「NPO法人 居場所づくりサポートsamiitosu」の学習支援の内容とは?取り組みについて聞いてみた

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子どものことで心配ごとがあったとき、誰かに気軽に話を聞いてもらいたい、子どもの勉強を見てもらいたと思われる方もいるのではないでしょうか。

群馬県高崎市にある「NPO法人 居場所づくりサポートsamiitosu」は、子どもから大人まで地域のコミュニケーションの核となる「居場所づくり」に関するさまざまな事業をおこなっています。

今回は、サミートス代表の今田裕子さんに、子どもの学習支援活動「寺子屋さみいとす」をメインにお話を伺いました。

高崎市にお住いの方、お子さんのことでお悩みの方は、ぜひご一読ください。

  1. 「寺子屋さみいとす」や「おしゃべりカフェ」「サミートス子ども食堂」を運営
  2. オンラインサロンでサミートスのマインドを共有したい
  3. 親の背中を見せることで自分を愛せる子どもになる

「寺子屋さみいとす」や「おしゃべりカフェ」「サミートス子ども食堂」を運営

NPO法人「居場所づくりサポート・サミートス」学習支援の様子

ー本日はよろしくお願いします。まず、「サミートス」について、設立のきっかけとこれまでの歩みを教えてください。

今田 裕子さん(以下、今田):
もともとは、子育ての悩みなどを共有できる居場所を作ろうと思ったのが「サミートス」の始まりです。構想13年、自分が子育て中に欲しかった空間を作りました。おかげさまでオープンして7年半の月日が経ちました。

絵本と木のおもちゃがたくさんの「サミートス子ども食堂」では、栄養たっぷりのメニューを食べた後、親子でゆったりとした時間を過ごすことができます。

また、ぶらりと寄ることができる「おしゃべりカフェ」も実施。リピーターさんが多く、地域の居場所となることができました。コロナの影響で、旧店舗から徒歩10分の今の場所に移転してからは、ランチタイムは子ども食堂、昼間はカフェ、夕方からは学習支援と時間で区切って活動をしています。

一次に、学習支援活動「寺子屋さみいとす」について詳しく教えてください。

今田:
お子さん一人ひとり、個々の能力や家庭環境、親御さんが育ってきた環境が違います。学習支援活動「寺子屋さみいとす」では、経験豊富な講師陣が、小学生と中学生を中心に個々の状況に応じてマンツーマンの授業をおこなっています。


保護者の方は、みな、ご自分の子どもが勉強に対して意欲的になったり、自分の夢を語ったりするお子さまになってほしいと願いますよね。そのためには、まずは親御さん自身が精神的に健康的な状態であることが大事だと思います。

スタッフ一同、直接関わっているのはお子さまであり、お子さまに対して学習指導をしているのですが、もう一方でお子さまの成長だけでなく、親御さんを元気にしたい、支えたいという信念を持っているのです。そこが一般の塾と最も違うところだと思います。

たとえば、子どもたちの学習指導中に、できるようになったことや頑張ったところを褒めていきます。そしてその内容やお子さまの頑張りを親御さんにお伝えするのです。お子さまの行動を“材料”にして、保護者さまたちをたくさん褒めて認めていく。

「お母さま、お子さまを支えてくれて、ありがとうございます。本当に頑張られていらっしゃいますね。」と伝える。私たちはこのことをとても大切にしています。それを積み重ねていくと、親御さんがお子さまをたくさん褒められるようになり、認められるようになり、そして親子関係が良くなっていくのです。

みなさん、ついお子さまのできていないところに注目してしまいますよね。もっとこうした方がよいとか、ああした方がよいなど、口を出してしまいがち。お子さまのことを大切に思えばこそなのですが、思春期、特に中学生に対しては、保護者の方がこれをすればするほど反目してしまい逆効果です。

お母さまやお父さま、みなさん、お子さまに対して「信じる気持ち」と「心配する気持ち」のそのどちらもが、心の中に同居していますよね。中学校以上になったら、ぜひ、「心配な気持ち」をグッと我慢して、「信じる気持ち」をより前面に出していってください。

思春期のお子さまは、何もかもが不安で仕方がない時期。彼らの精神的な支柱になるのが、保護者さまたちの「信じる気持ち」なのです。“お母さんだけは、私を信じてくれている!!”そのことが、どれだけ彼らの救いになるでしょう。そして、私たちサミートスは、彼らを支える親御さんたちを全力で応援していきます。

ーちなみに、「寺子屋さみいとす」の料金はどのように設定されていますか?

今田:
「寺子屋さみいとす」の料金は以下の表をご覧ください。

【講師 1コマ40分】

小学生 中学生
1,300円 1,400円

※上記の価格は税込みです。

【学生キャッチボール指導】

30分 60分
750円 1,500円

※上記の価格は税込みです。

今田:「学生キャッチボール指導」は大学生によるオンライン授業です。

ご利用される場合は、施設・通信管理費として月額1,000円かかります。また、サポーター会費として、年1回3,000円を頂戴しています。


寺子屋さみいとすに参加している生徒さんは、お勉強が苦手なお子さまも多いので、週に複数回、学んでほしいと思っています。そのためリーズナブル料金設定にしています。


また、経済的な理由で学びの場を補うことができないご家庭や、養護施設の子どもたちに対して、サミートスの活動を応援していただいている資金を活用して、無料で学習支援をおこなっております。

