早川町の文化や伝統を守るNPO法人「早川エコファーム」を取材!日本一人口が少ない町での農業体験とは

早川町の文化や伝統を守るNPO法人「早川エコファーム」を取材!日本一人口が少ない町での農業体験とはの画像

山梨県南巨摩郡にある早川町は、南アルプスの山々に囲まれており、日本で一番人口の少ない町です。

人口の減少を懸念し、早川町を盛り上げるために地域活性化に努めている団体がNPO法人「早川エコファーム」です。

自然豊かで新鮮な農作物が多く育つ土地を活かし、農作業を体験できるイベントなどを提供しています。

今回は、早川エコファームの村松 敬(むらまつ けい)さんに活動内容や今後の展望などについてお話を伺いました。

農作物づくりに興味のある方や、子どもと一緒に自然とふれあう農業体験をしたい方はぜひご覧ください。

  1. 地元の農産物を守り地域活性化に努める
  2. 町外在住者や子どもが参加できる農業体験
  3. 大豆の種まきから体験できる味噌づくり
  4. 農業を通して町の文化や伝統を受け継ぐ

地元の農産物を守り地域活性化に努める

早川エコファーム1

ー本日はありがとうございます。まずは、「早川エコファーム」とはどのような団体なのか教えてください。

村松 敬さん(以下、村松):「早川エコファーム」は、2017年に“人と自然が共生する地域づくり”を目的に活動を始めたNPO法人です。

面積の約96%が森林で溢れている早川町には、昔ながらの風習や文化、農作物が多く残っていて、活動では、早川町の固有種や特産品を守るための農園づくりに取り組んでいます。

また、早川町は人口が1000人未満の、“日本一人口が少ない町”なんです。

町民の多くが高齢者であり、「早川エコファーム」の活動拠点である「おばあちゃんたちの店」では、新鮮な地元農作物の直売をしているだけではなく、地元の老人たちに生きがいを提供する場所として機能しています。

そのほかにも、町外の人に参加してもらえる活動として「農業体験」や「味噌造り復活祭」などを実施しており、さまざまな取り組みを通して、早川町の魅力発信と活性化を図っています。

町外在住者や子どもが参加できる農業体験

早川エコファーム2

ー「農業体験」は、具体的にどのような活動なのでしょうか?

村松:「農業体験」は、1年を通して種まきや植え付け、草刈り、収穫といったさまざまな農作業を体験していただく活動です。

早川町と交流のある東京都品川区の方々をはじめとする首都圏の方、県内近郊の方などにご参加いただいています。

農業体験をするためには、(保険などの関係で)エコファームの会員になっていただくので、公式サイトでは「会員活動日」としてあります。

送迎が必要な方は、月に1~2回、東京からの送迎バスと古民家などでの宿泊がついた2泊3日の「バス活動日」を設けてあるので、そちらにお申し込みいただきたいと思います。また、ご自身で早川まで来られる方は、「バス活動日」に関係なくご都合にあわせて自由にご参加できますので、事務局にご相談下さい。

無農薬で農作物を栽培している早川町の農園では、昆虫がいることも多く、都会よりも自然環境に溢れた状態の畑が見られるのも魅力のひとつではないでしょうか。

会員さまのなかには昆虫を見ることを楽しみにして、農園まで足を運ぶ方もいますね。

子どもたちにとって植物や昆虫、野鳥などの自然とのふれあいは、都会ではなかなか味わうことができない貴重な体験だと思います。

昆虫や植物が多いのは、「生物」や「理科」が好きな人には楽しい活動ですね!

NPO法人「早川エコファーム」が拠点としている山梨県南巨摩郡には、塾・学習塾もあります。

地域の塾・学習塾を探している方は、ぜひ南巨摩郡富士川町 塾・学習塾 ランキングから検索してみてくださいね!

大豆の種まきから体験できる味噌づくり

早川エコファーム3

ー「早川エコファーム」で実施しているイベントについて教えてください。

村松:一番大きなイベントは、早川町三里地区早川集落の伝統的な味噌づくりを復活させた「味噌造り復活祭」です。

早川集落では昔、石積みの釜戸と大きな鍋に、2メートルほどもある「かぶら桶」をかぶせて大豆を蒸し、その大豆を使用して各集落ごとに味噌を作っていました。

そんな昔ながらの味噌づくりを復活させようと、集落や町民の方と協力して釜戸の修復作業などをおこない、2019年から「味噌造り復活祭」を開催しています。

2021年も例年通りおこなう予定で、6月末には「大豆の種まき祭」を実施しました。11月にはこの大豆を収穫し、来年の2月末ごろに味噌づくりをすることが最終目標です。

イベントは、味噌づくりを除いて前日まで予約可能なので、ご自身の予定の合う日や興味のあるものだけに参加していただくことも可能です。

興味のある方は、是非参加していただきたいですね。

農業を通して町の文化や伝統を受け継ぐ

早川エコファーム4

ー「早川エコファーム」の今後の展望や目標をお聞かせください。

村松:早川町には大豆のほかにも、西山地区産の「西山いんげん」、きゅうりの一種である「茂倉うり」など、さまざまな固有種農作物があります。

しかし、農産物を育てる後継者がいないと、作り手もいなくなってしまうんですよね。

「早川エコファーム」が目指しているのは、後継者不足の現状でも昔からある農作物をつくり続け、早川町の文化や伝統を引き継ぐ活動に努めることです。

また、コロナ禍以降、町外から活動を手伝いに来てくださる方も減ってしまっているので、コロナ禍のような状況下でも安全に参加できるるしくみを確立していきたいと思っています。

ー最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

村松:「早川エコファーム」では、農業体験を通して自然と触れ合い、町の人との交流を深め、文化や伝統を学ぶことができる活動を実施しています。

農業体験ができる「会員活動日」や「味噌造り復活祭」などの活動の最新情報やスケジュールは、ホームページで更新しているので、ご覧いただけるとうれしいです。

子どもから大人まで充実した農業体験ができるので、ぜひ遊びに来て自然豊かな早川町の魅力を感じてください。

ー本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!

■取材協力:NPO法人早川エコファーム

工藤 智也
この記事を執筆した執筆者
工藤 智也

テラコヤプラス by Ameba 執筆者

「テラコヤプラス by Ameba」の編集兼ライター。子どものころは勉強が苦手で、好きな教科と嫌いな教科でテストの点数が極端に違ったタイプ。国語が好きで、本ばかり読んでいた学生時代。中学校で塾に通い、その時に初めて塾で勉強すると成績が伸びることを実感。苦手な数学の成績が上がったことは、勉強に対する考え方が変わった良いきっかけに。この経験を活かし、勉強することが苦手な人が、少しでも勉強を好きになり前向きな塾選びができるようなサイトを目指します。