「こころ未来高等学校」は通信制でもフェイス・トゥ・フェイスを重視!誰ひとり取り残さない教育とは

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かつては勤労青年が通うというイメージのあった通信制高校は、時代の変化とともにさまざまな理由で悩みを抱える子どもが通う学校としても広く教育活動をおこなっています。

さらに、最近では自らの夢のために通信制高校に通う生徒も増えているとのことです。

そんな通信制高校の1つである「こころ未来高等学校」は長崎県にある広域を対象とした高等学校。

通信制でありながらフェイス・トゥ・フェイスを重視しているのがこの学校の1番の特徴です。また、通信制だからこそできる教育や、誰ひとり取り残さない教育機関を目標に掲げています。

今回はそんな「こころ未来高等学校」の学園長 境 佑介(さかい ゆうすけ)さんにお話を伺いました。

通信制高校に関してあまり知らないという方も、ぜひこの記事を読み、進学の選択肢の1つとして考えてみてください。

  1. さまざまな悩みを抱える生徒のために設立
  2. 「フェイス・トゥ・フェイス」による教育を重視
  3. 地域や団体と連携を図りながらイベントを開催
  4. 通信制高校ならではの教育を追求したい

さまざまな悩みを抱える生徒のために設立

こころ未来高等学校

ー本日はよろしくお願いいたします。まずは「学校法人第二岩永学園 こころ未来高等学校」の設立の経緯や、どのような活動をおこなっているかについてお聞かせいただけますでしょうか。

境 佑介さん(以下、境):本校は、広域を対象とした通信制高校になります。

一人でも多くの苦しんでいる生徒の心の声に耳を傾け、スポットライトを照らしてあげる場所が学校であるべきだという強い理念を持ち、日々の教育活動に取り組んでいる学校です。

設立の経緯としては、岩永守弘理事長が昭和62年1月に長崎カイロプラクティック学院という、整体のスクールを開校したのが歴史の始まりですね。

その後、平成17年に学校法人の認可を受け、専門学校となりました。

現在の形に近くなったのは、平成24年に長崎県の教育委員会から指定を受けて高卒資格が取得できる技能連携教育施設を立ち上げてからです。

不登校などにさまざまな悩みを抱えている子どもたちが多いという現状を受け、子どもたちの可能性を等しく信じてあげる教育施設を作りたいという思いから、理事長と私を含め当時からいた職員数名で夢を持って設立に至りました。

さらにその歩みが実績となり、平成28年には「こころ未来高等学校」として高等学校の設置認可をうけ、現在6シーズン目となっています。

平成24年頃から技能連携教育施設を構えて通信制高校を広げていこうとしたとき、中学や高校、一般企業に生徒募集や広報活動、それに連携をお願いしにいきました。

しかしながら、その頃は門前払いとまではいきませんが、なかなか通信制の良さを理解していただけず、悔しい思いをしたことも。

それでも平成24年に20数名が入学をしてくれ、現在では広域を対象とする通信制高校といいながら長崎県内在住者におけるシェアが90%以上、在籍する生徒数は430名を超える学校へと成長したのです。

「フェイス・トゥ・フェイス」による教育を重視

こころ未来高等学校

ーこころ未来高等学校の具体的な活動内容や、活動方針について教えてください。

:本校は通信制高校でありながら、「フェイス・トゥ・フェイス」を大切にしているところが特徴です。

通信制高校というと、課題が自宅に届き、個人で学習を進めたり、最近ではタブレットやパソコンを通じて学習をおこなったりするという、自宅での学習イメージがあるかと思います。

しかしながら、本校は心の声を聴く、子どもたち一人ひとりにスポットライトを照らすという教育理念から、対面でのコミュニケーションを大切にしており、学校へ登校する通学スタイルを選択できるようにしています。

私たち大人が子どもの頃には、憧れの先生であったり、自分のことをしっかりと受け止めてくれる先生であったり、さまざまな大人と出会い、こういう大人になりたいと思える人を心の中に持ちながら夢を見つけてきたと思います。

本校の生徒たちにも、いろいろな温かい大人との顔をつきあわせての出会いを通じて、社会に希望の光を持って、目標を持って巣立ってほしいと考えているのです。

ー通学スタイルについてもう少し詳しく教えていただけないでしょうか。

境:大きく分けて4つの通学スタイルを持っています

1つ目が「ウィークデイコース」と呼ばれる、通信制だけど制服を着て毎日登校するコース。2つ目が週に2回程度登校する「ツーデイコース」です。

3つ目が在宅で学習を進める「在宅通信制コース」、そして最後に「夢未来高等学院と呼ばれる県外の連携校や通信制サポート校を利用するコースがあります。

通信制の学校ではやはり多様な生徒をお預かりしており、なかには過去に学校に通えなかった経験を持つ子もいるため、学校に通うための支援にも注力中ですね。

たとえば、スクールソーシャルワーカーに常勤で勤務してもらい、登校支援や訪問支援などの充実をおこなっています。

これは、単に単位が修得できないことやスクーリングに参加できなかったことに対するフォローのためだけではありません。

スクールソーシャルワーカーが自宅に行ったり、登校支援をしたりすることによって、生徒たちがこういう風に私たちをしっかりと見守ってくれている大人がいるんだということを感じる経験をしてほしいという願いも込められています。

今後はスクールソーシャルワーカーの増員にも力を入れていきたいと考えております。

グループ校の専門学校との連携をおこなっているのも特徴の1つです。高校に在学しながら、整体、パソコン、医療事務、メイク、ネイルといった専門知識、技術を学ぶことができ、資格取得も目指せます。

