学生服を着て行う漫才やコントが印象的なお笑いコンビ・響の小林優介さん。
芸人を志して東京へ上京するため、難関校の明治大学を受験し、見事合格。塾に通いつつ、芸能界への憧れをモチベーションに勉強を頑張っていたのだとか。
現在は3歳のお子さんの父親で、ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、お笑い芸人としてではなく、株や投資のセミナーなどもおこなっているそうです。
今回は、そんな小林さんに塾に通って気づいたことや苦手科目の克服方法、子育てで取り入れていることなどをうかがいました。
初めて通った塾でカルチャーショックを受けた
中学3年生になるまで塾には通わず、勉強は中の中だったという小林さん。塾に通いはじめて、教え方にカルチャーショックを受けたそうです。
―まずは幼少期の頃について教えていただけますか?勉強は頑張るタイプでしたか?
響・小林優介さん(以下、小林):どうだったかな。勉強は中の中で、特に頑張ってはいなかったですね。
母親が学校の先生なんですけど、体育が専門だったので、小学校5年生くらいからは母親に聞いても「ちょっと分からない」と言われていました(笑)。
運動と音楽は人より多少できたかもしれないですが、そのことがアドバンテージだったわけではないです。
そのほかの教科は5段階評価で3とか4とかだった気がします。
―学生時代、塾や習い事は通っていましたか?
小林:塾には中学3年生になるまで通っていなかったです。
友達がそろばん教室に通っていて遊んでもらえなかったので、そろばん教室には通っていました(笑)。たしか1〜2年くらい通って、中学生になったときに辞めましたね。
中学2年生までは全く勉強していなかったんですけど、中学3年生になってから初めて塾に行きました。
―どこの塾に通っていたのでしょうか?
小林:(出身の)愛知県岡崎市は「河合塾」と「eisu」という東海地方では結構有名な塾があり、どちらか忘れましたが、中学か高校のときに「eisu」に通っていましたね。
学区内には、ここに入ったら東京大学に進学する人もいるという、とんでもなく飛びぬけて頭のいい高校があり、僕の行きたい高校はその次くらいのところだったんです。
その高校もまあまあハードルが高かったんですけど、1年間だけガッツリ勉強をして受かりました。それは塾のおかげだと思います。
飛躍的に偏差値が伸びたので、一夜漬けならぬ1年漬けみたいな感じでしたね(笑)。
―塾に通ってみていかがでしたか?どんなことを教えてもらいました?
小林:良い意味でカルチャーショックでした(笑)。
教科書の勉強を教えてもらうというよりも、サッカーでいうと「この大会のこの対戦相手はこういう試合(問題)で挑んでくるから、こういう戦術で行け」という監督の視点のような感じで。
内容を暗記するというよりも、「こうくるぞ、こういうパターンがあるぞ」という戦術を教えてもらいましたね。
例えば国語だったら、1問目は漢字の読み取りや読み書きがあって、次は接続詞があって、最後は小論文みたいな文章があるぞ、という感じで。
配点はこうだからとか、何も書かないのはダメとか。だから学校の先生と予備校の先生って全然違うんですよ。
塾の先生って、先生によって教え方が全然違うし、初めて“プロの大人が現れた”みたいな感じでしたね(笑)。
苦手科目は捨て、芸能界への憧れをモチベーションに勉強を頑張った
お笑い芸人になるために、東京六大学の1つである明治大学を目指して猛勉強したそうです。苦手科目の克服方法についてもお聞きしました。
―なぜ明治大学を選んだのでしょうか?
小林:お笑い芸人になりたかったからです。
高校2年生のときに仲が良かった男女5〜6人グループで談笑してるときに、身内ノリですけど「小林くんてすごく面白いよね」みたいなことを言われて。
お笑いは好きだったので、その時の同じグループの男友達と「ちょっと2人で東京行ってタレントになっちゃう?」みたいな感じで話をしていたんです。
でも、東京に行くのはなかなかハードルが高くて…。
認めてもらうにはどうしたらいいのかを考えて、東京六大学が受かったら親も誇らしげに手を振って送り出してくれるんじゃないかと思ったんです。
そんなずるがしこい魂胆のもと、明治大学を目指しはじめました。
お笑い芸人になる夢があったから、好きではなかったんですけど勉強を頑張ることができましたね(笑)。
―経営学部に進んでいますが、学部はどうやって決めましたか?
小林:学部は、昔親父が経営者だったからというだけの理由だったので、違いはよくわかりませんでした。
あと、経営学部に入ったら授業もそんなに難しくないという評判もあったので、漠然とした理由でした。
―苦手科目はどうやって勉強されたのでしょうか?
小林:完全に文系脳だと思ったので、苦手科目は切り捨てていました。
物理、数学、化学が全くわからなくて…。テスト前はとりあえず頑張って勉強したけど、受験ではもう捨てようと。
高校3年生で文系コースと理系コースに別れたので、そこから文系にしぼって、大学入試もセンター試験も苦手科目はほぼ諦めようと思いました。
一応センター試験は受けましたけど、私立1本で3教科だけだったらめっちゃ勉強すればなんとかなるかなと思ったので、3教科に絞って、1年間がむしゃらに頑張りました。
日本史と世界史も選択があったんですけど、日本史って日本だけのことなので結構マニアックなことを聞かれるんですよね。
世界史は全世界のことだから、とりあえず名前と年表だけ暗記しておけばなんとかなると思いました(笑)。
―勉強へのモチベーションはどうやって保っていましたか?
