「日本菓子専門学校」は、設立して61年の伝統校。日本で唯一、菓子業界が設立した専門学校です。
海外との交流や研修、少人数制の実習、資格取得への取り組みなど、充実のカリキュラムが用意されています。
和菓子、洋菓子、パンといったすべての基本を学べるのが強みであり、ここで得たホンモノの技術は将来現場で必ず役に立つことでしょう。
今回は、「日本菓子専門学校」の魅力について、教師の酒井 雅秀さんにお話を伺いました。
「食べることが好き、お菓子をつくることが好き、その気持ちが少しでもあるなら諦めないでチャレンジしてほしい。」という言葉が印象的だった今回のインタビュー。
将来パティシエになりたい、お菓子に関わる仕事に興味がある、という方はぜひご覧ください。
業界から信頼される「日本菓子専門学校」の強みとは
―本日はよろしくお願いいたします。最初に、「日本菓子専門学校」ではどのようなことが学べるのか教えてください。
酒井 雅秀さん(以下、酒井):コースとしては3つあります。まず1つ目は、2年制の「製菓技術学科」です。
2つ目は1年制のコースで、パンを集中的に学んで勉強できる「製パン技術学科」。
3つ目は、より高度な洋菓子の技術を学ぶことができる「ハイテクニカル科」になります。
「ハイテクニカル科」は、飴細工やチョコレート細工といった、洋菓子のなかに細工をする工芸菓子という分野をより深く学び、より現場に近いお菓子を学ぶというコースです。
また、製菓技術学科に入学した場合、1年目に和菓子、洋菓子、パン、この3つを勉強できるのが大きな強みになります。
―最初から専門を決めるわけではなく、選択肢を広げて学ぶことができるのですね。
酒井:そうですね。当校は、1年生で洋菓子や和菓子などそれぞれの世界に触れてから、2年生で専門を選択します。
きっとお菓子のイメージというと、まず洋菓子を思い浮かべて、和菓子はあまりイメージにないと思うんですよね。
最初は洋菓子をやろうと思って進んでいても、和菓子をやっていくうちにすごく楽しくなって、2年生になったら和菓子を選択するという学生も実は多いです。
お菓子づくりの道をいろいろ切り開いていく、そのきっかけとして和菓子、洋菓子、パンの基礎を最初に学んでいきます。
―3人1テーブルの少人数制が大きな特色とお聞きしましたが、その理由や、きっかけはあったのでしょうか。
酒井:はい、少人数制ができる理由としては、教室が広く実習テーブルを多く設けられるというところにあります。
そのため、少人数でも授業ができるのです。学校に来られた方はみんなびっくりすると思うのですが、当校は4階建ての大きな校舎で、11個実習室があります。
少人数制だと、実習中にヒマな時間が発生しないため、着実に技術を身に着けることができます。
―実習室が11個もあるのですか?いろいろな実習ができるスペースとなるとかなりの広さですよね。
酒井:そうですね。実習室内にはいろいろな道具や調理器具が置いてあるので、広さ的にはかなり空間がありますね。
さらに講義室も5つありますし、都内では教室の面積としてはとても大きいです。
卒業生が多方面で活躍する理由は教師陣の質
―
創立61年の伝統校でもある「日本菓子専門学校」ですが、卒業生はどういった場で活躍されているのでしょうか?
酒井:和菓子、洋菓子、パン、それぞれ卒業生がいますが、私は洋菓子の担当なので洋菓子の場合として答えさせていただくと、まずはホテルのシェフとして活躍している方がいらっしゃいます。
あとは街のお菓子屋。最初はどこかに就職して、自分で独立してお店をやっている卒業生もたくさんいらっしゃいます。
ほかにはコンビニとか、大手のお菓子屋の研究所に就職して活躍されている卒業生もいます。
―お菓子の商品づくりは面白いですね!そういった就職先があるのは新鮮でした。
酒井:そうですね、商品開発に携わっている卒業生もいます。
あまりイメージが湧かないと思うのですが、お菓子の道でも業種の幅が広がってきているので、いろいろな就職先があります。
あとは海外に行くパターンも。フランスとかヨーロッパがメインになりますが、ヨーロッパ内を渡って数年間修業されているという卒業生も現在何名かいます。
―「日本菓子専門学校」では、第一線で活躍する方々が教師として指導されているようですが、具体的にはどのような方がいらっしゃるのでしょうか?
