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自然を通して学ぶ「国立中央青少年交流の家」を取材!心揺さぶる体験を提供する活動とは

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子どものころに行ったキャンプや宿泊行事が、大人になっても思い出に残っているという人は多いのではないでしょうか。

今回ご紹介する「国立中央青少年交流の家」は、独立行政法人 国立青少年教育振興機構に属する28施設のうちのひとつ。

富士山のふもとの雄大な敷地でさまざまな体験活動を提供しているこの施設は、自然のなかで仲間との交流を深めながら、学びと成長を感じられる多彩なプログラムをおこなっています

そんな施設の事業内容や魅力などについて、「国立中央青少年交流の家」事業推進係(兼)企画指導専門職付の小林 昌博さんにお話を伺いました。

自分を変えるきっかけを探している方、子どもに成長できる体験をさせたいと考えている保護者の方は、ぜひご一読ください。

「国立中央青少年交流の家」の教育・研修支援を通した活動とは

子どもたちが木の周りで遊んでいる様子の画像

ー本日はよろしくお願いいたします。まず初めに、「国立中央青少年交流の家」がどのような活動をしている団体なのか教えてください。

小林 昌博さん(以下、小林):「国立中央青少年交流の家」は、文部科学省所轄の独立行政法人「国立青少年教育振興機構」の地方教育拠点のひとつです。「体験活動を通した青少年の自立」を目標として、青少年の健全育成に努めています。

当施設の活動の主な柱は「教育事業」と「研修支援事業」のふたつです。

教育事業は、さまざまな目的や目標に沿った2日〜1週間程度のプログラムを当施設が企画・実施しています。

研修支援事業では、小・中学校行事の自然教室や宿泊体験、地域のスポーツ少年団の合宿、ボーイ・ガールスカウトの自然体験などにおける活動の場を提供しているほか、一般団体(学校以外)の団体宿泊受け入れもおこなっています。

ー「国立中央青少年交流の家」はどのような経緯で設立されたのですか?

小林:もともと「国立中央青少年交流の家」の敷地は、米軍基地の交流の場として使用されていた「レクリエーションセンター」という施設だったんです。

その施設が日本へ返還されることになったとき、当時御殿場市に住み、米軍と地元民との交流に尽力されていた根上ツナさんという方が「富士山のもとに、世界平和を世界の青年に訴える場として国際的文化センターをつくりたい」と声をあげられました

その声は御殿場市長に届き、それから静岡県知事、さらには総理大臣にまで届きました。

そして昭和34年、皇太子殿下(現在の上皇夫妻)ご成婚記念事業の一環として、日本初の国立青少年教育施設となる「国立中央青年の家」が誕生したのです。

その後、名称を変え、「国立中央青少年交流の家」となりました。

日常から離れた体験を通して学ぶ “気づき” や “仲間との絆”

子どもたちがキャンプファイヤーをしている画像

ー主な活動である「教育事業」の内容について、詳しくお聞かせください。

小林:教育事業には、いろいろな目的や目標に沿った活動があり、対象も子どもから大人までさまざまです。

代表的な活動では、小学生対象のキャンプや家族キャンプのほか、最近増えている災害に目を向けた防災・減災を目的としたキャンプを実施していますよ。

ほかには、中・高生世代の探究的な学習の体得を目的とした「地域探究プログラム」があります。

これは、地域が抱えている課題を、自分ごととしてとらえて解決に向けた取り組みをおこなう体験活動です。

また、自然体験活動の指導者の養成、高校生や大学生、社会人対象のボランティアの養成などもおこなっており、事業内容はとても幅広くやっております。

ボランティア活動をしている若者の画像

ー続いて、もうひとつの活動の柱である「研修支援事業」の内容についてもお聞かせください。

小林:研修支援事業では、利用者自身が目的や思いをもって取り組む活動に対して支援をおこなっています

敷地内や周辺には、グループワークや共同生活を体験できる施設が充実しているんですよ。

仲間と課題を解決していくウォークラリーやオリエンテーリングをはじめ、子どもたちが自分で調理してみんなで同じ釜の飯を食べる野外炊事、仲間と親睦を深められる夜のキャンプファイヤーも人気です。

また、広い体育館やグラウンドもあるので、スポーツ少年団や部活動の合宿などの活動にも利用されています。

宿泊施設には400名以上泊まれるので、団体でのご利用も多いですね。

日帰りで学んで終わるのではなく、1泊2日、2泊3日…と仲間と夜も一緒に過ごして交流を深めて学べるのが利点といえるでしょう。

富士山が見える広場でたくさんの人が体操をしている画像

研修支援事業は、学校や少年団などの団体でないと利用できないと思われがちなのですが、宿泊は2名から可能で、家族でも気軽にご利用いただける施設になっています。

もちろん施設にはテレビはありませんし、Wi-Fi環境も整っていません。でも逆に、この環境がみんなでコミュニケーションをとる時間をもたせてくれます。

家族だけで泊まれる個室も完備しているほか、コロナ対策は徹底しているので安心して過ごせますよ。

富士山が近いのも当施設の魅力なので、富士山に登ったり、富士山周辺でハイキングをしたりと利用者が自然にふれて楽しめるプログラムはおすすめです。

子どもたちが山登りをしている画像

ーグループワークは子どもたちにとってどんな学びがあるのでしょうか?

