NPO法人「そらいろコアラ」を取材!妊娠・出産・子育て世代向けの支援活動とは

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妊娠、出産、子育ての時期は、母親や家庭にとって、不安や悩み、疲れはどうしてもついて回るものです。

なかには、そんなモヤモヤを胸のうちにため込んで、誰にも頼れず、辛さを感じている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、栃木県で妊娠・子育て世代をサポートしているNPO法人「そらいろコアラ」事務局の伊藤 美南子さんと、共同代表理事の鳥飼 蓬子さんにお話を伺いました。

妊産婦や子育て期の親子への支援活動に興味のある方、栃木県在住の妊娠・子育て中の方は、ぜひご一読ください。

  1. 妊産婦や子育て期の親子に支援や交流の場を提供
  2. サポーター会員からの支援も大きな力に
  3. LINEやSNSでつながり気軽に相談・参加を

妊産婦や子育て期の親子に支援や交流の場を提供

NPO法人「そらいろコアラ」

ー本日はよろしくお願いします。まず、NPO法人「そらいろコアラ」がどういった団体なのか概要を教えてください。

伊藤 美南子さん(以下、伊藤):NPO法人「そらいろコアラ」は、栃木県全域を拠点として、妊娠・子育て世代をサポートしている団体です。

妊娠期から育児期までの家庭の孤立や、不適切な養育、世代間の連鎖を予防することを目的に活動しています。

スタッフには医師や助産師、看護士、社会福祉士、保健師、弁護士など、さまざまな専門職の有資格者が多く、幅広い分野における支援をつなげているのが、私たちの活動の特徴です。

おもな事業に「コアLINE」「そらいろポケット」「コアラ食堂」があります。

ー「コアLINE」の具体的な活動内容についてお聞かせください。

伊藤:「コアLINE」は妊娠、出産、産後の子育てに対して、悩みを抱えている方向けの無料相談窓口です。

妊娠・出産した本人だけではなく、そのパートナーや家族、子育てを支援する周りの方も幅広く対象としています。

LINEにアクセスできる環境があれば、誰でも利用可能です。メッセージは24時間受けつけており、いただいたメッセージには必ず24時間以内に返事をする体制をとっています。

相談内容はおもに、妊娠や出産、産後の女性自身や赤ちゃんの体調、乳幼児期の育児などについてですが、妊娠前の相談をいただくこともありますね。相談者の年齢層は10代後半から40代が中心です。

栃木県内であれば適切な支援先の案内や、場合によっては医療機関への付き添い対応も可能なので、栃木県で妊娠・子育て中の方には、特に便利に活用いただけるサービスだと思います。

ー続いて「そらいろポケット」の活動内容についても教えてください。

伊藤:「そらいろポケット」は、妊産婦や育児中の親と子が楽しくリフレッシュできる居場所を提供している事業です。子どもの年齢層としては、乳幼児期から小中学生くらいを対象としています。

拠点である「居場所」や地域の公民館など、栃木県真岡市内のさまざまな場所で週2回ほど実施しており、専用の公式LINEからの事前予約で利用可能です。

居場所での活動内容は、妊娠期や子育てに関する相談対応のほか、離乳食の調理実習や、認定資格をもつスタッフによる抱っこ教室、ニーズに応じて小中学生の学習指導などもおこなっています

利用当初はこわばった表情をしていたお母さんが、だんだんにこやかになり、「子どもとも余裕をもって向き合えるようになった」などと言ってくださるのは、私たちにとって大きなやりがいです。

より多くの方にとって「育児が辛い」という気持ちから解放される場になるといいなと思いながら、この活動を続けています。

また、地域ボランティアの方たちによる協力のもと、整備された森での自然体験や、楽器演奏会といった親子向けイベントも毎月開催しています。

ボランティアには高校生から60代まで、幅広い世代の方たちがいて、みなさん子育てに励む親や子の心強い味方になってくれています。学生には将来医療・福祉系の道を目指している子も多いですね。

こうした世代を超えた交流から、支援のよい循環が生まれ、私たちの目指す「地域で子育て」の機会にもつながっているんですよね。

NPO法人「そらいろコアラ」のコアラ食堂

ー「コアラ食堂」ではどういった活動をされていますか?

伊藤:「コアラ食堂」は中学生以下の児童とその家族を対象とした子ども食堂で、栃木県真岡市内で月に1回程度開催しています。

提供しているのは、管理栄養士が監修する季節の食材を中心に使用した食事で、LINEで事前予約をすれば利用は無料です。

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、現状は持ち帰りの弁当での提供をおこなっています。

保護者からは、管理栄養士が考慮してメニューを決めたりすることから、「普段家では作らないような、こんな料理の仕方あるんだ」と調理の方法に新しい発見があるケースが多いですね。

また、基本的にコアラ食堂では季節の食材を使うようにしていますので、「その時期その時期のものを子どもに食べさせられるいい機会になった」なんていうお声もいただいています。

月に1回1食でもコアラ食堂を利用できることで、家庭にも余裕が生まれるという声もいただいています。

お子さんたちに関しては、「普段おうちではあまり食べないものも、コアラさんの食堂に行くと食べてくれる」なんていう声も聞こえてきますし、美味しいものをお腹いっぱい食べられる幸せをすごく感じていただいているケースが多いのかなと感じます。