酒井:大体は当校の卒業生たちが教師になっているのですが、教師になるまでの過程や経験値はさまざまです。
和菓子、洋菓子、パン、と教師がそれぞれいて、ホテルを経験して教師になった人や、街のお菓子屋を経験して教師になった人たちもいます。
あとは海外経験を経て教師になっている人もいます。私も実際フランスにいって、帰ってきてから学校の教師をやっています。
それぞれ年齢や経験値も違いますし、さまざまな経験を持つ教師たちが教えていますね。
―教師の方が卒業生だと、実技や進路の相談もしやすいでしょうね。すごくアットホームな環境でいいなと思いました。
ちなみにフランスはどこに行かれていたのですか?
酒井:フランスは6年ちょっといたのですが、南仏を中心にお菓子屋を何軒か修行しました。
―どういったお菓子をつくっていたのですか?
酒井:今は日本でもフランス菓子がいっぱいありますが、やはりフランスの本場のお菓子というと、伝統菓子や地方菓子ですね。その土地ごとの伝統的なお菓子があるので、そういうのはとても勉強になったなと思っています。
例えば、ちょっと前まで人気だったバスクチーズケーキ(バスチー)も、もとというのはバスク地方の伝統菓子です。
それをアレンジして、日本人のチーズ好きと掛け合わせて、コンビニで新しい商品として販売されました。
でも、もとはちゃんとバスクというお菓子があるので、そういう伝統的なお菓子を勉強してそこから新商品が開発されたのでしょうね。
海外との交流やチャレンジ力で多くのプロフェッショナルを
―在学中に取得できる資格や、生かせる資格について教えてください。
酒井:まず「製菓技術学科」は、2年間勉強するなかで、2年次に製菓衛生師という国家試験を受験します。その受験資格を得るために、1年次に必要な座学を勉強しています。
当校は製菓衛生師養成校に指定されているので、1年生のときはそれに向けて勉強して、6月に東京都で受けることになります。
項目が豊富なのでとてもハードですが、今学生たちは受験に向けて勉強して準備をしているところです。
あともうひとつは、卒業後に受けることになるのですが、国家試験の菓子製造技能士2級を受験できる資格が得られます。
こちらを受けるかどうかは人それぞれになるのですが、卒業すると同時に受験が可能です。
―実際働く前に、こういった資格を取るメリットは何ですか?
酒井:カフェでもなんでも自分で飲食店をやるときは、必ず食品衛生責任者という資格が必要になります。
その資格は講習を受ければもらえるのですが、製菓衛生師を持っていることでそれが免除されるんです。何か自分でお店をやりたいとなったときに、持っていると役に立つというのがメリットのひとつですね。
あとは、資格をとるにあたり、お菓子をつくるだけじゃなく衛生面などいろいろなことを学ばなければいけないので、それを自然に勉強できる、習得できるというのもメリットだと思います。
―必要になってから勉強するより、サポートしてくださる環境下で勉強するほうが効率的に学べそうですね。
酒井:実際に文章だとなかなか理解できないようなこともありますし、実習のなかでこういうのはこういうことなんだよという風に、イメージできたほうが学生たちも理解しやすいのじゃないでしょうか。
実習と講義の2軸で進めていく、それによって学生も学びやすい環境にはなっているのかなと思います。
―「日本菓子専門学校」の卒業生はもちろん、教師の方もさまざまなコンテストや、コンクールに参加しているとのことでしたが、参加する理由、参加することによって得られるものなどを教えてください。
酒井:一番はスキルアップですね。どんな分野もそうですが、誰かと競い合うことで自分の限界を超えれば、そのなかで得られるものというのは、大きいと考えます。
あとは自分の技術向上のためです。参加することによって得たものを我々は学生たちに教えることができるので、相乗効果でうまく回っていくのかなと私なりに思っています。
―実際に短期目標としてコンクールなどがあると、向上心にも繋がるでしょうね。
酒井:そうですね。我々教師が何かにチャレンジしている姿は、学生にとっても何かひとつ刺激になると思うんですよね。いいお手本じゃないですけど、お互いに刺激し合えるという意味でもいいのかなと思っています。
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―フランスやドイツに姉妹校があり、海外との交流があるとお聞きしました。こうした海外の学校との交流を通して、どのようなことが学べるのでしょうか?