大学生によるオンラインのキャッチボール指導は、勉強を教える学生たちにとっても、良い効果があると感じています。自分が一生懸命してきた勉強が、他の人に役立つことはうれしいこと。ご近所の後輩の成長をサポートするようで、やりがいがあり、学生からも好評です。

そして、生徒さんにとっても、1人で勉強するのではなく、ちょっと上のお兄さんお姉さんが寄り添ってくれる環境が良いのだと思います。学生が優しく解説すると、興味や関心がすごく広がるのですよね。「学びことや知識を増やしていくことは楽しい!」というモデルを学生たちが子どもたちに示してくれています。

また、昼間オープンしている「おしゃべりカフェ」は、地域の居場所になっています。名物は給食で人気の揚げパンです。寺子屋さみいとすを卒業した生徒さんも食べに来てくれて、普通の塾は卒業したらなかなかまた来ることはないと思いますが、揚げパンをきっかけに顏を見せてくれます。これがまたうれしいのです。先日も「大学が決まりました!」と遊びに来てくれました。

さらにサミートスでは、不登校の子どもたちの居場所を提供しています。無料の子育て相談など、いろいろな方がさまざまなカタチで関わり合うスペースになっています。

人と人とが励まし合いながら、楽しく勉強する方法、自分で勉強する方法が習慣づいていくのが「寺子屋さみいとす」の良さだと思います。学びはこれからもずっと一生続きます。自分の力で、自分に合った方法で、その道を歩み続けてほしいと願います。

オンラインサロンでサミートスのマインドを共有したい

NPO法人「居場所づくりサポート・サミートス」

ー今後の展望などありましたら教えてください。

今田:
サミートスでは「誰にでも世界一がある」というマインドを提示しています。どうか“勉強”というものさしだけに、右往左往しないでほしい。お子さまそれぞれに、それぞれの世界ーになれる力があると思います。そのために、自分の強みも弱みも大事にしてほしいと声かけしています。

人はできないところに執着しがちですが、できるところとできないところを割り切って考えてください、と伝えています。できるところは強みとして、努力したり楽しんだりして、どんどん伸ばしていってほしい。そうすれば、世界一になれる力が湧いて出てくるでしょう。

その一方で、できないところ、弱みは諦めるのではなく、でもごまかすのではなく、苦手な自分を認めた上で、登る階段をスモールステップにして、その小さな一段一段を登っている自分を褒めていく。

このように、自分の良いところも悪いところもオールオッケーにしたら人生は楽しいのだよ、というマインドをオンラインのサロンで共有していけたらと思っています。

NPO法人 居場所づくりサポートsamiitosuがある群馬県高崎市には、たくさんの塾があります。

テラコヤプラスでは、高崎市 塾・学習塾 ランキングや、高崎駅 塾・学習塾 ランキングなど、エリアや駅など条件を絞って塾を探すことができます。

お子さんの塾をお探しの方は、ぜひご活用ください!

親の背中を見せることで自分を愛せる子どもになる

NPO法人「居場所づくりサポート・サミートス」

ー最後に、読者に向けて一言メッセージをお願いします。

今田:お子さまをとにかく信じてください。そして、ぜひ背中を見せていってください。
この2点です。

親御さん自身も自分の強みと弱みがあると思うのです。お子さまにたくさん勉強してほしいと願うのでしたら、親御さん自身が自分の弱いところを認めて「よしよし」って自分を優しくしてあげてほしい。

たとえば、私はお掃除がとても苦手なのですよ。でもそれに対して「よしよし」って自分に優しくする。ちょっと机周りが綺麗になると、「ねえ、お母さん今日これ綺麗だと思わない?」という感じで自分の苦手なところを、逃げないで、スモールステップにして頑張っているという姿勢を見せる。

やはり親が背中を見せないと、と思います。「勉強しなさい、頑張れ頑張れ!!」と言葉で言うだけじゃなくて、自分も苦手だけどこれを今頑張っているのだよって。

苦手なところに諦めずに一段一段登っていく背中を親御さんが見せていくと、子どもたちも苦手なところを頑張ってみようかなとか、そして自分の得意なところは他の人よりも負けないぞとか、そういう自分を愛せる子どもになっていくのではと思っています。

まずは親御さん自身が自分の苦手なところを愛して、得意なところはしっかり伸ばしていくように楽しく人生を生きてほしいと願います。そうすることで、お子さまも自分と向き合うようになるでしょう。

子どもたちは未来を担う宝物です。私たちサミートス一同、お子さまと彼らを支える保護者さまたちを全力でサポートしていきます

本日は貴重なお話をありがとうございました。

■取材協力:NPO法人 居場所づくりサポートsamiitosu

中山 朋子
この記事を執筆した執筆者
中山 朋子

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

小さい頃からピアノ、書道、そろばん、テニス、英会話、塾と習い事の日々を送る。地方の高校から都内の大学に進学し、卒業後は出版社に勤務。ワーキングホリデーを利用して渡仏後、ILPGAに進学し、編集ライターの仕事をしながらPhonétiqueについて学ぶ。帰国後は広告代理店勤務を経て、再びメディア業界に。中学受験を控える子を持つ親として、「テラコヤプラス」では保護者目線の有益な情報をお届けする記事づくりを目指しています。