小林:子どもたちが屋外で遊ぶことに制限が増えているなか、自然体験活動のなかで仲間と一緒にひとつのゴールに向かう経験は学校では得られない学びがあると思っています。

例えば、ウォークラリーやオリエンテーリングは、仲間との話し合いや協力なしにはクリアできませんよね。

そういった体験を通して、ここでの経験はコミュニケーションの大切さや仲間を思いやる気持ちなどを学ぶきっかけにもなり、子どもたちにとって大きな収穫を得ることができるのではないでしょうか。

また、4月や5月に当施設を利用される学校もありますが、その時期は新学年がスタートしたばかりで子どもたちもまだ緊張が解けていないころだと思います。

そのタイミングでの宿泊体験は気を遣うことも多いと思いますが、子どもたちも仲間づくりを期待して来ていると思うので、ここで過ごす時間が今後の学校生活を豊かにしてくれればと願いながら支援させていただいています。

仲間との体験はきっとかけがえのない思い出になるでしょうね!

静岡県御殿場市にある「国立中央青少年交流の家」は御殿場駅が最寄りで、周辺には塾・学習塾が充実。塾でもきっと素敵な仲間たちに出会えるでしょう。

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絶景の中、夕焼けを眺める子どもたちの画像

ーどんな子どもたちに「国立中央青少年交流の家」の教育事業を体験して欲しいですか?

小林:もちろん、どんな子どもでも大歓迎です。大切なことは、子どもの気持ちを尊重してあげられているか、だと考えています。

親にやらされたという印象が先行していると思い出には残らないので、保護者の方が子ども対象プログラムに興味をもたれたときは、まず子どもが行きたいかどうかを確認して参加させていただきたいです。

もちろん来れば絶対に楽しい体験はできますが、子どもが自分自身で興味をもったうえで来て欲しいと思っています。

ープログラムへの参加を機に、内向的だった子どもが積極的になるといった事例もあるのでしょうか?

小林:ありますね。これは北海道の施設での話ですが、不登校に近い男の子が1週間の長期キャンプに参加してくれたことがありました。

当時、参加者のなかで最年長だった彼は、嫌でもお兄さん扱いをされる状況。

最初は、幼い面やわがままな部分も見せていた彼ですが、次第にみんなの面倒を見なければという責任感が生まれ、1週間のキャンプ生活を終えるころには、かなりたくましくなって帰っていったのを覚えています。

その後、彼の保護者の方からご連絡をいただき、キャンプのあと学校にも行けるようになり、高校受験に向けて勉強を頑張っていると聞きました。

さらに、不登校だった彼が高校では部活に入り、最後は部長にまでなったそうです。

このエピソードは今でも心に残っています。

例え短期間であっても、非日常な体験が子どもを変えるきっかけを生んだのでしょう。

また、子どもたち自身も、この体験を通して有意義な収穫を実感できるのだと強く感じました。

たくさんの「感動」で人に愛され続ける施設を目指して

米軍基地で体験活動をする子どもたちの画像

ー今後はどんなイベントやプログラムを予定されていますか?

小林:1泊2日の小学生対象のキャンプをはじめ、さまざまなプログラムを予定しています。

近隣の米軍基地と連携して開催する「イングリッシュキャンプ」では、実際に米軍基地に入れるという年に1度あるか、ないかの貴重な体験ができます。

ほかにも家族対象のデイキャンプの日帰り事業も予定していますので、宿泊は少しハードルが高いという方にはこちらもおすすめですよ。

そして、中・高生世代を対象とした、地域課題の解決策を自分たちで考えていく「地域探究プログラム」も継続的におこなっていく予定で、今年は目玉となる事業をすべて開催しようと考えています

また、6月16日に、敷地内にビーチバレーコート2面分の大きな砂場ができました。今後、幼児から大人まで、より一層幅広く活用していただける場になると期待しています。

「国立中央青少年交流の家」のホームページでは、現在募集中・実施中のイベントや、事業の情報を随時更新しているので、ぜひチェックしていただきたいですね。

FacebookInstagramYouTubeなどのSNSアカウントなどもございますので、ぜひご覧ください。

ー「国立中央青少年交流の家」のこれからの展望をお聞かせください。

小林:これまで、さまざまな事業を通して多くの子どもたちにご参加いただいていますが、「国立中央青少年交流の家」と教育事業を知ってくださっている人は、日本全国でもそれほど多くはありません。 

今後この活動をもっと広く知ってもらうため、時代の流れに合わせた魅力的なプログラムをどんどん企画していくつもりです

そしてリピーターはもちろん、新しくここの魅力に気づいてくださる方も増やしていきたいです。

また当施設は国立ですが、静岡県御殿場市の地域のみなさんにも愛され続ける施設運営をおこなっていきたいと思っています。

母親と一緒にご飯づくりをする子どもの画像

ー最後に、「国立中央青少年交流の家」のプログラムに子どもを参加させたいとお考えの保護者の方に向けてメッセージをお願いします。

小林:当施設の教育事業では、学校の勉強や習いごとで教わることとは違う、社会教育や野外教育、青少年教育という分野を学べます。

自然体験活動が子どもにいい影響を与えると理解していても、実際にどこで何をすればよいかわからない保護者の方も多いのではないでしょうか。

そして、どこかにお子さんを預けること自体に、抵抗のある方もいらっしゃるでしょう。

そこで、当事業を子どもの教育の選択肢のひとつとしてとらえていただき、子どもがいろいろなことを感じて学び、引き出しを増やせる場として選んでいただけたら、と考えています

お子さんの主体的な行動を大切に、まずは勇気を出してお子さんを私たちに預けていただけるとうれしいです。

また、お子さんの参加をきっかけに、家族で参加できるプログラムに興味をもたれる方もいらっしゃいます。

当施設は富士山からとても近いので、富士山の絶景や大自然の雄大さを体感しながら、存分にリフレッシュしていただきたいですね。

ー本日は興味深いお話をありがとうございました。


■取材協力:国立中央青少年交流の家

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

Ameba塾探し 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。