高校受験の合否は試験の点数だけでなく、調査書の内容も踏まえて判断されます。
高校受験を控えているお子さんがいる保護者の方のなかには、「調査書にはどのようなことが書かれているのか」「調査書はいつ提出すればよいのか」といったことが気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、高校受験で必要な調査書の内容を解説します。
さらに、調査書を提出する際の流れや調査書に関する注意点なども解説するので、高校受験を控えているお子さんがいる保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
高校受験における調査書とは
高校受験における調査書とは、中学校から高校に参考資料として送られる受験生に関する書類です。学生一人ひとりの中学校での成績や学校での様子がまとめられており、「内申書」と呼ばれることもあります。
生徒の成績がまとめられた書類としてはほかにも「通知表」があり、両者を混同してしまう方もいるかもしれません。
両者の違いは、「通知表」が生徒の保護者に渡される書類であるのに対して、「調査書」は受験する高校に対して渡される書類であるという点でます。
高校受験では、試験の結果と調査書の内容をもとにして合否が判定されます。
高校受験における調査書の内容
調査書のフォーマットは都道府県ごとに異なるため、記載される内容も各都道府県で異なりますが、一般的には以下に挙げるような項目が記載されることが多いです。
それぞれの項目を詳しく解説します。
基本情報
「基本情報」には、氏名、性別、生年月日、住所といった生徒に関する基本的な情報が記載されます。
各教科の学習の記録
「各教科の学習の記録」には、各教科に対する評価や評定が記録されます。
国語や英語といった教科ごとに、1~5で評価されるのが一般的です。
ただし、都道府県によってはそれぞれの教科がさらに「知識・技能」「思考・判断・表現」などといった形で細分化され、それらに対してA~Cで評価が付く場合もあります。
この評価がいわゆる「内申点」と呼ばれるもので、受験の合否に大きく影響します。
総合的な学習の時間の記録
「総合的な学習の時間の記録」には、「総合的な学習の時間」でどのようなことに取り組んだかが記載されます。
生徒による差はあまり生まれないため、内申点にはあまり影響しない項目になります。
出欠の記録
「出欠の記録」には、出席日数および欠席日数、欠席した場合はその理由が記されます。
欠席日数については、多すぎると受験の合否に影響する可能性がありますが、やむを得ない理由で年に10日程度の欠席であれば問題ありません。
学校行事や部活動の記録
「学校行事や部活動の記録」には、所属している部活動や部活動での活動成績、学校行事での役割、生徒会での経験などが記載されます。
内申点を上げるにはどうすればいい?
調査書の内容で受験の合否に大きく影響するのは、「各教科の学習の記録」での評価、いわゆる「内申点」です。
内申点がよい状態で受験に臨むことで、合格の可能性を高めることができますが、内申点は一朝一夕で上げられるものではありません。
内申点を上げるためには、中学校生活で以下のようなことを意識する必要があります。
それぞれのポイントを詳しく解説します。
定期テストでよい点数を取る
内申点には、定期テストの点数が大きく関わります。そのため、中間テストや期末テストでよい点数を取ることが内申点を上げるためには効果的です。
普段の授業をしっかりと聞き、予習復習をきちんとこなして、定期テストで高得点を取れるように努力しましょう。
「定期テストの点数がなかなか上がらない」「苦手分野があって不安」という方は、塾に通って対策するのもひとつの手です。定期テスト対策と高校受験対策ができる塾であれば、学校の成績への対策と志望校合格に向けた対策を効率的に進められます。
Ameba塾探しに寄せられた口コミのなかには、「塾に通ったことで必要な内申点を上回り第一志望の高校に合格できた」という意見が見られます。
高校受験で後悔しないためにも、現状に不安がある場合は通塾を検討してみてくださいね。
提出物をきちんと提出する
日々の提出物をきちんと提出することも、内申点アップを目指すためには欠かせません。
学校の授業では提出が必要な宿題が出されることがありますし、長期休暇中には問題集だけでなく自由研究のような課題も課されます。
宿題は次の授業までに終わらせる、長期休暇中の課題は決められた提出期限までに提出することで、内申点アップが狙えるでしょう。
前向きに授業を受ける
定期テストや提出物以外に、授業中の態度も内申点に影響します。
授業中は先生の話をしっかりと聞き、質問されたときは適切に答えるなど、積極的に授業を受けることを意識しましょう。
高校受験で調査書を提出する流れ
高校受験での調査書は、願書を提出する際に同封するのが一般的です。そのため、受験する高校の数の調査書が必要になります。
受験の時期が近付くと学校側から調査書に関するアナウンスがあるため、必要な枚数を依頼しましょう。たとえば、私立高校を併願で2校受験し、公立高校を1校受験するのであれば、調査書は3枚必要です。
その後、願書の提出期日までに出願書類と一緒に提出しましょう。
高校受験の調査書に関する注意点
上述したように、調査書は高校受験の合否に大きく影響する書類です。
調査書に関する手続きを適切に進めるためには、以下に挙げるようなことに注意しましょう。
それぞれの注意点を詳しく解説します。
受け取っても開封してはいけない
調査書は「親展」扱いの書類で、開封すべき対象者(調査書の場合は受験高校)以外が開封すると無効になります。
受験に向けてお子さんの調査書の内容がどうなっているか、気になる保護者の方もいるでしょう。
ですが、絶対に受験高校に提出する前に開封してはいけません。
発行までに時間がかかる場合がある
調査書は、発行してもらうまでに時間がかかる場合があります。
推薦入試でも一般入試でも調査書の提出は必要ですが、推薦入試と一般入試は日程が異なるため、調査書が必要になるタイミングも異なります。
受験方式ごとのスケジュールを把握したうえで、願書の提出期日に確実に間に合うように、早めに調査書の発行を依頼することを心がけましょう。
受験する高校の都道府県によって評定の対象学年が異なる
受験前に別の都道府県に引越しをして、引越し先で高校受験をするケースもあるでしょう。
調査書に記載される内容は各都道府県で大きく変わるわけではありませんが、調査書に含まれる評定の対象学年は、都道府県で異なる場合があります。
都道府県によっては県外受験者への説明会を実施していることもあるので、不安な場合は参加して話を聞いてみるとよいでしょう。
高校受験における調査書の役割や内容をきちんと把握しておこう
高校受験における調査書は内申書とも呼ばれ、受験の合否に大きく影響する書類です。
学生一人ひとりの中学校での成績や学校での様子がまとめられており、都道府県によってフォーマットは異なるものの、記載される内容が大きく変わるわけではありません。
願書の提出期日までに問題なく提出できるように、発行や提出の流れをきちんと把握しておきましょう。