NPO法人「Grow Up」を取材!自己肯定感を高めていじめをなくす取り組みについて聞いてみた

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いじめは、なぜなくならないのでしょうか。

今回取材をしたNPO法人「Grow Up(グロウアップ)」理事長の中島 征一郎さんは、“自己肯定感”が鍵となるといいます。

そこでGrow Upは、自己肯定感を高める講座や、先生の育成、ケアにも力を入れた研修を開催

保護者や先生が笑顔になり、幸せにならなくては子どものいじめはなくならないという考えのもと、活動に取り組んでいます。

子どもの幸せを願わない親はいません。自己肯定感を高める講座に興味のある方は、ぜひご一読ください。

  1. 自己肯定感を高めることでいじめをなくす「Grow Up」の活動とは
  2. 先生の育成にも尽力!いじめ防止のオンラインセミナーに出演も
  3. 目指すべきは“子ども自ら幸せになれる力”を持てるように

自己肯定感を高めることでいじめをなくす「Grow Up」の活動とは

講座の様子の画像

ー本日はよろしくお願いいたします。まず、NPO法人「Grow Up」の活動について教えてください。

中島 征一郎さん(以下、中島):
NPO法人「Grow Up」を立ち上げたのは、もともと私の子どもがいじめをうけて1年ぐらい学校側と戦ったのがきっかけでした。

その経験から、いじめをなくしたい、子どもがいじめを受ける親の苦しさはもう誰にもしてほしくない、という思いから仲間とともにGrow Upをつくったんですね。

目指しているところは、「いじめをなくす」ことですが、ではどうしたらなくせるかと考え、自己肯定感を高めていけばなくせるのではないかと思いました。

ただその自己肯定感というのも、一般的にいわれている“自分を受け入れる”など、要はできない自分も肯定するといった意味ではなく、“自分が成長する可能性を信じる気持ち”に定義して、講座をつくったり、それこそ研修をおこなったりしています。

そのなかで一番軸になるのは、毎月1回おこなっている、自己肯定感を高める講座です。

コロナ禍でオンラインに切り替えることもありましたが、毎月開催することで学びたい人がいつでも学べる場所として、毎月第3日曜日の午前中におこなっています。

基本子どもたちというよりかは、親御さんや、大人の方が対象で、自分と他人は違うという、人の心理特性、さらに誰かに依存するのではなく、主体性が大事だと訴えています。

主体性をもつって難しいし、他人は簡単にできるのに、なんで自分はできないのだろうと感じる方に対して、できなくても問題ないということを、いろいろな知識とワークを使いながら、その場で感想を交えてシェアするんですよ。

たとえば、過去におこなった親子の料理教室は、子どもが料理したものを親御さんが食べるというもの。親御さんは料理をしている子どもにいろいろと
口出ししたくなるみたいで、そこをリアルタイムでコーチングします。

もうひとつが、助産師さんがおこなう「産後ケアハウスねんねこ」さんとコラボして、月1回子どもの自己肯定感を高める講座をおこなっています。

数年前に、市役所の職員の方が産後鬱から悲しい事件がおきまして、やはりお母さんもケアしなくてはいけないよね、という思いからこの活動を始めました。

この講座はお母さん向けなので、赤ちゃんも一緒にいるんですよ。赤ちゃんが遊んでいるところで心理学をベースにお母さんの心を軽くするような講座を開催しています。

それと、前年度から小学校の職員研修もおこなっていて、結局子どもたちや親が笑顔になっても、先生が笑顔にならないといじめはなくせないと感じ、先生向けの研修も開催し始めました。

授業は、プログラミングや、親子活動での講師などで、先生の負担や、心のわだかまりを心理学的なアプローチから解消していくのが大きな柱ですね。

先生の育成にも尽力!いじめ防止のオンラインセミナーに出演も

セミナーの告知画像

https://www.kokuchpro.com/event/02ecbe4b2e66ed4031c3861b68ce3ffd/

ー今後、開催予定のイベントなどあれば教えてください。

中島:
自己肯定感を高める講座は毎月開催していますが、そのほかのイベントはコロナ禍のため、今はそのときではないのかなと思っています。

今まではオンラインで開催していたのですが、やはり実際に会って、その場で学びたいという方が多いんですよね。

そのため、今後もう少し落ち着いたら、以前もおこなっていたような、焚火や、ナイフを使ってスプーンをつくるなどといった講座を再開していきたいなとは思っています。

講座の開催は、Facebookで告知しているので、そちらをご覧ください。

また、現在、小学校の職員研修をおこなっていくなかで、今後を見据え、ミドル教員といわれる中間層や、管理職手前の方々に対して、マネジメントなどの後進育成が必要だと感じています。

今、Twitterのスペース機能を使い、“ミドル教員のマネジメント(仮)”という名前で、いろいろと対談をさせていただいているんですね。

そういったなかで、当法人としては、一般の方向けの活動と同様、先生の育成と、私と同じ3、40代のミドル教員に対してどのような学びを提供していくかを準備しているところで、そこがほかの法人の方の活動とはまた違った部分だと思っています。

そして実際に全国で活躍されている先生方と繋がり、2月にオンラインのいじめ防止のオンラインセミナーの対談にゲストで出演させていただくことになっています。

今後は、親子に向けた活動だけでなく、先生方に対しても、より積極的にアプローチできるよう、取り組んでいきたいです。

やはり先生も大変で困っているので、心のわだかまりや悩みを解消するケアをおこない、ひとりの先生を育むことで、何百人という子どもたちを笑顔にさせることができれば、いじめをなくしていくことができるという考えのもと、これからも活動を広げていきます。

先生の心のケアも、いじめをなくす鍵となるのですね!先生の笑顔は、生徒の笑顔に繋がると感じました。

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目指すべきは“子ども自ら幸せになれる力”を持てるように

ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

中島:近年、ものに縛られない生き方や、型にはまらない価値観を尊重する風潮もあり、考えるより感じることが大事だよねと、感覚を好む人が多い気がします。

そんななか、HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)(※)の方もいて、最近「繊細さん」ともいわれますが、そういう特性がある人って理屈がほしいんですよね。

思考が深いので、感覚だけだとなかなか理解しづらい、それよりも理由づけがあったほうが納得するという方もいます。

そこで、学びたいけど周りにそういう場がない、という方がいれば、NPO法人GrowUpを知っていただきたいです。

また、上皇后美智子さまのお言葉で、“「幸せな子」を育てるのではなく、どんな境遇におかれても「幸せになれる子」を育てたい。”というものがあります。当法人の講座にも必ず入れている言葉です。

幸せにしてもらうより、自分でどう幸せになっていくかが大切で、子どもにそうなってもらいたいなら、まず大人である私たちが大変ななかでも幸せを見つけていかなくていけないと思っています。

(※)HSPとは、環境感受性あるいはその気質・性格的マーカーである感覚処理感受性が極めて高い人たちを表す言葉

ー本日は貴重なお話をありがとうございました!


■取材協力:NPO法人 Grow Up

福岡 萌子
この記事を執筆した執筆者
福岡 萌子

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

幼少期はダンス、フィギュアスケート、ピアノ、英会話などを習う。英語に特化したカリキュラムが豊富な私立高校の国際情報コースに通い、イギリスでの短期留学を経験。その後、恵泉女学園大学人間社会学部にてインドネシア文化とフランス文化を学ぶ。その後、幼児~シニアを対象としたダンス講師として従事。2021年4月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。保護者やお子さまの目線に寄り添い、知りたい情報を確実にお届けできるよう目指しています。