小林:1つは芸能界への憧れです。1日何時間も勉強していたんですけど、モチベーションを上げるために自分がどうしても見たい番組だけは1日1時間集中して見て、「よし、ここに行くんだ!」と気持ちを高めていました。
そして、その番組が終わったらテレビを切って、また勉強して…というような感じで。
どうしても我慢できなかったときは、好きなアイドルとかの写真集をちょっと見て、エネルギーを補給していましたね(笑)。
息抜きでバラエティ番組を観たり、当時好きだったPUFFYの曲を聞いたりしていたことが結構勉強の充電になっていたと思います。
だから苦しくても「これを覚えなきゃ行けないぞ」というモチベーションで頑張れました。
子どもの習い事は口コミを参考にネットで検索も
小林さんは、現在3歳になるお子さまの父親でもあります。育児にはYouTubeを有効活用しながら、英語やダンスなどの習い事も検討中のようです。
―お子さまの年齢は今おいくつですか?習い事をさせたいと考えていますか?
小林:子どもは今2歳8ヶ月です。奥さんは、子どもが興味あるものを伸ばしてあげたいみたいで。だから、習い事はこれとこれを習わせたいねという話はよくしています。
キャラクターが英語で歌って踊る英語のテキストがあって、その中に「回って、ターンして」「手叩いて」というシーンがあるんです。
それを毎日お風呂上がりに見て、すんなり英語が喋れるように英語を習わせたいなと話してます。
あとは、音楽に合わせて踊ることが大好きなので、頭を使うことは英語で、体を使うことはダンスとか体操とか。あと、一応僕が水泳部だったので、水泳も習わせてみたいなと思っています。
―習い事を探すとなった場合、何を参考にしますか?
小林:うちの奥さんは地元にそこまで友達がいるタイプではないし、東京にも同じ子育て世代の友達がいないので、結構インターネットで探していますよ。
今はアプリやインターネットがすごく充実しているし、プラスして周りの口コミも参考にしていると思います。
塾や習い事の情報を知りたいと思ってもなかなか難しいんですよね。
ある程度子どもの興味があること、例えば「英語・渋谷区・塾・子ども」みたいな感じで調べるので、一覧で「あなたの近所の習い事こんなにあるよ」って見せてくれたらいいんですけど。
―最近、Ameba塾探しでYouTubeチャンネルを開設したのですが、小林さんのお子さんもYouTubeはご覧になりますか?
小林:めちゃめちゃ見ています。YouTubeを見ている途中に俺が電話をかけるとすごく泣きますもん(笑)。
「お話したくないの?」って聞いたら「したくない!YouTubeが見たいー!」って(笑)。
歯を磨くときもYouTubeを見せておけば歯を磨かせてくれるんですよ。YouTubeを見せていると「あーして」とか「いーして」とか素直に従ってくれるので。
他の家はどうか知らないですけど、うちは1日1時間、寝る前の歯磨きの時間プラス歯磨きが終わってから1時間は子どもが見たいものを見せています。
―子どもにYouTubeを見せることに関して抵抗はありませんか?
小林:もう、YouTubeを避けることは不可避です(笑)。英才教育をするなら別ですけど、普通に育てていくうえではYouTubeは避けては通れないですね。
だから逆にYouTubeが無かったときって、お母さんすごく大変だっただろうなと思いますよ。ベビーカーの手すりのところにスマホの画面をつけてYouTubeを流しておくだけで子どもは泣き止みますから(笑)。
これがあることで、お母さんの手が1~2分空くということがどれだけ貴重か、ということがわかりました。
人によりけりだとは思いますけど、子守唄も歌ってくれますし、YouTubeはもっとスタンダードなものになってくるのではないかと思っています。
老後のことも考えて、ファイナンシャルプランナーの資格も取得
お笑い芸人として活躍しながらも、ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、株や投資のセミナー講師をしている小林さん。本を読んで勉強したそうです。
ー株や投資のセミナー講師は何がきっかけではじめたのでしょうか?
小林:不安定な職業なので、家族ができて老後のことを考えたときに、資産を形成できていればいいなという感じではじめました。
最初は「1年で億稼げちゃうな」とか、本を読んで「簡単じゃん」とか思っていましたが、今はいろいろ経験して、「焦っちゃダメだな」と思うようになりましたね。
ーなぜ講師になろうと思ったのですか?
小林:いやらしい言い方ではなく、自分のライフスタイルのなかで柱がもう1つあってもいいのではないかと思ったんです。本を何十冊か読んで勉強をしてはじめました。
たぶん今後、自分の子どもたちの世代も、そういう時代になっていくのではないかと思います。
ここ1~2年で、僕の家族や親戚、友達とかもみんな投資信託をはじめつつありますし。
ファイナンシャルプランナーの資格も持っているので「これどういう風に買ったらいいの?」「NISAって何?」とか結構聞かれることも増えましたね。
最近だと、給付金のことについても教えることが多いです。お笑いの相談は全くされないんですけどね(笑)。
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小林 優介(こばやし ゆうすけ)
お笑いコンビ「響」のツッコミ担当。相方の長友光弘と2000年にコンビを結成。明治大学経営学部経営学科卒業。現在は、株の投資家や投資セミナーの講師など多方面でも活躍中。
Twitter:@hibikikobayashi
Instagram:@yashikobanny
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