酒井:ドイツ菓子だったらバームクーヘン、フランス菓子だったらマカロンやバスク、と日本にはいろいろなお菓子が入ってきていますが、やはり本場で学んだり、本場のものを見たりというのは必要だと思っています。
海外に姉妹校があることによって、実際にその環境に触れることができるのはとても大きいと思っていて。たとえ短い期間であっても、現地に行くというのは感性も豊かになるし、現地の人とコミュニケーションを取ることによって得られるものも大きい。
若いときにしか得られないもの、その感性でしか得られないものがあると思うので、少しでもそういう場を与えられるようにドイツとフランスに友好校を持っています。
―短期間の海外留学という形で行かれるのですか?
酒井:はい、最近はコロナなどでいろいろ動けていないのですが、短期の留学という形で実際にフランスの学校と職場に少し研修できるシステムがあります。
ドイツの姉妹校のほうは、卒業後の旅行のなかのプログラムとして、1日学校に伺ってミニ実習のようなものをおこなっています。ドイツからマイスターを毎年2名、本校に迎えて実際に実習をする交流もあります。
―アジアの国とも交流があるのですか?
酒井:そうですね。今、日本で洋菓子を勉強したいというアジアの留学生がすごく多くなってきているのですが、そういった方に教育交流をおこなっています。
実際に日本に来てもらって洋菓子を学んでもらう、そういうきっかけづくりを我々職員が、教育提携をしている中国、台湾、韓国の学校に出向いて学生に教えています。
可能性は無限!夢への一歩をサポートしたい
―パティシエなどをはじめとした、製菓職人に向いている人を教えてください。
酒井:食べるのが好き、お菓子がつくるのが好き、まずそこだと思います。器用、不器用は二の次で、まったく関係ないです。好きか嫌いか。好きだったら頑張って続けられると思います。
練習、技術というのは反復練習で、そのなかで自然に身に付いていくものです。
ですから、本当にお菓子が好きなら「できない」とすぐに諦めるのではなく、続けてほしいですね。お菓子が好きだったらとりあえず進んでみようと、それでもいいのかなと思います。
―学校として今後目指していることや展望などを教えてください。
酒井:60年続いた伝統校であるということと、あとは業界が設立した学校ということもあるので、その時代にあったより良い人材を育てていくというのが、昔も今も変わらず、我々の目標です。
―では最後に、あらためて読者にメッセージをいただけますか?
酒井:お菓子といってもお店を出すだけがこの世界ではなく可能性は無限だと思っていて、本当に夢のある仕事だと感じています。
あとは、みんなこの業界に入ってくる理由としては、好きというのがひとつ大きなきっかけになっていると思うので、好きなことを仕事にできたり、好きなものに出会えたり、自分の職業として好きなことを続けることができるというのはなかなかないこと。ぜひ興味がある方は、この業界に進んで欲しいなと思います。面白い職業ですよ。
―本日はお時間をいただきまして、ありがとうございました。
実際のインタビューの様子を知りたい方はAmeba塾探しの公式YouTubeをチェック!
「日本菓子専門学校」の実際のインタビューの様子は、Ameba塾探しの公式YouTubeで近日公開予定です!
お菓子の専門学校に興味のある方は、ぜひチェックしてみてください!
■取材協力:日本菓子専門学校