来年度からはYouTubeに動画を投稿するなどのための映像編集やダンスレッスンなども、選択授業として増やしていく予定です。

ー通学をおこなうスタイルと自宅で学習するスタイルでは、どちらの方が人気なのでしょうか。

こころ未来高等学校

境:どれが人気ということはなく、比較的均等に分かれています

たとえば現在の在籍生徒数でいうと、ウィークデイコースが約100人、ツーデイコースが約120人、在宅通信制が約90人、連携校・通信サポート校を利用する生徒が約130人となっています。

通信制で学ぶ生徒たちには多様なニーズがあり、毎日通いたいと思う子もいれば、週2回程度で良いと思う子もいます。また、自分でしっかりやれるという自信があったり夢の実現のために自分の時間をたくさん使いたかったりする子は在宅を選ぶなど、どのニーズもおそらく均等にあるのでしょう。

ー進学や進路についてのサポートは手厚いのでしょうか?

境:まず進学については、通信制の学校であっても進学希望者がかなり多いです。一方で通信制に在籍する生徒たちは学力にかなりばらつきがあります。

このため、進学を希望する生徒が進学対策を受けられる授業日を今年度から設定。進学のサポートをおこなっています。

また、通信制の高校は全日制の高校に比べて進学・就職率に課題があり、全国的にもおそらく3割から4割程度は卒業時に進路が決まっていないという状況です。

本校では、卒業するときに、明日から何もないという生徒だけは絶対に作らないようにしようと進路担当と話し合いをし、進路指導をしています

たとえばアルバイトから段階を踏んで社会を経験したいと希望をもっていたり、自動車学校への入校から始めたり、療養を優先したりと、それぞれ卒業時の進路は異なるのが現実なのです。

もちろん目標に向かって頑張っている生徒も多く、昨年度は初めて国立大学に合格した生徒も出ましたし、県立大学や有名私立大学に合格した生徒もいました。

それぞれの目標にあった進路をこころ未来高等学校として一緒に実現していけているかなと思っています。

地域や団体と連携を図りながらイベントを開催

こころ未来高等学校

ー「こころ未来高等学校」でおこなわれるイベントや無料体験入学について教えてください。

境:無料体験入学については、オープンスクールを月に1回程度開催しています。

また、平日や土曜日の授業はいつでも見てもらえるよう開放。入学希望者や全日制の高校から転校を希望している生徒が見学したうえでコースを決めるのに役立っていますね。

イベントとしては中学生の部活動を応援するという意味で、「こころ未来杯」というバドミントンやバレーボール、サッカーの大会を年に何回か、各スポーツの協会と連携して開催中

今後はさらにダンス大会やeスポーツ大会を開催したいと考え、いろいろな協会や関係団体と話し合いを進めているところです。

また、SDGsに関する取り組みを率先しておこなっているのも地域との連携といえるかもしれません。

SDGsクラブというプログラムを作り、海や地域の清掃活動、近くの農地の草刈りを手伝いに行く活動をおこなっています。

ーイベントはどのようなきっかけで開催することが多いのでしょうか。

境:地域や関係団体の方々から声がかかるパターンが多いです

それを受けて我々が生徒に打診し、ボランティアが集まったら活動に参加するという形でおこなっています。

そのような依頼が集まるよう、開かれた学校づくりも目指しています。このためにも、地域の方々や関係団体とは日頃から連携を密にしているのです。

通信制ならではの、子どものニーズに応えられる教育は素晴らしいですね!

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通信制高校ならではの教育を追求したい

こころ未来高等学校

ー今後の活動方針や目標があれば教えてください。

境:通信制ならではの特徴についてもっと追求していきたいです。

以前は勤労青年が通うイメージがあった通信制高校でしたが、社会背景の変化から多様なニーズを持つ生徒が通う学校として生徒数は増え続けています。

さらに、最近では大きな夢を持って本校に来る生徒たちも多くなっています。通信制だからこそできる教育や、通信制だからこそできる楽しい学校というものがあるはずです。それらの実現を目標にしていきたいですね。

また、いろいろな連携している機関、関係団体、地域社会と連携をとりながら、SDGsの理念をもとに、誰ひとり取り残さない教育を掲げ、これからも持続可能な学校であり続けたいです

ー最後にこの記事を読んでいる読者の方々へメッセージをお願いします。

境:生徒たちの成長が一番見える世界が通信制の高校だと思っています。

ぜひ本校のホームページなどで、たくさんの子どもたちが明るく元気に頑張っている姿を写真や動画でご覧ください。

また、世の中が少子化で子どもの数が減っていっているのに、通信制の高校だけ生徒数が毎年伸びているという事実があり、通信制高校は社会のニーズにあった教育機関であるということがいえるかと思います。

ぜひ通信制高校について調べていただき、新たな学び方があるのだということを知っていただく機会にしていただければ幸いです。

ー本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

■ 取材協力:学校法人第二岩永学園 こころ未来高等学校

坂本 菜緒
この記事を執筆した執筆者
坂本 菜緒

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

ピアノ、体操、フィギュアスケートなどの習い事を掛け持ちしつつ、小学3年生から進学塾に通う。高校受験で山手学院高等学校に進学。その後、大学受験で東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻に入学。同校の大学院美術研究科を修了し、美術と工芸の専修免許状を所持。2012年から東京都公立小学校にて勤務。2018年5月に株式会社サイバーエージェントグループ会社である株式会社CyberOwlへ中途入社。2021年3月から「テラコヤプラス by Ameba」にてエディターとして従事し、保護者の方やお子様にとって、目的にあった最適な習い事に出会える記事作りを目指しています。