NPO法人「栃木県カウンセリング協会」インタビュー!より豊かな人間関係を作るための講座とは

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子どもを持つ保護者は誰しも、子育てに悩むことがあるものです。また、子育てに関する人間関係に悩むこともあるでしょう。

そんなときには自分を見つめ直すことが大切だと、NPO法人「栃木県カウンセリング協会」の前理事長で現在は顧問を務める丸山 隆さんは話します。

栃木県カウンセリング協会では、子育てに関する自助グループを主催したり、カウンセリングに関する講座を開講したりと、栃木県におけるカウンセリングの普及向上を図っています。

カウンセリングに興味のある方や、子育てや人間関係に悩みを抱える方は、ぜひご一読ください。   

  1. 子育て支援の講座や自助グループを主催
  2. 「お母さんが優しくなった」と感じる子ども
  3. 5月~11月に月1で「ひまわり会」を開催中

子育て支援の講座や自助グループを主催

NPO法人「栃木県カウンセリング協会」の活動の様子

ー本日はよろしくお願いします。まずはNPO法人「栃木県カウンセリング協会」の概要について教えてください。

丸山 隆さん(以下、丸山):「栃木県カウンセリング協会」は、栃木県における産業・学校カウンセリング等の普及向上を図るとともに、人間性の回復を目指し産業・教育の振興に貢献することを目的として、1971年5月に設立された団体です。

約50年の歴史を持つ団体なのですが、NPO法人になったのは2005年6月からで、正会員と一般会員を合わせて400名以上で構成されています。

ー具体的にはどのような活動をおこなっているのでしょうか。

丸山:具体的な活動としては、まず、カウンセリング研修講座の開催が挙げられます。

これは2年間の基礎コースと1年間の上級コースからなるものであり、日本カウンセリング学会のカウンセリング心理士の資格を取るためのプログラムに基づいて作られた講座です。

特徴はカウンセリング演習が多いという点で、座学よりも演習の方が身につくため講座の半分くらいが演習となっています。

基礎コースと上級コースの違いは、基礎コースがカウンセリング全般にわたる知識やさまざまな技術、技法を学ぶのに対し、上級コースではカウンセリング心理士の資格を取得するためのワンステップ上がった内容になっている点です。

このカウンセリング研修講座は通年で開講しており、週に1度ほどの頻度でおこなっています。

集中講座として2カ月に1度くらいの土日の研修、そして夏休みなどを利用して3泊4日の研修が組み込まれています。

営利目的ではないため、たとえば「カウンセリング研修講座」の基礎コースは、1年間で187,000円(税込)という高校授業料程度の受講料となっています。内容的には大学の心理学の専門コースや専門課程の内容をほとんど勉強できます。

地方でこのような講座をやっているのは栃木県くらいで、非常に評価が高いのではないかと自画自賛しています。

そのほかには、発達障害に関する講座を開講中です。以前、大人に出やすい発達障害というテーマでおこなったのですがそれが好評で、ぜひ続きが聞きたいという声に応えて、今年度は「大人の発達障害への対応を考える」という意味の内容で開催します。

ー子育てに関係する活動にはどのようなものがありますか?

丸山:子ども関係では、子育て支援の講座を実施予定です。まだ決定はしていませんが、たとえば発達障害児に対するペアレントトレーニングなどのテーマで、ある程度まとまった期間で開催することを考えています。

昨年はエリクソンの生涯発達心理学―漸成的発達理論をテーマに6回のシリーズにわけておこないました。また、それ以前には各種の心理療法を取り上げるなど子育てに関するテーマで開催しました。

こちらの子育て支援の講座は一般の方を対象にしたもので、受講料は6回で11,000円(税込)とかなり安い料金設定になっています。

また、子育てに悩んでいる方には「ひまわり会」への参加がおすすめです。

この会は子育ての悩みを持っていたり、講座に参加してさらに勉強したい、また、子育てに関わる職業の方が勉強したいと考えたりと、さまざまな動機を持った方々が集まる自助グループです。

活動としては、悩みや相談内容について話し合ったり、ロールプレイングやサイコドラマをやったりしています。

たとえば「自分の子どもが学校に行かない」「クラスで仲間はずれにされてしまった」という相談内容に対して、「私のときはこうだった」「こういうふうにしたよ」など、先輩方の経験談を聞いたり、話し合いをおこないながらグループで楽しくやっています。

