コロナ禍の影響で、人との接触の機会が減ってきている今、ストレスや悩みを自分の胸の内に抱え込んでしまっている方はいませんか。
意を決して誰かに相談しようとしても、「迷惑がかかりそうで言えない」「有料の相談サービスは料金が高い」という理由から、踏み止まってしまう方も多いでしょう。
そのような方に知っていただきたいのが、「東京メンタルヘルス・スクエア」のカウンセリングおよび無料悩み相談です。
今回は、カウンセリングセンター長の新行内 勝善さんにお話を伺いました。
誰にも悩みを打ち明けられず苦しい思いをしている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
無料または低価格なカウンセリングで安心できる場所を提供
ー本日はよろしくお願いします。まず、NPO法人「東京メンタルヘルス・スクエア」はどのような活動をしている団体なのか教えてください。
新行内 勝善さん(以下、新行内):私たちは、さまざまな悩みを抱える方のために、無料または低価格での悩み相談や、カウンセリングを提供しているNPO法人です。
2012年の設立当時は、株式会社としてカウンセラーの養成をおこなっていましたが、カウンセラーが経験を積む場がなかったため、社会貢献事業もかねて無料の電話相談サービスを実施しました。
そして、その事業がNPOとして2012年に分離したのが、現在の「東京メンタルヘルス・スクエア」です。
最近ではコロナ禍をきっかけに「孤独・孤立対策担当大臣」が誕生するほど、孤独や孤立が社会問題化しています。
そのようななか、当団体は悩み相談を通してカウンセラーが社会貢献する場をつくりつつ、「話を聞いてくれる人がそばにいる社会」を目指して活動しています。
ー設立当初の無料電話相談から、どのような経緯で現在のサービスに行きついたのでしょうか?
新行内:無料電話相談だけではなく、「直接会って相談したい」というケースが出てきたのがきっかけです。
このようなニーズがあるにもかかわらず、対面でのカウンセリングは、例えば都内の民間企業だと1回50分で1万円程度の料金が相場です。
「話を聞いてほしい」という人が、気軽に利用できる金額ではありません。
そこで当団体は、NPO法人の利を活かして、1回3,000円という低価格での対面相談を始めたんです。
ー1回1万円はなかなか気軽に相談できる額ではないですね。では、そういったなかでどのような想いで活動をされているのか教えてください。
新行内:とにかく「気軽に相談を利用してほしい」という想いを込めています。
人との付き合い方が深くあった昔とは違い、現代の人は、大きな悩みを抱えていても「周りに迷惑をかけないように」と第三者に打ち明けられずにいることが多いです。あるいは、「相談の仕方がわからない」という方もいるでしょう。
それから、身近に家族がいて孤独ではなくても「身内だからこそ話せない」「心配させたくない」と考える真面目な方も少なくありません。
そのような方々にこそ、気軽に当団体の相談を利用していただきたいです。
当団体の電話相談やSNS相談は担当を決めずに対応しているので、さまざまなカウンセラーに相談でき、話を聞いてもらうことができますよ。
全国から届くSNS相談は学生を中心に1日150~200件
ー貴団体のサービス利用者のなかには、学生もいますか?
新行内:はい。10代、20代の学生からは「こころのほっとチャット」というSNSチャットサービスを通して、多くの相談をいただいています。
スマートフォンを使って気軽に相談できるので、1日150~200件の悩みが全国から届くんですよ。
ーそんなに多くのアクセスがあるのですね。確かに、対面よりもチャットのほうが相談のハードルは下がりそうです。
新行内:そうですね。それにSNSチャットでの気軽な相談とはいえ、相談にのるのはカウンセリングのトレーニングを積み、カウンセラーの資格を持っている者なので、対応はきちんとしています。
ただ、すべての相談の対応には追いついておらず、カウンセラー20人がかりで1日あたり多くても約80件の相談に応じている状況です。このためやむを得ず、1回目の相談の方を最優先にしています。
ーそのほかにも活動の課題はあるのでしょうか。
新行内:相談内容に限らず、利用者割合が女性8割に対し男性2割と、圧倒的に男性からの相談が少ないことです。
一方で、自殺者の男女比率でいえば男性のほうが高いので、カウンセリングがもっと身近になって、男性の利用者が増え、相談を身近に感じてもらえるといいなと思っています。
それでも男性からの相談のしやすさについては、日本の文化や価値観が関わってくるため難しいところもありますが、何かいい手を考えたいですね。
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専門性の高いカウンセリングの普及を目指す
ー今後、何かイベントや講座の開催予定はありますか?また、イベントにはどのような方が参加していますか?
新行内:開催予定のイベントとしては、「カウンセラー養成講座」があります。参加者は、40代、50代くらいの方が多い印象です。
また、参加者の経歴はさまざまですが、やはり「自分が悩みを抱えていた経験を持っているからこそ、カウンセラーになりたい」という方は多いですね。カウンセラーとの相談を通して、立ち直ってきた方もなかにはいます。
それから、学校の先生や保育士、看護師、介護職など、対人援助の仕事をされている方が、勉強のために参加しているケースも多いです。
ー素晴らしい取り組みですね。貴団体が活動を続けていくには、企業の協賛や個人の支援者からの応援が必要かと思います。何かアピールポイントがあればお聞かせください。
新行内:当団体は「専門性がありつつも利用しやすいカウンセリングの普及」を1番大きな目標にしています。
そのため「カウンセリングの専門知識を学び、メンタルヘルスの支援を通して社会貢献をしていこう」と考える者が集まって運営しているのが特徴です。
また、SNS相談のような、相談を利用しやすくするものは、なんでも取り入れていくつもりでいます。
今後も新しいものや役立つものは積極的に活用し、専門的なカウンセリングをどんどん世の中に広げていきたいです。
「相談は前向きな課題解決の手段」ひとりで悩まず相談する勇気を
ー最後に、読者へ向けてメッセージをお願いします。
新行内:「人に迷惑をかけてはいけない」という価値観は日本人の美徳ですが、それが原因で誰にも悩みを相談できず、ため込んで潰れてしまう人が多くいます。それはとても残念なことです。
「身近な人に迷惑をかけたくない」と考えてしまう方こそ、カウンセリングを利用してください。
カウンセラーはきちんと勉強して、専門知識を身につけた人です。カウンセラーに悩みを相談すれば、誰にも迷惑はかかりません。
それから、「人に相談することは恥ずかしい」と感じてしまう男性には、「相談は前向きな課題解決の手段のひとつ」とお伝えしたいです。
悩みは、人に話すことで気持ちが整理されたり、意見をもらって新しいやり方を発見できたりするものですよね。
カウンセリングは「自分の弱さを見せる行為」というより、「積極的な課題解決」だと認識してほしいです。
当団体は厚生労働省からも予算をいただいており、無料のサービスも多く用意しているので、悩みを抱えている方はぜひ気軽にご利用ください。
ー本日は、素晴らしいお話をありがとうございました!
実際の活動の様子を知りたい方はAmeba塾探しの公式YouTubeをチェック!
「東京メンタルヘルス・スクエア」の実際の活動の様子は、Ameba塾探しの公式YouTubeでご覧いただけます。
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■取材協力:東京メンタルヘルス・スクエア