は、先ほどお話した、星空案内人によるガイドツアーですね。

「四次元宇宙シアター」は、膨大な宇宙を体感できるフルカラーの立体映像シアターです。

観測データに基づいて精密につくられた映像なので、3Dメガネをかけて観ると、とても迫力があるんですよ。

映像とは思えないほどリアリティがあるため、目の前に見える星に向かって手を伸ばすお子さんもいますね。

四次元宇宙シアターでは、そのようなリアリティのある映像とともに、宇宙の科学的な話から、星にまつわる神話をお伝えします。

出前授業では、ほかに、手作り望遠鏡の作成や、宇宙や星空に関する授業なども実施しています。

出前授業2

ー「小さな天文学者の会」で開催予定のイベントがあれば教えてください。

中森:先ほどもお伝えしたように、新型コロナウイルスの影響により、活動拠点のひとつである“やまがた天文台”での活動は休止しています。

というのも、天文台のある山形大学が新型コロナウイルス対策として、外部団体への施設貸し出しを禁止しているため、天文台が原則利用できない状況にあるのです。

天文台を利用したイベントができないことは、私たちとしても歯がゆい限りなんですよ。

ただ、コロナ禍でもできることには最大限に取り組んでおり、出前事業をはじめとした外部からの依頼には、積極的にお応えし続けています

私たちの活動に興味をもたれた方、宇宙や星空がお好きな方には、ぜひ出前授業をご依頼いただきたいですね。

一歩一歩着実に、宇宙の楽しみ方を広めていく

授業風景

ー「小さな天文学者の会」の今後の展望などがあれば、教えてください。

中森:当団体は、設立から10年以上にわたり地道に活動している団体で、今後も堅実に取り組んでくつもりです。

10年以上続いている事業ということで、「宇宙の楽しみ方を広めていく」「宇宙が好きな仲間を増やしていく」というような、根本的な方針ややり方には大きな間違いはない、という自信があるんですよ。

そのため、方針の大きな変更や転換は予定していませんが、新型コロナウイルスの影響で休止してしまった活動からの復帰が、直近の課題だとは感じています。

私たちの活動には、どうしても人と人との接触が欠かせないので、たとえば接触の機会を減らせるようなしくみなどを開発していければと考えています。

また、デジタル機器を駆使した星空観察システムなどは、すでに全国的に開発が進められているため、当団体のシステムも、これからの時代に合わせて発展させていきたいですね。

とはいえ、基本方針自体は変わらず今までどおり、地道に、しかし着実に続けていくことを目標に据えていきたいと思います。

参加者が手を挙げている様子

ーありがとうございます。最後に、読者に向けてメッセージをお願いいたします。

中森:宇宙には多様な楽しみ方があります。

見て楽しむ、話を聞いて楽しむ、科学的に勉強して楽しむ…。楽しみ方の種類は人の数ほどあるのではないでしょうか。

当団体には、科学知識が豊富なスタッフ、望遠鏡などの機材の扱いに長けたスタッフ、天体の撮影が得意なスタッフなど、個々の特技を持つスタッフが在籍しています。

さらに、星座にまつわる物語を語るスタッフ、ダジャレを駆使して星空案内をするスタッフ、独自の工作作品で幅広い世代を楽しませるスタッフ、そして特別宇宙に詳しくはないけれど、一緒に宇宙と星空を楽しみたいスタッフなど、科学・技術の専門的知識のある人材だけでなく、多様な会員が多様な楽しみ方をしているのもポイントです。

そのため、宇宙のさまざまな楽しみ方をお届けすることができます。

少しでも宇宙や星空に興味がある方は、一度、「小さな天文学者の会」に遊びに来ていただけたら嬉しいですね。

きっと、いままでとは少し異なる視点から、宇宙の楽しみ方を共有できるはずです。みなさまとお会いできるのを楽しみにしています!

ー本日は興味深いお話をありがとうございました!

■取材協力:NPO法人 小さな天文学者の会

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