「いつもありがとう、また来たい」「また誘って」みたいな声をたくさんいただくことが多く、私たちも大変うれしい限りです。

鳥飼 蓬子さん(以下、鳥飼):子育て中の家庭では、スーパーやコンビニで買った食事を子どもに出すことに罪悪感をもっている方もいます。

月に1回1食でもコアラ食堂を利用することで、家族で温かい食事をする余裕が生まれた、という声もいただいています。

楽しい時間を作れたことや、自分たちのいい時間を過ごせたことが、自信にもつながっていくと思います。

また、食堂の利用をきっかけに、「実は〇〇を子どもにしてあげたいんだけど、うちにはないから助けてもらえますか」など、次の「助けて」を伝えてくださるようになったご家庭もあります。

「助けて」って、言っていいですよね。それでお子さんたちがすごくいい顔になった!っていうのを我々も一緒に喜べるのは、とってもうれしいです。

コアラ食堂の取り組みをきっかけに、新たな支援が生まれることもあります。利用者から「誰かのために」と、未使用の子ども用衣類やおもちゃの提供をいただくこともそのひとつです。

支援を受けた方が、今度は自分にもできることを考える…そんな意識がみなさんに芽生え、ここが共に子育てを支えるコミュニティの場として機能していることを実感しています。

伊藤:今後もこうした支援の循環がどんどん広がっていくといいなと思いますし、また私たちがそのお手伝いをできていることが、とてもうれしいですね。

サポーター会員からの支援も大きな力に

NPO法人「そらいろコアラ」の活動の様子

ーボランティア以外にも応援する手段はありますか?

伊藤:当団体の活動は、サポーター会員のみなさんの支援によって支えられています。

サポーター会員には、月1回500円からの寄付による月会員と、年間3,000円の寄付による年間会員があります。単発でいただく寄付も私たちにとって大きな力です。

ご寄付は当団体ホームページの支援・協力するページからお申し込みいただけますので、ご協力よろしくお願いします。

鳥飼:また当団体では、2022年度より「子どもフードバンク」を立ち上げています。

紙おむつや粉ミルク、未使用の哺乳瓶や替え用乳首といった育児用品、また子ども向けのおもちゃや本といった、物資による支援も随時受け入れています。

支援物資に関しては、保管場所が限られていることもあるので、ご提供くださる方はまず、ホームページのお問い合わせからご連絡くださるとありがたいです。

ー今後、開催予定のイベントなどがあればご紹介ください。

鳥飼:詳細は未定ですが、地域のマルシェ会場などで妊娠・出産・子育てなど関する相談に応じる、出張相談窓口の開催を検討しています。

また、そらいろポケット事業では、毎月親子向けのイベントを開催しています。各イベントには定員があるので、ご興味を持たれた方はお早めにチェックして、ぜひご参加ください。

最新のイベント情報は、公式ホームページのほか、公式TwitterInstagramFacebookといったSNSでも随時発信していますので、そちらもご覧ください。

「そらいろコアラ」が活動している栃木県真岡市には、たくさんの塾・学習塾があります。

テラコヤプラスでは、真岡市 塾・学習塾 ランキングや、北真岡駅 塾・学習塾 ランキングなど、エリアや駅など条件を絞って塾を探すことができます。

お子さんの塾をお探しの方はぜひご活用ください!

LINEやSNSでつながり気軽に相談・参加を

NPO法人「そらいろコアラ」の公式LINE

ー最後に、読者の方へひと言メッセージをお願いします。

鳥飼:私たちの役目は、子どもたちや妊産婦さん、育児期家庭のニーズをキャッチして、適切な支援へつないでいくことです。

当団体では公式LINEやSNSなど、どなたでもアクセスしやすい手段をご用意しています。

また医療をはじめとするさまざまな分野の専門家も揃っており、「こんなこと聞いてもいいのかな」と思われるような小さな疑問や悩みにも対応できる体制があります。

出産を控えているとき、子育てに疲れてしまいそうなとき、いつでも支援を受けられる場が身近にあることを思い出して、気軽に私たちとつながってくださいね。

また私たちは、栃木県内を中心とした地域自治体や民間団体、医療機関など、同じような課題意識をもつ方々と、もっと連携していきたいと思っています。

ボランティアとして仲間になってくださる方も大歓迎です。

みなさんの想いが私たちの活動の核になります。当団体の活動に興味をもってくださる方や、ご協力いただける団体様はぜひお声かけください。

ー本日は貴重なお話をありがとうございました。

■取材協力:NPO法人 そらいろコアラ

中山 朋子
この記事を執筆した執筆者
中山 朋子

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

小さい頃からピアノ、書道、そろばん、テニス、英会話、塾と習い事の日々を送る。地方の高校から都内の大学に進学し、卒業後は出版社に勤務。ワーキングホリデーを利用して渡仏後、ILPGAに進学し、編集ライターの仕事をしながらPhonétiqueについて学ぶ。帰国後は広告代理店勤務を経て、再びメディア業界に。中学受験を控える子を持つ親として、「テラコヤプラス」では保護者目線の有益な情報をお届けする記事づくりを目指しています。