ひまわり会はオープングループですので、栃木県カウンセリング協会の会員でなくても参加可能です。1回1,000円の参加費で、毎回20人くらいの方が楽しくおしゃべりをしながら勉強していますので、ぜひ気軽に参加してください。

「お母さんが優しくなった」と感じる子ども

栃木県カウンセリング協会の講座の様子

ー活動や講座に参加された方の感想を教えてください。

丸山:お母さんが講座に参加した子どもたちに、お母さんの変化について聞いたところ、前は感情的に怒られていたのに、今は怒る前に『どうしたの?』とちゃんと理由を聞いてくれるようになった」と答えてくれました。

その子は「お母さんが優しくなって、話をよく聞いてくれるようになったから、これからも(カウンセリング講座の受講を)続けてほしい」と言っていましたね。

そのお母さんが上級コースに行くことを迷っていたら、お父さんが「行け行け」と積極的にすすめてくるので理由を尋ねると、最近怒らなくなり、よく話を聞くようになったから、と子どもとまったく同じ感想を持っていたそうです。

また、ひまわり会に参加した方からは、同じような悩みを抱えている方がたくさんいることがわかり、自分の気持ちを受け止めてもらったことで、子どもを頭ごなしに怒ることが少なくなった」という感想をいただきました。

怒ることが少なくなったことで子どもが生き生きとしてきたそうで、「学校に行く、行かないより、まずは子どもが生き生きとして笑顔が出てくるのが一番です」とおっしゃっていました。

それから、カウンセリングの資格を取得したことで、新しく作る子ども向けの施設に来てほしいと誘われて就職した方もいます。ちゃんと耳を傾けて悩みを受け止めてくれる方が必要といわれたそうで、本人も非常に喜んでいました。

社会に出てから講座を受けるのは大変ですが、夏休みくらいまでは通い続けることができるか不安に思っていた方も、9月くらいになると「みんなと会えるのが楽しみになってきた」と言われることが多いですね。

なかには、「職場や家庭と違う集団で仲間を作ることが1番の楽しみ」とおっしゃる方もいたりして、和気あいあいとした雰囲気のなかで学ばれています。

栃木県カウンセリング協会がある宇都宮市には、たくさんの塾・学習塾があります。

テラコヤプラスでは、宇都宮市 塾・学習塾 ランキングや、東武宇都宮駅 塾・学習塾 ランキングなど、エリアや駅など条件を絞って塾を探すことができます。

お子さんの塾をお探しの方は、ぜひご活用ください!

5月~11月に月1で「ひまわり会」を開催中

NPO法人「栃木県カウンセリング協会」

ー今後、開催予定のイベントがあれば教えてください。

丸山:ひまわり会については、5月から11月の第2あるいは第3月曜日の10時から12時に開催中です。

先ほど申し上げた通り誰でも参加できますし、テーマは決まっていませんので、気軽にご参加ください。

研修講座は、毎年3月初めくらいに申し込みの締め切りがあり、4月から新しい講座が始まります

今年は開講済みですので、興味がある方はぜひ来年度から参加してください。 
 

ー最後に読者の方へメッセージをお願いします。

丸山:より良い人間関係、より豊かな人間関係を作るために自分自身を見つめ直すことが効果的です。エリック・バーンが言うように「過去と他人は変えられない」のですから。

一度自分自身を見つめ直すと、どこで自分が生きづらさを感じているのか、どこでつまずいているのか、どうしたらいいのかといった悩みに対して視界が開けてきます。

自分自身を見つめ直す機会を求めていたり、人間関係について考えることに興味のある方は、栃木県カウンセリング協会が主催する講座や自助グループなどにぜひ参加してください。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。

■取材協力:NPO法人 栃木県カウンセリング協会

中山 朋子
この記事を執筆した執筆者
中山 朋子

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

小さい頃からピアノ、書道、そろばん、テニス、英会話、塾と習い事の日々を送る。地方の高校から都内の大学に進学し、卒業後は出版社に勤務。ワーキングホリデーを利用して渡仏後、ILPGAに進学し、編集ライターの仕事をしながらPhonétiqueについて学ぶ。帰国後は広告代理店勤務を経て、再びメディア業界に。中学受験を控える子を持つ親として、「テラコヤプラス」では保護者目線の有益な情報をお届けする記事づくりを目指しています。